【2024年】太陽光発電で電気代削減できるって本当? 高騰する光熱費をカットする方法
近年ではウクライナ情勢の影響による電気代の高騰もあり、電気代高騰が社会問題となりました。政府の電気代の緩和措置で少しの補助金は出ていますが、各電力会社は続々と料金の値上げを発表しています。そしてその補助金も2024年の6月には終了することになりました。
2024年6月には岸田総理が「『酷暑乗り切り緊急支援』として8月9月10月分、3カ月について電気・ガス料金補助を行います」と明言し、新たな電気代補助金が始まることが話題にもなっていますが、一方でこの電気代高騰の原因である燃料価格の高騰については対策できる範囲には限りがあり、これからの電気代の高騰が及ぼす生活への影響を不安に思う方も多いでしょう。
そこで、電気代削減の手段としておすすめなのが「太陽光発電」です。
結論としては太陽光発電を設置することで月あたり1万円以上も光熱費を削減することが可能です。
太陽光発電といえば売電による収入が知られていますが、近年は自家消費が主流です。発電した電気を、購入する高い電気の代わりに使うことで「電気代の収支をプラス」にすることだって可能です。
ただ、太陽光発電による電気代削減効果のしくみについては、少し勘違いしている人も多いので、この記事で分かりやすく解説してみたいと思います。
動画
「太陽光発電で電気代削減! 高騰する光熱費をカットする方法」
太陽光発電の電気代削減について動画でもまとめてみました。
太陽光発電で電気代は安くなる
太陽光発電を導入すると、電気代を削減するだけにとどまらず、収支をプラスにすることも十分可能です。
太陽光発電はで発電した電気は、まず家の中で消費され、消費しきれなかった分が電線を逆流して電力会社に売られていくという仕組みです。
そのため、節電メリットと売電メリットという二つのメリットが存在します。
まずは、一般的なケースを例に詳しく見てみましょう。
一般的な4人家庭での電気料金はおおよそ13,948円/月
統計局のデータによると、2022年度の一般的な家庭の電気料金は年間167,376円※。
一か月では13,948円/月です。
なんと10年間では約170万円の電気代を払っている計算になります。
電気使用量で考えると、だいたい420kWh/月程度を使用している計算です。
ちなみに2023年4月以降、各電力会社は大体10円/kWh前後値上げをしています。単純計算で月4,200円の値上がりと考えると恐ろしいですね。
太陽光発電による平均的な経済メリットはおおよそ10,700円/月
一方、太陽光発電を導入することによる経済メリットがどれぐらいあるかというと、
一般的なケースでは一か月あたりおおよそ10,700円※お得になります。
なぜこんなにお得になるかというと、太陽光発電はつくった電気を自家消費したり、売電することができるからです。
もちろん、太陽光発電には導入費用がかかることも忘れてはいけませんが、太陽光発電を導入すると電気代の削減と売電によって
収支をプラスにできるのです!
※設置容量5kW、1kWあたりの年間発電量1200kWh、売電比率70%(自家消費率30%)、2023年度売電価格16円/kWh、買電価格34円で計算
太陽光発電の収支シミュレーション
標準的なシステムを標準的な価格で導入したときのシミュレーションを見てみましょう。(設置場所は住宅用太陽光発電の導入件数日本一の愛知県で設定しています)
昨今の電気代高騰や在宅率向上の効果により、以前よりも太陽光発電のメリットを感じることができるようになりました。
愛知県で太陽光発電を設置した場合の収支シミュレーション
メーカー | kW数 | 価格 | 回収年数 | 20年目利益 |
---|---|---|---|---|
長州産業(Bシリーズ) CIC (CS-340B81) |
6.12kW | 134.0万円 | 9.03年 | 103.6万円 |
メーカー | kW数 | 価格 |
---|---|---|
長州産業(Bシリーズ) CIC (CS-340B81) |
6.12kW | 134.0万円 |
回収年数 | 20年目利益 | |
9.03年 | 103.6万円 |
電気代削減(年間) | 売電収入(年間) | 導入メリット(年間) |
---|---|---|
70,176円 | 84,010円 | 154,186円 |
収支シミュレーション(万円)
設置費用がどのように回収されるかを示したグラフです。
年数 | 費用 | 導入メリット | メリット(累計) | |
---|---|---|---|---|
0年目 | 134.0万円(設置費用) | 0.0万円 | 0.0万円 | |
1年目 | - | 15.4万円 | 15.4万円 | |
2年目 | - | 15.4万円 | 30.8万円 | |
3年目 | - | 15.4万円 | 46.2万円 | |
4年目 | 2万円(点検費用) | 15.3万円 | 59.5万円 | |
5年目 | - | 15.3万円 | 74.8万円 | |
6年目 | - | 15.3万円 | 90.0万円 | |
7年目 | - | 15.2万円 | 105.3万円 | |
8年目 | 2万円(点検費用) | 15.2万円 | 118.5万円 | |
