AIKOソーラー太陽光パネルの評判は?変換効率24.3%の”ネオスター”、軽量防眩で上乗せ補助金のある”ネビュラ”の特徴と相場価格を解説。
太陽光パネルを検討する中で、いま「AIKOソーラー」に目を向ける方が確実に増えています。
太陽光パネルを取り扱う側の感覚としても、2025年に太陽光パネルを検討するのであれば選択肢にAIKOソーラーが入るのは当然とも思える程です。
AIKOは国内では新顔に見えるかもしれませんが、世界では有力メーカーの一つ。コスパに優れ、保証も優秀です。
本ページでは、AIKOソーラーの強みと国内での相場感を、初めての方にも分かりやすく整理してご紹介します。
AIKOソーラーとは?
AIKOソーラーは今では世界で有数の太陽光パネルメーカーとなりましたが、もともとは太陽光パネルの心臓部とも言える「セル」を専門に手がけていました。従来主流だったPERCセルの量産だけでなく、現在最先端とも言えるABC(オールバックコンタクト)セルを発明し、今ではセルからモジュールまで一貫して製造しています。わずか十数年で世界的なメーカーに成長し、今や「飛ぶ鳥を落とす勢い」と言っても過言ではありません。
日本国内では、2023年に「Aiko Energy Japan」が設立され、産業用を中心にシェアを広げていました。2024年頃から住宅用市場にも注力するようになり、まだ国内での設置実績は少ないながらも、その圧倒的なコストパフォーマンスの高さと保証の手厚さが評価されています。
当社でも2025年から設置件数が増えており、最も注目されるメーカーの一つとも言える程になりました。
AIKOソーラーの製品ラインナップ
AIKOソーラーでは、住宅用のラインナップとして「ネオスターシリーズ」を用意しています。また軽量モデルの「ネビュラシリーズ」も注目を集めています。なお産業用は「コメットシリーズ」となります。
ネオスターシリーズ | AIKO-A-MAH54Mw | AIKO-A-MAH54Mb | AIKO-A-MAH54Db | AIKO-A-MAH78Dw |
---|---|---|---|---|
特徴 | 片面ホワイト仕様の高効率モジュール。 | 片面ブラック仕様の美しいオールブラックモジュール。 | 両面ガラス構造のオールブラック耐久モジュール。 | 両面ガラス構造の大面積高出力モジュール。 |
出力範囲 | 450W~485W | 440W~470W | 440W~470W | 655W~680W |
最高変換効率 | 24.3% | 23.6% | 23.6% | 24.3% |
セルタイプ | N型単結晶ABCセル(オールバックコンタクト) | N型単結晶ABCセル(オールバックコンタクト) | N型単結晶ABCセル(オールバックコンタクト) | N型単結晶ABCセル(オールバックコンタクト) |
サイズ(長×幅×厚) | 1757 × 1134 × 30 mm | 1757 × 1134 × 30 mm | 1757 × 1134 × 30 mm | 2465 × 1134 × 30 mm |
重さ | 20.6 kg | 20.6 kg | 24.5 kg | 33.5 kg |
製品保証年数 | 15年(最長25年に延長可) | 25年 | 25年 | 15年(最長25年に延長可) |
出力保証年数 | 30年 | 30年 | 30年 | 30年 |
出力保証値 (終了年時点) |
88.85% | 88.85% | 88.85% | 88.85% |
AIKOのパネルはすべて N 型 ABC セルを採用しているため、いずれも基本性能はトップクラスです。ただし変換効率や意匠、保証期間はモデルごとに微妙に異なるので、購入前に細部を確認しておくと安心です。
とくに「MAH78Dw」はシリーズ中でも一回り大きいサイズで、屋根面積とのマッチングが鍵になります。太陽光パネルは隙間なく敷き詰めるために小型モデルが選ばれることが多いものの、屋根寸法とぴったり合うのであれば、大型パネルのほうがコストパフォーマンスに優れるケースも多いです。
続いて、軽量モデルのネビュラシリーズを紹介します。参考までに、先ほどご説明したネオスターシリーズとの比較表にします。
