【最新】蓄電池はいつ設置すべき?導入すべきタイミング9選を詳しく解説!
<<本記事のデータは2025年4月26日に更新しました。>>
これから太陽光発電を検討している方にも、既に太陽光発電を設置している方にも、「蓄電池をいつどのタイミングで設置すべきか」というのは、気がかりな点なのではないでしょうか?
ソーラーパートナーズにも、自宅にとってベストな蓄電池の導入タイミングを計りながら問い合わせをしてくださる方が増えたように感じます。
今回は、「蓄電池を導入するにはどのタイミングがベストなのか」という点に加えて、「他の人はどんなことがきっかけで蓄電池を検討し始めたのか」という点をソーラーパートナーズの今までの情報を元に解説していきたいと思います。
前提として、蓄電池は太陽光発電がついている家でないとメリットがほとんどないため、この記事は太陽光発電がついている(もしくはこれからつける)家を対象にしているという点はお含みおきください。

以前は、太陽光発電の売電が終わったタイミングがベストとされていましたが、時代は売電から自家消費へと移り変わりました。それに応じて、政策が蓄電池の導入タイミングを提供してくれるケースも増えたので、自宅の場合はいつにすべきか参考にしてみてください。
蓄電池を検討・導入すべきタイミングはなにで決まるのか?
蓄電池を検討すべきタイミングは、下記の3つの要因に左右されます。
・既存の太陽光発電設備に関連するもの
・電気代を左右する住宅設備の導入検討
・補助金や電気代高騰などの外部要因
ここ数年これらの要因は大きく移り変わっているため、既に太陽光発電を設置している方も状況を注視しておくのがいいでしょう。
実際にソーラーパートナーズにお問い合わせをいただく方も、全員これらの要因で蓄電池の検討を始めています。
具体的なタイミングは次で解説する通り9パターンに分類されます。
蓄電池を検討・導入すべきタイミングはいつ?
蓄電池を導入すべき具体的なタイミングは、以下の9パターンあります。
上から順に緊急性が高く、上でなくとも複数状況が重なれば前向きに検討してみることをおすすめします。
それぞれ詳しく解説していきます。
パワコン故障時
最も蓄電池を導入するタイミングとして適しているのは、既存の太陽光発電のパワーコンディショナーが故障したタイミングです。
理由は、太陽光発電のパワコンが壊れた時こそ、ハイブリッドタイプの蓄電池を導入するのに最適だからです。
ハイブリッドタイプの蓄電池とは?
蓄電池には、既存の太陽光発電システムに組み込むハイブリッドタイプと、システムが独立している単機能タイプの2種類があります。
ハイブリッドの方が少ないロスで電気をためられるので人気が高いです。
しかし、ハイブリッドタイプ蓄電池を太陽光発電に組み込むためには、既存の太陽光のパワコンを取り外して、太陽光と蓄電池で共有できる新しいパワコンを設置する必要があります。
太陽光発電のパワコンが現役ならもったいないので心理的な抵抗がありますが、パワコンが故障したタイミングなら、人気なハイブリッドタイプを設置する絶好の機会となります。
太陽光発電のパワコンを壊れたらそのまま放置はできませんし、そのまま修理交換するより、電気代削減にも停電対策にもなる蓄電池の導入を検討するのがおすすめです。
固定価格買取終了時(卒FIT)
太陽光発電を設置して10年経過してFIT(固定価格買取制度)が終了してしまった時が、最も一般的な蓄電池を検討するタイミングです。
固定価格買取制度が終了してしまうと、いわゆる卒FITという状態になり、売電単価が極端に安くなります。
例えば、ちょうど10年前の2015年度に太陽光を設置した方は、33円もしくは35円で10年間売電を続けてきましたが、そのまま放置すると7円から9円となってしまいます。
蓄電池があれば、安い単価で売られてしまう電気を家の中で使うことができるので、電力会社から電気を買う量も減らせて経済的です。
太陽光発電は30年以上使用することを想定されているので、卒FITのタイミングで導入して残りの20年以上経済的にお得になると考えれば、卒FITはちょうどいいタイミングといえるわけです。
補助金がある時
FIT期間中であっても、大きい補助金が出たから検討を始めたという方も毎年増えています。
補助金があると自己負担を大きく減らして蓄電池を導入することができるので、利用しない手はありません。
令和7年度は国からは、「家庭・業務産業用蓄電システム導入支援事業(DR補助金)」という補助金が出ています。
DR補助金は最大60万円も支給されるため、受けることができればお得に設置ができます。
しかし、DR補助金に限らず、補助金は実施されない年度もあるため、蓄電池が気になっている時に補助金が出ていれば検討してみることをおすすめします。
また、補助金は申込期限だけでなく、予算上限でも締切が発生します。
検討を始めるのが遅れると予算上限で締め切られることがあるので、最終的に設置するかどうかの判断は後回しにしてでも、見積もりは先にとっておきましょう。
加えて、都道府県や市区町村が補助金を用意していることがあります。
国の補助金よりも予算上限に達するのが早いので、併用してさらに自己負担を少なくするなら、早めに検討するデメリットは何もありません。
電気代単価の高騰時
ここ数年、電気代単価が上がっていることをご存じでしょうか?