9年目 | - | 15.2万円 | 133.6万円 | |
10年目 | (設置費用の回収完了) | 15.1万円 | 148.8万円 | |
11年目 | - | 11.6万円 | 160.3万円 | |
12年目 | 2万円(点検費用) | 11.6万円 | 169.9万円 | |
13年目 | - | 11.5万円 | 181.4万円 | |
14年目 | - | 11.5万円 | 192.9万円 | |
15年目 | - | 11.5万円 | 204.4万円 | |
16年目 | 2万円(点検費用) | 11.5万円 | 213.9万円 | |
17年目 | 20万円(パワコン交換) | 11.5万円 | 205.4万円 | |
18年目 | - | 11.4万円 | 216.8万円 | |
19年目 | - | 11.4万円 | 228.3万円 | |
20年目 | 2万円(点検費用) | 11.4万円 | 237.7万円 | |
… | (20年目以降もメリットは出続けます) |
・回収年数=設置費用÷導入メリット
・売電価格: 16.0円/kWh(2024年度中に設置の場合)
・11年目以降の売電価格: 9.0円/kWhと仮定。
・買電価格: 34.0円/kWhを仮定(一般的な家庭の買電価格)
・4年ごとに訪問点検費用2万円を計上
・17年目にパワコン交換費用 20万円を計上(20万円/台×1台)
・毎年0.27%ずつ発電量が劣化していくと仮定。
正確な発電量シミュレーションが必要でしたら見積り依頼をしてください。
ちなみに、このシミュレーションの「設置費用」は最新の相場価格を反映させています。
つまり標準的な設備であれば、これだけの投資効果が得られるということです。
蓄電池を導入すれば、夜間の電気代も削減できる
そして電気代が高騰する近年、更に注目されているのは発電した電気の自家消費です。
蓄電池を導入し、昼間に発電した電気を夜に自家消費すれば電気代を丸々カバーすることもできるのです。
蓄電池があれば日中に発電した太陽光発電の電気を蓄電池に貯めて、夜間や天気の悪いときに使うことが可能です。
太陽光発電は、設置費用が安くなるのに合わせて、年々売電価格も安くなっているため、2023年現在は太陽光発電の電気は売電するよりも自家消費した方がお得です。
また、蓄電池は、電気を自家消費する経済メリットだけではなく、貯めておいた電気を停電時に使えるという安心面のメリットもあります。
これから太陽光発電の導入を考えている方は蓄電池のセット導入も検討してみるのがおすすめです。
オール電化にすれば光熱費0も目指せる?どういう仕組み?
オール電化とは、給湯器、調理器、空調機などを全て電気機器にして、ガスを一切使わないようにすることを指します。
空調機については元々エアコンなどの電気機器を利用しているというケースが多いので、
実質的には電気給湯器のエコキュート、電気調理器のIHクッキングヒーターを導入することを指して「オール電化」と呼ぶことが多いです。
オール電化ならガス代0円
太陽光と蓄電池だけでなくオール電化を組み合わせることで、電気代だけでなく、光熱費0を目指すことも可能です。
オール電化を導入するとご家庭ではガスを使うことがありませんので、ガス代は基本料金もかからなくなります。
もちろん、その分電気代に上乗せされますが、太陽光発電や蓄電池で電気代は削減できるので、とても相性がいいです。
オール電化専用の料金プランなら太陽光発電とも相性が良い
また、オール電化の電気料金プランは太陽光発電との相性がばっちりです。
一般的なガス併用の住宅の場合、電気料金プランは「従量電灯」というしくみになっており、時間帯は一律で、電気使用量に応じて単価が変わる料金プランになっています。
~120kWh | 120kWh~300kWh | 300kWh~ |
---|---|---|
30.0円 | 36.6円 | 40.69円 |
一方、オール電化住宅の場合には、電気使用量ではなく、夜間が安く、日中が高い、時間帯によって単価が変わる料金プランとなります。
午前6時〜翌午前1時 | 午前1時〜午前6時 |
---|---|
35.96円 | 28.06円 |
太陽光発電があれば日中の時間帯の電気代を削減することができるので、結果的にオール電化住宅で単価が高い時間帯には電気を購入する必要がなくなり、とてもお得になるのです!
太陽光発電で再エネ賦課金も安くなる
もう一つ、忘れてはいけないのが、太陽光発電によって「再エネ賦課金」を安くすることができるという点です。
再エネ賦課金とは、カンタンに言うと、太陽光発電などの再生可能エネルギーを普及させるために必要な費用を、国民全員で負担するしくみです。
再エネ賦課金は電力会社から購入する電力使用量に応じて課金されます。
制度が始まった2012年は1kWhあたり0.22円だった再エネ賦課金は、年々金額が高くなり、2023年5月以降は電力使用量1kWhあたり1円40銭となっています。
標準的な家庭では毎年8,000円程度の再エネ賦課金を支払う計算となります
しかし、ご自宅に設置した太陽光発電が発電した電気を使うことで、電力会社から購入する電力使用量が減るため、この再エネ賦課金を削減することもできるのです!