シリーズ | AIKO-A-MAH54Mw(ネオスター) | AIKO-A-MAH54Tm(ネビュラ:軽量) |
---|---|---|
特徴 | 片面ホワイト仕様の高効率モジュール。 | 軽量×防眩で幅広く設置個所を選べる。 |
出力範囲 | 450W~485W | 435W~450W |
最高変換効率 | 24.3% | 22.5% |
セルタイプ | N型単結晶ABCセル(オールバックコンタクト) | N型単結晶ABCセル(オールバックコンタクト) |
サイズ(長×幅×厚) | 1757 × 1134 × 30 mm | 1762 × 1134 × 30 mm |
重さ | 20.6 kg | 8.6 kg |
製品保証年数 | 15年(最長25年に延長可) | 12年 |
出力保証年数 | 30年 | 25年 |
出力保証値 (終了年時点) |
88.85% | 84.3% |
ネオスターより基本性能は劣るものの、ネビュラは「軽量」と「防眩」という際立った強みを持っています。
軽さを生かせば、例えば荷重に制限のあるカーポートへの設置ができたり、防眩仕様のおかげで北面の屋根に取り付けても光の反射を最小限に抑えられるため、周囲への配慮が欠かせない住宅密集地でも安心して導入できる点などのメリットがあります。
AIKOソーラーの特徴
AIKOソーラーのコストパフォーマンスの高さと保証の手厚さについて具体的に解説していきます。
AIKOソーラーの特徴①高性能なN型ABCセル
従来、住宅用パネルの主流だった P 型 PERC セルには、真夏など高温時に出力が落ちやすい弱点がありました。その課題を克服するために登場したのが次世代の N 型セルです。
AIKO ソーラーは、この N 型セルのなかでも最先端とされる「N 型 ABC(バックコンタクト)セル」を採用しています。
ABC 構造では電極を裏面へ移動させることで光を遮る要素を最小限に抑え、光のロスを最大 60 %もカットしています。
たとえば昨年人気を博した長州産業のパネルが変換効率 21 %台だったのに対し、AIKO の最新モデルは 24 %前後を記録。AIKOのABCパネルの性能の高さは業界でも際立っています。
AIKOソーラーの特徴②影に強い設計
従来のパネルは、セルの一部に影が差すと並列でつながる他のセルまで一緒に出力が落ちるという弱点がありました。
一方、N 型 ABC セルは影を「面」ではなく「点」で捉え、電流をうまく迂回させる独自構造を持っているため、影響をごく一部に封じ込めて発電ロスを最小限に抑えられます。
日本の住宅は建物同士が近く、隣家の屋根や電柱の影が部分的にかかりやすいのが現実で、そのせいで太陽光パネルの導入をあきらめるケースも少なくありません。しかし、AIKO が採用する N 型 ABC セルならそうした住環境でも高いコストパフォーマンスを発揮できるため、設置をためらっていたご家庭にも新たな選択肢となっています。
AIKOソーラーの特徴③長期保証
AIKOソーラーの魅力のひとつは、安心して長く使える保証の厚さにあります。
太陽光発電は導入直後に元が取れるものではなく、5年、10年とかけて初期費用を回収していく中長期の設備投資です。だからこそ、年月を経ても発電性能が落ちにくいこと、そして万一の際にきちんとカバーされることが重要になります。
AIKOは製品・システム・出力といった各種保証を用意していますが、なかでも注目したいのが出力保証です。
ソーラーパートナーズの住宅用太陽光パネルの成約実績で最も選ばれている 長州産業と比べてもさらに長い出力保証を掲げています。
メーカー | 製品名 | 出力保証期間 | 最終年の出力保証 |
---|---|---|---|
長州産業 | Gシリーズ | 25年 | 72.0% |
AIKOソーラー | AIKO-A-MAH54Mw | 30年 | 88.85% |
AIKOソーラーは約89%という業界トップの出力保証値でありながら、保証期間は驚異の30年間。
もちろん、保証値を下回るとメーカー側が補償費用を負担することになります。そのリスクを織り込んだうえで30年・約89%を約束できるのは、製造品質と劣化耐性に対する自信の表れと言えるでしょう。