資源エネルギー庁によると、家庭用の電気代単価の平均額は、コロナ禍で25.82円まで下がったものの、再び上昇しウクライナ戦争により34円まで急騰しています。
電気代高騰の時が蓄電池を導入すべきタイミングとなるのは、売電の価値が極端に落ちるためです。
以下は現在太陽光発電を設置している方の売電単価の一覧です。
太陽光設置年度 | 現在の売電単価 |
---|---|
2014年度以前 | 7~9円/kWh(卒FIT) |
2015年度 | 33円/kWh |
2016年度 | 31円/kWh |
2017年度 | 28円/kWh |
2018年度 | 26円/kWh |
2019年度 | 24円/kWh |
2020年度 | 21円/kWh |
2021年度 | 19円/kWh |
2022年度 | 17円/kWh |
2023年度・2024年度 | 16円/kWh |
2025年度 | 15円/kWh |
電気代単価が34円まで上がっているということは、どの年度に設置をした方にとっても売電単価より買電単価の方が高い状況になったということです。
そうなると、電気はなるべく電力会社から買わず太陽光で発電した電気を家の中で消費する方がお得です。
そのため、電気代単価が高騰している時が、売電から自家消費へ切り替えるために蓄電池を導入すべきタイミングとなります。
太陽光発電と同時
これから太陽光発電を設置しようと考えている方には、最初から蓄電池を一緒に設置してしまうのもおすすめです。
これまで紹介してきたように、現在は「補助金があり」「売電単価よりも自家消費の方がお得」という時代です。
さらに、太陽光発電を新規に設置する時に補助金を受ける場合、FIT制度を使わないことが条件として付いていることも多いです。
そのため、FITを使っている方よりも売電単価がさらに安くなるので、さらに蓄電池を設置して自家消費するメリットが高くなります。
また、最初に説明した「パワコン交換が必要なハイブリッドタイプ蓄電池」も太陽光発電を設置する時であれば、交換なしで設置することができるためおすすめです。
エコキュートやIHの導入時
エコキュートやIHなどのオール電化機器を設置する時には、太陽光で発電した電気を自家消費する価値が高まります。
電気代やガス代などを合算した光熱費全体を下げるために、既に太陽光発電がついている家でオール電化を検討する方が増えています。
しかし、現在電気代の単価は高いため、太陽光で発電した電気の大部分が売電に回ってしまっている状況では、むしろ逆効果になってしまうことがあります。
そのため、オール電化と一緒に蓄電池を導入することで安定して光熱費削減効果を狙う方が増えています。
最近は、おひさまエコキュートという日中にお湯を沸かしてくれる機器も出ているので、太陽光発電だけでも、光熱費が上がってしまって光熱費が下がらなかったという方は多くありません。
ただ、家のエネルギーが電気に一本化されるので、停電などに備える意味でも蓄電池を検討することをおすすめします。
蓄電池の価格が変動する時
蓄電池は今まで以下の3つの価格変動の波を経験してきています。
・原材料の高騰
・価格の低減
・消費税率の変更
原材料の高騰
家庭用蓄電池は、リチウムなどのレアメタルを原材料として使っているため、世界的な需要が増加するタイミングでは価格が上がってしまうことがあります。
ここ数年は、中国が大気汚染の対策として電気自動車の普及を進めるために蓄電池に必要な原材料を多く輸入しているため、他の国の蓄電池の価格が上がる可能性が高いと言われ続けています。
また、2025年はアメリカのトランプ大統領が発動した関税により仕入れが高騰する可能性もあり、蓄電池に限りませんが国際社会では常に値上げの危機にさらされているので、値上げの可能性が高いタイミングでは、早め早めに検討することで結果的にお得に購入できる可能性が高まります。
消費税率の変更
消費税の変更というと、日本を生きる我々には、残念ながら価格が上がるというイメージが強いかもしれません。
スーパーやコンビニなどと違ってイメージされづらいですが、蓄電池にもしっかり消費税がかかってきます。
2019年の増税の際には、増税の前に駆け込みで契約する方が多くいました。
今後起こりうることとしては、更なる増税の前に駆け込みが起こるか、インフレ対策で一時減税みたいなことがあれば、検討するタイミングとなりえます。
価格の低減
蓄電池を検討する側にとって良い変動もあり、それが「価格の低減」です。
蓄電池は2019年から需要が急増しました。
それまでの蓄電池は、性能が低く価格も高い状態でしたが、需要が増加したことで開発や価格低減に力を入れることができ、現在の価格まで大きく価格が下がりました。
