太陽光発電のデメリット。専門家が本音で書いてみた。

太陽光発電を検討する際に多くの方が事前にデメリットを調査しています。
ただ、巷には太陽光発電の知識が浅い人によって間違ったデメリットが出回っているのも事実です。
今回は太陽光発電に10年以上関わってきた太陽光発電の専門家として、改めて太陽光発電のデメリットについて本音で解説していきます。
太陽光発電のデメリットについて、もう一度書いてみようと思った理由
ソーラーパートナーズには沢山のページがありますが、その中でも一番ご覧いただいている(訪れるユーザーが多いページが)こちらのメリットデメリットというタイトルでそれぞれを網羅的に書いているページになります。
こちらには12個のデメリットを書いているのですが、今自分で読み返してみてもデメリットというよりもリスクだよなという項目が多く、本当に太陽光発電を検討していて、いい話ばかり聞いているので、デメリットはないのだろうかと調べている方に対して適切な内容になっていないのではないかと思えました。
いくら記事を書いても読んでもらわないと意味がないため、そうするとGoogleにこの記事は良さそうだと評価されなければなりません。
それらも意識した結果、このような少し守備範囲の広い、当たり障りのない内容になってしまったのだと反省しています。
ですのでこの記事はGoogleには評価されず、あまり人目に触れることが少なくなるかもしれませんが、今回は一切その辺りは気にせず本音で書いてみたいなと思ったのがきっかけです。
太陽光発電のデメリット(欠点・弱点)の大前提
これから書くデメリットは、あくまで太陽光発電システム自体のデメリットにしています。
設置条件によってはメリットがでないとか、悪い会社に騙されるとメリットがでないなどはあくまで購入検討時の「リスク」の話であって、太陽光発電システムのデメリットではないからです。
あくまで適性な価格で太陽光発電システムを正しい施工で設置するケースを前提に考えています。
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太陽光発電のデメリット 本音その1
家のデザインに制限がかかってしまう
太陽光発電いいですよと言い続けて10数年、実はそのほとんどの期間マンション住まいだったので自宅には太陽光発電システムはありませんでした。 しかしようやく2018年に一戸建てを購入し、同時に太陽光発電システムを設置しました。
我が家は小さなお家なもので、カナディアンソーラーの3.3kWとこじんまりとしたシステムですが、バンバン発電してくれています。
筆者の太陽光発電(カナディアンソーラーの3.3kW)
自宅の設計プランを考えている際に、私から設計士さんにお伝えした要望は1つだけ
「太陽光発電は絶対に設置するので、合う屋根形状にしてください」
でもそんな私ですら家の設計となると本当に考えることが多く、つい設計図面には見えない(だいたい間取りが書いてある平面図を見て話すので)太陽光発電システムのことは忘れてしまっていました。
そしてふと立面図(外観を書いた図面)を見た時に、あまりに太陽光発電に向いていない屋根になっていて愕然としました。
太陽光発電に向いている屋根はただただシンプルです。南向きの大きな1面の屋根です。
ただ住宅の間取りにこだわればこだわるほど、このシンプルな屋根からは遠のいていきます。
新築一戸建てをこれから建てる人が、太陽光発電も設置したいと考えている場合、あちらをたてるとこちらが立たずの関係にあることは知っておいた方がいいと思います。
家のデザインの邪魔をする、制限をかけてしまうこれはまず私が実感した太陽光発電の1つ目のデメリット(欠点・弱点)です。
太陽光発電のデメリット 本音その2
一度手元から大金がなくなる・ローンが増える
これはやはり外せないと思いました。安くなったといって100万はなかなか切らない太陽光発電システムです。(設置するパネルを減らせば安くはなりますが、それは本末転倒です)
私は株や、マンション投資もやっていますので、比較的投資リテラシーが高い人間だと思います。
このような人間から見ると、太陽光発電の利回りは未回収リスクがほぼ0にも関わらず高いので、太陽光発電を設置しないという判断はありません。
しかし仮に100万円だとして、これが手元にある安心感は大きいです。
何か不測の自体にぱっと使える100万円が手元にあるのと無いのとはでは普段の心構えも変わってきます。
数年すると間違いなく戻ってくる初期投資なのですが、(絶対に戻ってくるので0円ソーラーとかができるわけです)、やはり投資初心者の方からすると怖いという感情はわかります。
この100万円が手元からなくなったら不安で毎晩寝つきが悪くなるかもしれないと思われる方は、太陽光の設置は見送った方がいいと思います。
生活に潤いをもたらすための商品が、毎日の不安を招く元となっては意味がありません。
このような意味で高額な商品であるということは、やはり太陽光発電システムのデメリット(欠点・弱点)であると私は思います。
