南海トラフ地震に必要な備えは?太陽光や蓄電池は役立つか徹底解説!
結論:南海トラフ地震に太陽光発電と蓄電池は有効です。
停電に対策できるということは、不便を感じる避難所生活を避けることにも繋がります。
南海トラフ地震は、国でも最大クラスの被害を想定をしている地震です。
元々南海トラフ地震の発生リスクの話は聞いたことがある人でも、2024年8月8日の九州の日向灘地震発生の際、テレビに流れた南海トラフ地震臨時情報をみて現実味が増した人も多いのではないでしょうか。
政府の情報によると、今後もいつ巨大地震が起こってもおかしくないため、南海トラフ沿いで地震に関連する出来事が発生した場合は、南海トラフ地震臨時情報が発表されるそうです。
ひと区切りとして、日向灘地震から1週間経過して特別な注意の呼びかけを終了しましたが、最初の地震から1週間以上経過してから巨大地震が発生した事例もあります。
そのため、地震大国の日本で暮らしていくのであれば、地震への備えは常に必要です。
今回は、南海トラフ地震で想定される規模や被害と、その備えとして太陽光発電や蓄電池が役立つのかを解説します。
南海トラフ地震の概要
南海トラフ地震は、駿河湾から日向灘にまたがるフィリピン海プレートで発生し、静岡県から宮崎県までの非常に広範囲で、大きな被害が予想されている地震です。過去には大体100年間隔で起きており、30年以内の発生率が70%から80%と言われています。
気象庁によると、範囲が広いだけでなく、震度7が複数個所で起こる可能性も示唆されています。それだけ大きな地震なので、太平洋側の県だけでなく、日本海側の県まで被害が及ぶことが十分考えられます。
想定される被害としては、
・建物の倒壊
・電気やガスなどのライフラインの断絶
・津波
などが主に考えられます。
大きな地震の後にどのように動くかは、その後の明暗を分けるといっても過言ではありません。
地震の発生位置を考えると、大規模な津波が起こる可能性が高いため沿岸部の方は高台へすぐに避難し、住居が倒壊や火災する可能性がある方も避難所へ避難する必要があります。
出典:気象庁
南海トラフ地震の停電に太陽光発電と蓄電池は有効?
南海トラフで地震の被害で一番多い層は、ライフラインは断絶しているものの津波が届かず家も無事な場合です。電気やガスが止まっているから避難所にいくべきかというと、そうではありません。
過去の大地震では例外なく、避難所でも電気や水が使えなかったり、かろうじて電気が使えても発電機の音で寝られなかったり、食料が不十分であったり、トイレの衛生面の問題などもあります。何より十分なパーソナルスペースを過去補できない状況で見知らぬ他人と神経をすり減らしながら生活するなど、大変な不便が強いられることも多いです。
そのため、家で電気が使えるなら、家にいたいという方も増えているため太陽光発電や蓄電池が注目されています。
東日本大震災や阪神淡路大震災のような大地震の例をみると、電力会社の尽力により停電が90%解消されるまで大体1週間以内とされています。
ただし、令和6年の年明けに発生した能登半島地震のように、作業車両のアクセスの問題や停電の範囲が広く分布していることで、復旧まで1か月以上かかることもあります。
どちらにしても、数日間電気の供給が途絶えてしまうことを想定すると、蓄電池だけではせいぜい1日で電気が尽きてしまいます。そのため、電気を生み出すための太陽光発電とセットで導入することを強くおすすめします。
目安として一般家庭であれば、1日の電気使用量は13kWhです。普段通りの生活をしようと思ったら太陽光発電は4kW前後で蓄電池は9kWh前後の設備があれば十分供給できます。
太陽光や蓄電池と併せて導入したい設備
そして、太陽光発電や蓄電池と併せて導入を検討したい設備がオール電化の機器です。
ライフラインが断絶すると、電気だけでなくガスや水も止まってしまいます。しかし、オール電化の機器を導入することで、ガスに頼らず生活ができ、非常時にも多少の生活用水を確保することができます。
オール電化機器、つまりIHとエコキュートも併せて導入することで、キッチンやお風呂周りまで太陽光発電や蓄電池からの電気で自給自足することができます。
さらにエコキュートは、大きなタンクにあらかじめ大量の水をためて使うため、断水してもタンクの水を生活用水として使うことができます。トイレを流すにも水は必要なので、エコキュートがあるとないとでは、断水時の生活の質が大きく変わります。
実際の導入事例
過去に大規模な停電が起きた際、ソーラーパートナーズで太陽光発電や蓄電池を設置した方にアンケートを実施したことがあります。
本当に太陽光発電や蓄電池が役立つのか一番リアルな声なので参考にしてみてください。
2018年北海道胆振東部地震
停電時に太陽光発電や蓄電池を良かったこと
- 天気のいい日だったので、冷蔵庫+洗濯機+スマホ4台+テレビが同時充電出来た。
- 冷蔵庫、携帯の充電、自宅電話、水洗トイレが使用できて良かった。