メーカーがスケールメリットで原材料を安く仕入れて、消費者に還元できる体制ができたことで価格が抑えられるようになったということです。
しかし、上記で紹介してきたように、せっかくメーカーが企業努力で価格の低減にこぎつけても、他の要因により価格が上がるため、実感しづらいのが現状です。
そのため、長期で見ればいつでも買い時と考えている方も多いのです。
自然災害への備えができる時
日本は地震大国です。
毎年台風も来ますし、常に地震災害の上位にさらされています。
自然災害にどこまで備える余裕があるのかという点は、家庭により様々ですが、蓄電池があることで自分や家族を守ることができるケースも存在します。
特に現在政府が警戒している、南海トラフ地震や首都直下地震はインフラに甚大なダメージを受ける可能性が高いので、余裕がある時には備えられるようにしましょう。
番外編:営業を受けた時
番外編として、導入タイミングではなく検討を始めるタイミングとして「営業を受けた時」を紹介します。
ある日突然訪問販売がやってきて、ポンポン話が進んで蓄電池の契約を結ばされるケースは全国的に確認されています。
もし本当に蓄電池が必要であっても、訪問販売からは購入しないことをおすすめします。
訪問販売だけでなく、イオンの中でイベントを開いている会社、電話営業をしている会社、太陽光を設置した会社からメンテナンスを引き継いだと自称する会社は、全て相場価格よりもかなり高いです。
基本的な蓄電池の価格の構造は、部材費+工事費+人件費+粗利+税です。
これらの会社は、価格に営業マンの歩合、イオンなどの出店代、太陽光発電設置済みの家庭のリスト代など余計なマージンを乗せています。
さらに、マージンが乗った高い金額にもかかわらず、最初の見積もりを更に高くした上で値引きをするので、消費者は高い商品を買わされたと気づくこともできません。
そのため、蓄電池は見積もりの比較が重要なのです。
蓄電池の営業を受けたら即決せずに、まずは自宅に本当に必要なのか複数の会社から意見を聞き、提案内容を見比べ、検討するという順序を踏んでください。
比較検討を面倒くさがった結果、高い契約を結ばされて、工事も適当にされてしまったという相談は枚挙にいとまがありません。
営業がきたら導入タイミングではなく、検討のきっかけと捉えるのが上手に買い物をする方法です。
蓄電池検討者のきっかけはなに?
ソーラーパートナーズで過去1年間(2024年1月1日~2024年12月31日)に問い合わせをいただいた方の一部を対象に、蓄電池を検討したきっかけをアンケートした結果紹介します。
サンプル数5550件
※複数回答可能
- 電気代単価の高騰:4580件
- 固定価格買取終了:3978件
- エコキュートやIHなど導入:2442件
- 補助金狙い:986件
- 停電対策:461件
- 営業から話を聞いて:188件
- パワコン故障:84件
蓄電池は太陽光を設置して何年後に導入すべき?
ソーラーパートナーズで過去1年間(2024年1月1日~2024年12月31日)に問い合わせをいただいた方の一部を対象に、太陽光発電を設置してから何年経過してから蓄電池を検討し始めたかアンケートした結果紹介します。
サンプル数4005
TOP5は以下の通りです。
- 設置後10年:712件
- 設置後11年:446件
- 設置後9年:416件
- 設置から1年未満:283件
- 設置後8年:281件
やはり固定価格買取制度の終了前後が、検討時期としては一番多い一方で、太陽光発電設置後1年未満で検討を始めている方も多くいます。
これは、太陽光発電をつけたは良いものの、やはり蓄電池を設置すればよかったと検討を始めた方です。
2023年から2024年に太陽光発電を設置してるため、国の蓄電池補助金が利用できるうちに検討したいからすぐに検討を始めたという方の意見も多くありました。
固定価格買取制度終了の準備期間を設置後8年以上と考えた時の卒FITとFIT中の比率は、
卒FIT:2706件
FIT期間:1299件
となりました。
蓄電池の導入タイミングに関してよくある質問
蓄電池は導入目的が家庭により異なりますが、誰にとってもベストなタイミングと言えるのが補助金がある時です。どんな導入目的であっても負担が少なく導入できるのは誰にとってもメリットがあります。現在は国が大きな補助金を用意してくれていますが、昨年よりも予算が削減されているので早めに検討することをおすすめします。
蓄電池は、太陽光で発電した電気の自家消費比率を上げることでメリットがある商品です。電力会社から買った電気を蓄電池にためることもできますが、時間帯別電料金の差額を利用するにせよ、非常時の電源として使うにせよ、メリットが薄いためおすすめできません。