太陽光発電のデメリット 本音その3
試乗・試着ができない
太陽光発電の最大の弱点は、車の購入検討時なら試乗、服なら試着と買った後に後悔しないように、買ったあとにこんなだとは思わなかったと落胆しないように、事前に試すということができないことだと思います。
もちろんNEDOが出してくれている細かい地点での角度別、方位別の日射量を元にした発電シミュレーションは事前に確認することができます。
でもあくまで紙の上のこと、価格が高いとなればなおさら、このシミュレーションは本当なんでしょうかと疑いたくなるのもわかります。
無料トライアルみたいにまず設置してみて、良ければそのまま採用みたいなことができれば最高なのですが、それもできません。
あくまでこうであろうという予測をもとに購入をしなければなりません。やはりこれは大きなデメリットだと思います。
シミュレーションを勝手に調整されていたら、いざ設置したあとに想定より発電量が少ないということが起きてしまうからです。
ですので私が直接説明する際は、我が家の実際の発電量データと、検討時の発電シミュレーションデータ両方を必ずお見せするようにしています。(以下のグラフが実際のものです。)
予想発電量と、実際発電量(2019年と2020年)の比較。想定よりもよく発電しているのがわかる。
巷に溢れる太陽光発電のデメリットについて
巷に溢れる嘘デメリットその1
もう投資対効果が低い
これはもうあまりに多すぎてうんざりするのですが、この主張をする人達の論旨はこうです。
・かつては売電価格が高かったのでお得だったが、今は売電価格が下がったのでもう遅い
これはもう真っ赤な嘘で、だったらなぜ今も太陽光を設置する人が途絶えないのかを説明できません。
理由は簡単で、それ以上に太陽光発電システムの価格が下がっているのでお得具合は変わっていないからです。
というよりもむしろ昨今の電気代単価高騰により、よりメリットが出るようになっているのが事実です。
巷に溢れる嘘デメリットその2
メンテナンス費用が高い
太陽光パネルはよくても、パワーコンディショナーがもっと早くに壊れるのでその修理交換費用がかさむというのがこの主張の骨子ですが、だいたいこの主張をする人達は最近の業かい事業を知らず10年くらい前の昔の情報で話をしている方が多いです。
そもそも今のパワーコンディショナーは保証年数がかつての10年から15年に延びています。
これは何かというと15年以内に故障した場合は無料で修理・交換をメーカーがしてくれる期間が15年に延びているということです。
15年もあれば投資回収は終わっていますので、もし仮に15年経った直後に壊れたとして、そしてそれを直さなかったとしても、すでに収支はプラスになっているのでデメリットではありません。
太陽光発電で失敗しないために注意する3つこと
注意点その1
自宅が太陽光発電に適しているかどうか判断する
ソーラーパートナーズでは常時複数人のソーラーアドバイザーが相談に乗ることができる体制を整えていますが、悪質な会社に騙されて購入してしまっている方を3つに分類したのがこの3つの注意点です。
1つ目が、太陽光向きではないのに、嘘をつかれて勘違いしたまま購入、設置してしまっているケースです。
設置容量が小さい、設置方位が北ぶりなど良くない、設置面数が多すぎる、設置不可の屋根材、設置不可の野地板などが該当します。
世の中には平気な顔で嘘がつける人がいるということは認識しておきましょう。
注意点その2
適性な値段、適性なシステムを提案してくれる会社に出会う
2つ目は当たり前ですが、適性な値段で購入するということです。
もうそれはそれは目ん玉が飛び出るような金額で契約をしてしまっているご相談に数多く出会います。目玉がいくつあっても足りないくらい沢山出会うのです。
その価格が、その提案内容が適性なのかどうかは私たちに相談していただければ判断できるのですが、契約にまで至ってしまった自分の判断を疑うということはかなり自分にストレスのかかることなので、何となく疑わしいと頭によぎってもクーリングオフ期間中に調べ直してみる、相見積もりを取ってみるということをしない方が沢山いらっしゃいます。
太陽光発電を検討している皆さんは、太陽光発電のプロではなく素人なので、決して1社だけの話を聞いて突っ走るのではなく、なるべく多くのプロの声を聞いて判断するようにして欲しいと心から思います。
注意点その3
建設工事・電気工事を手抜きなく適切に行ってくれる会社に出会う
メーカーの基準通りの工事をしてくれれば問題ないのですが、やはりそこは人間が行うもののなので手抜き工事は太陽光発電業界に限らず発生します。
誠実な工事会社を探すのは、本当に難しいです。
なぜなら通常は販売会社と工事会社が切り分けられていて、工事会社に出会う事が工事日当日までないからです。
ここは手前味噌で恐縮ですが、ソーラーパートナーズでは自社施工であることが登録条件となっていますので、実際にあったフィーリングで判断できるようになっています。
もちろん審査基準を設けているので、手抜きなく適切な工事を行う会社のみご紹介しています。