他の家庭では冷凍庫内のものが溶けたり、携帯の充電がなかったりで大変そうだった。 - 冷蔵庫を稼働できたことが一番大きい。曇り空でも必要電力は終日賄えた。
半日通電すれば夜間は通電しなくても冷凍品は解けないし、冷蔵品にも気になるほどの温度影響はなかった。 - 冷蔵庫の中の物を腐らせることなく、その後の食料不足(店が営業してない)を気にせず過ごせた。
- 自分たちだけでなく、両隣の人へも電力を供給できたのが良かった。
やはり冷蔵庫が使えたことが一番印象的だったようです。
ご近所さんへ電気を供給できたというのもいい話です。
冷蔵庫の中に食料があっても電気がないと腐らせてしまいます。しかし、多くの人は避難所では食糧不足を経験することになります。そんな中、食料を無駄にせず使えるというのは、精神的にもストレスが少ないということかもしれません。
このアンケートでは、太陽光発電だけ設置して蓄電池を設置しなかった方からも回答をいただきました。
多かった声は「蓄電池を設置しておけばよかった」「延長コードを用意しておけばよかった」というものです。
蓄電池に関する回答
- こんな事が起きて、改めて太陽光発電の優位性を知ったが、蓄電池システムも考えなくてはと思った。
- 今回の事で、太陽光発電だけでなく、蓄電池も欲しいと感じました。
- 冬に備えて蓄電池を買った。
延長コードに関する回答
- パワコンから冷蔵庫まで遠くて延長コードが宙にぶら下がっている状態だったので、もう1本延長コードが必要だった。
- コードを伸ばさなければ使えない。
太陽光発電だけの場合、停電時には非常用コンセントにしか電気が供給されません。もちろん発電していない時間帯にも使えません。便利に使うのであれば家じゅうで普段通りに使えるように蓄電池を導入するか、携帯電話の充電やちょっとした照明ぐらいしか使わないにしても延長コードがあると便利です。
2019年台風15号(千葉県)
地震ではありませんが、長期間の停電を経験した方からの回答です。
今回は太陽光と蓄電池をセットで導入した方からの回答のみご紹介します。
蓄電池所有者の回答
- 停電を気にしなかった。
- 冷蔵庫と扇風機が使えたのは助かっている。携帯充電やWi-Fiが使えるのも。
- 夜電気が使える安心感があった
- 冷蔵庫とテレビ、トイレを使えて助かった。電灯もついたことで安心出来た。
- エアコン、冷蔵庫、テレビ、照明が使え夜も涼しく寝れた。
- 冷蔵庫が使えた
- 照明が使え、ご飯が炊け、洗濯が出来てトイレが流せたのでとても助かった。
- WIFI、テレビ、携帯の心配が無かった
- 暑い中のエアコン使用
蓄電池まであると、停電を気にせず災害時にも家で過ごせるようです。
ただ、南海トラフ地震で注意が必要な点としては、携帯電話やWi-Fiはネット通信できない可能性があります。2024年の能登半島地震では場所によっては電波が通じなくなってしまったというケースがあったそうです。復旧は通信事業者次第なので、使えない可能性があるということもおさえておきましょう。
まとめ
南海トラフ地震は、かつてない広範囲で大きな被害を及ぼす可能性がある地震です。
最初にも伝えましたが津波が到達する沿岸部や、建物が倒壊や火災する可能性がある家の方は、太陽光発電や蓄電池が設置してあったとしても避難しましょう。
しかし、最近の家は耐震性能も高いため、南海トラフ地震の広大な被害範囲で一番多くの方が困ることは、停電となる可能性が高いと考えられます。
実は南海トラフ地震は政府も想定していることもあり「南海トラフ地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法」というものが用意されています。主な内容は人の出入りが多い公共施設や二次災害を引きおこす可能性がある施設、そして津波の警戒範囲での災害対策計画です。
そのため、各個人が災害に対して準備を怠らないことは、今までの災害と同様に依然として必要です。
過去の災害から学び、できる準備から進めましょう。
よくある質問
最後によくある質問について回答します。
Q.太陽光発電は夜は使えないんですか?
A. 太陽光発電だけでは蓄電する機能がないので、平常時でも停電時でも夜間に使うことはできません。昼間に発電している時は、平常時なら家全体で電気を使うことができますが、停電時は非常用コンセントという1か所のコンセントからしか電気を使うことができません。
Q.蓄電池があればオール電化も使えますか?
A. 蓄電池によります。最近では多くの蓄電池が200V機器(オール電化、リビング用エアコンなど)に対応していますが、一部の商品は対応できないものもあります。200V対応している蓄電池かどうかをチェックして検討してください。
Q.太陽光発電や蓄電池の設置費用を安くする方法は?
A. ①相見積もりをとる.②補助金を利用する.③工事会社に直接依頼する.の3つです。
会社によって100万円以上の価格差があることもあるので、しっかり比較検討をしましょう。