※再生可能エネルギー発電促進賦課金とは|経済産業省資源エネルギー庁
太陽光発電を導入すると節電意識が向上する
ちなみに、おまけ程度の話ですが、太陽光発電を設置すると節電意識が高まると言われています。
自宅で発電するというのはマンションやアパートに住んでいる方には経験できない感覚ですが、太陽光発電の電気を無駄にしないよう子供に使わない照明を消すよう注意したり、できるだけ太陽光発電が動いている時間帯に電気を使う家事を終わらせたり、行動の変化が起こります。
一般的には、太陽光発電を設置すると、節電意識の向上によって電気使用量が1割ほど少なくなると言われています。
太陽光発電を導入した際には、是非ご家族で節電にも取り組んでみてください。
HEMSによる電気使用量の見える化も有効
太陽光発電と同時に導入されることが多い製品にHEMSというものがありますが、このHEMSがあると節電意識をより一層高めることができます。
HEMSとは、太陽光発電が発電した電気や、冷蔵庫や電子レンジなどの各電化製品の電力使用状況をモニターやスマホで見える化することができる装置です。
電力使用状況が「見える化」されると自然と節電意識が高まるため、結果的に電気使用量が減ると言われています。
また、HEMSは電力使用状況を「見える化」するだけでなく、家庭内のエネルギー使用が最適となるように、各機器を自動的に制御するという機能もあります。
政府もHEMSの導入を勧めており、2030年には集合住宅を含む全世帯にHEMSを導入することを目標としています。
電気代の請求自体が0円になるわけではないので注意
ちなみに、「太陽光発電を設置すると電気代の請求がこなくなるんですよね?」といったご質問をいただくことが多いのですが、
太陽光発電を設置しても「電気代の請求は来る」が正解です。
なぜなら、太陽光発電が発電するのは日中だけで、夜間の発電していない時間帯には、電力会社から電気を購入する必要があるからです。
中には、「太陽光発電を導入するだけで電気代の請求が0円になりますよ!」といっている業者さんもいるようですが、
正確には「日中の電気代削減効果と売電収入によって、『実質的に』電気代が0円、もしくは収支がプラスになる」というのが正しいです。
少しややこしいですが、ここは勘違いしやすいポイントなので注意してください。
夜間の電気代を蓄電池で削減するということもできますが、基本料金がかかってくるため全く請求が来なくなるようにするのはハードルが高いのです。
電気代を下げるその他の方法
おまけとして、太陽光発電や、太陽光発電関連製品を導入しなくてもできる電気代削減方法をいくつかご紹介します。
料金プラン変更
電気契約のプランを変更するのも有効です。近年は電力会社の数も増えたので選択肢が広くなりました。オール電化にしなくても、深夜料金が安い電気契約のプランはあります。
深夜料金が安いプランは代わりに昼間の電気料金が高くなりますが、太陽光発電を導入する方はその高い時間帯の電気をほぼ買わなくて済むようになりますので有効です。
契約アンペア数の変更
また、契約しているアンペア数を見直すことで基本使用料を下げることが可能です。
例えばよくあるのが、家族の人数が減って電気使用量が減っているにも関わらず、ずっと同じアンペア数の契約を続けているというケースです。
一度に多くの電気を使うことがほとんどないのであれば、契約アンペア数を少なくすることで、基本使用量を下げましょう。
家電製品を新しくする
電気料金を減らすのに有効なのが、家電を新しくすることです。
昔の機種と比べて、最新の家電は遥かに省エネになっていますので、あまりにも古い機種を使っている場合には買い替えを検討するのもおすすめです。
もしも、太陽光発電を導入するときにHEMSもセットで導入していれば、各家電ごとの電気使用量がどれぐらいか確認することができますので、是非チェックしてみてください。
家電製品の使い方の工夫
今ある家電の使い方を工夫するだけでも電気代を下げることが可能です。
例えば、有効なのはエアコンの小まめなオンオフをやめることです。
エアコンはとにかく電源を入れてから1時間位が圧倒的に電気を消費します。
しかし設定温度になった後の電気使用量はかなり抑えられているため、その状態はつけっぱなしにしておいた方がトータルの電気代は下がります。
またエコキュートの場合(ガス給湯器も同じです)、追い炊きをするのではなく高温足し湯や、新たにお湯の入れ直しをした方が電気代はかかりません。
水がもったいないからといって、冷めてしまったお湯を追い炊きするのであれば、洗濯などに再利用し、お湯は新たに入れ直した方が経済的です。
電気代を削減するなら太陽光発電はとても効率的
太陽光発電によって、どのように電気代が下がるかわかりましたでしょうか?
太陽光発電は一度設置してしまえば30年程度使えると言われており、その間ずっと電気代を下げることが可能です。
毎月の電気代が1万円だとすると、10年で120万円、30年では360万円の電気代がかかりますので、太陽光発電を導入して電気代を下げることは非常に経済的にお得です!
ただ、太陽光発電はどうしても工事を伴うものなので、しっかりと業者を選ぶことが何より大切です。
ソーラーパートナーズでは全国の優良太陽光業者を審査した上でご紹介をしています。
「電気代削減のために太陽光発電を検討してみようかな」とお考えであれば、是非お気軽にご依頼ください。