AIKOソーラーの特徴④軽量・防眩モジュール「ネビュラ」
ネビュラシリーズの特徴は下記3点です。
- 軽量
- 低反射(防眩)
- 機能性PV認定
ネビュラは、とにかく“軽い”のが持ち味です。一般的な太陽光パネルが約20kgであるのに対し、ネビュラは約8kg。カーポートのように許容荷重に制約がある場所や、「屋根に重い機器は載せたくない」というニーズに適した設計です。
さらに、表面ガラスの代わりに樹脂を用いた特殊表面が光の乱反射を促し、眩しさを抑える防眩効果を発揮します。住宅が密集する都市部では、北面設置時の反射光トラブルが課題になることがありますが、ネビュラなら反射を大きく抑えやすく、周辺環境への配慮もしやすくなります。
またネビュラシリーズは東京都の太陽光パネル補助金において、機能性PVの条件を満たしていることも特徴の一つです。
【令和6年度】 優れた機能性を有する太陽光発電システムの認定
これにより、通常の補助金に加えて、1kWあたり8万円の上乗せ補助を受けることが可能です。
AIKOソーラーの相場価格
当社は太陽光発電・蓄電池の「自社施工会社限定」一括見積りサイトを運営しています。
導入検討の目安として、当社でのAIKOソーラーの成約実績をいくつかご紹介します。いずれも補助金適用前の総額です。
もちろんご自宅の条件によって金額は前後しますが、相場感の把握にご活用ください。
対象年:2025年(補助金適用前)
太陽光容量 (kW) | 蓄電池 | 成約金額(税込) |
---|---|---|
5.34 | オムロン 全負荷 12.7kWh | 3,498,000円 |
4.50 | オムロン 全負荷 12.7kWh | 3,190,000円 |
7.12 | オムロン 全負荷 12.7kWh | 2,970,000円 |
昨年度の当社の全メーカー相場と比べると総額は「平均〜やや高め」ですが、AIKOでは軽量・防眩モデルの採用案件が含まれるため、同条件(標準ガラス)に引き直すと相場並み〜やや割安に収まる印象です。
またAIKOの発電性能の高さ・保証の長さを考慮すると、コストパフォーマンスは高いと言って良いでしょう。
AIKOソーラーの太陽光発電・蓄電池のデメリット
AIKOを知れば知るほど、欠点の少ないメーカーだと思います。しかし全ての人にとってベストというわけではありません。
以下のような人はAIKO以外のメーカーも比較検討してみるべきです。
AIKOのパネルサイズが屋根に合わない人
AIKOはコストパフォーマンスに優れているため、まずは設置検討することをオススメしますが、どうしても屋根にサイズが合わない場合は他メーカーを選ぶべきでしょう。
太陽光パネルは屋根に敷き詰められる面積が広ければ広いほど発電量が増えます。日本の特に都市部では狭小屋根の住宅が増えている一方で、海外メーカーのパネルサイズは海外基準でやや大き目になることが多いです。
例えば長州産業のような国産メーカーは日本の住宅屋根に特化しており、隙間を詰めるような正方形や台形のモジュールを網羅しています。
中国メーカーを選びたくない人
「できれば国産メーカーを選びたい」という価値観が最優先なら、AIKOソーラーを無理におすすめはしません。
とはいえ、AIKOは自動化の進んだスマート工場で製造を行い、品質面の評価も高いブランドです。たとえば欧州主要国(ドイツ・イタリア・スペイン・スイス・イギリス)で EUPD Research の「Top Brand PV 2025」に選定され、さらに 2024 年には BloombergNEF の Tier1 モジュールメーカーにも認定されています。グローバル基準での信頼性は十分に証明されていると言えます。
それでも、日本国内にコールセンターや修理拠点を構える国産メーカーの“近さ”や、万一のときの安心感を重視したい方は少なくありません。国産メーカーを応援したいという気持ちも、選定の立派な理由です。
結局のところ、「国産の安心感」を軸に選ぶか、「性能と価格のバランス(グローバルブランド)」を重視するか。この優先順位を最初に決めると、後悔のない選択につながります。