住友電工の蓄電池「パワーデポ」って?性能、価格、口コミ、おすすめポイントなど解説!
住友電工は家庭用蓄電池市場において、上位のシェアはないものの長年の信頼と実績から「POWER DEPO(パワーデポ)」シリーズで常に一定のファンを獲得している超有名メーカーです。
住友電工というメーカーから、時代に合わせて機能を拡張させてきた「POWER DEPO(パワーデポ)」シリーズについて、今回は解説したいと思います。
「POWER DEPO(パワーデポ)」シリーズを検討している方に向けて、
・住友電工とは?
・「POWER DEPO(パワーデポ)」の性能
・「POWER DEPO(パワーデポ)」の価格
・「POWER DEPO(パワーデポ)」の口コミ
という点を中心に解説していきます。
住友電工とは?
住友電気工業株式会社は、住友グループが擁する言わずと知れた日本最大の非鉄金属メーカーです。
創業は明治20年で、電線事業から始まり、現在はエレクトロニクスや情報通信などの分野で多くの製品を市場に送り出しています。
蓄電池事業も以前から力を入れており、特に「POWER DEPO(パワーデポ)」シリーズは、家庭用蓄電池の市場が今ほど大きくない頃から続いているシリーズです。
現在展開しているラインナップは、2017年から販売を開始した単機能型「POWER DEPO Ⅲ(パワーデポスリー)」と後継の「POWER DEPO Ⅳ(パワーデポフォー)」「POWER DEPO Ⅴ(パワーデポファイブ)」、そして待望のハイブリッド型として販売された「POWER DEPO H(パワーデポエイチ)」の4種類です。
以前販売されていた「POWER DEPO Ⅱ(パワーデポツー)」まではキャスター付きの屋内に設置を想定するポータブルタイプでした。
以降に販売された「POWER DEPO Ⅲ(パワーデポスリー)」「POWER DEPO Ⅳ(パワーデポフォー)」「POWER DEPO Ⅴ(パワーデポファイブ)」は据え置き型に変わったものの、蓄電池を設置する上で、小型で手間なく簡単にするというコンセプトは生き続けているようです。
「POWER DEPO(パワーデポ)」の性能
パワーデポシリーズでは4つの商品が取り扱われています。
現在の主力商品は、流行を押さえたハイブリッドタイプのPOWER DEPO H(パワーデポエイチ)と単機能型の最新作POWER DEPO Ⅴ(パワーデポファイブ)です。
型式 | 容量(初期実行容量) | 負荷型 | タイプ | 200V対応 | 保証 |
---|---|---|---|---|---|
POWER DEPO H | 12.8kWh(11.9kWh) | 全負荷 | ハイブリッド | 〇 | 15年 |
POWER DEPO Ⅴ | 3.3kWh(2.8kWh) | 特定負荷 | 単機能 | ✕ | 15年 |
POWER DEPO Ⅳ | 3.3kWh(2.8kWh) | 特定負荷 | 単機能 | ✕ | 10年 |
POWER DEPO Ⅲ | 3.2kWh(2.7kWh) | 特定負荷 | 単機能 | ✕ | 10年 |
次は、単機能とハイブリッドに分けて特徴を解説します。
単機能型 POWER DEPO(パワーデポ)Ⅲ、Ⅳ、Ⅴの特徴
POWER DEPO(パワーデポ)Ⅲ、Ⅳ、Ⅴの特徴1|性能差
POWER DEPO(パワーデポ)Ⅲ、Ⅳ、Ⅴは同じ商品を合計2台まで増設が可能です。
どの商品も停電時出力は1500Wです。
こうしてみると、重量も容量もそこまで差がないので、どこに差があるのかわからない方も多いかもしれません。
サイズだけを見るなら、どれを選んでもⅢ、Ⅳ、Ⅴは業界最小最軽量クラスを謳っていてエアコンの室外機よりも小さいので、設置スペースに悩んでいる方にはピッタリです。
ただ、実際に比較してみるとⅢ、Ⅳ、Ⅴのナンバリング通り、順当に機能が充実しているのがわかります。
Ⅲ、Ⅳ、Ⅴの違いにフォーカスしてみると下記の表のようになります。
型式 | サイズ | 連係時出力 | 保証期間 | 搭載モード |
---|---|---|---|---|
POWER DEPO Ⅲ | 幅530×奥行300×高さ650mm | 1000W | 10年 | ・通常モード ・グリーンモード |
POWER DEPO Ⅳ | 幅550×奥行275×高さ760mm | 1000W | 10年 | ・通常モード ・グリーンモード ・緊急充電モード |
POWER DEPO Ⅴ | 幅550×奥行275×高さ760mm | 1600W | 15年 | ・通常モード ・グリーンモード ・緊急充電モード ・エネファームモード ・オフグリッドモード |
POWER DEPO(パワーデポ)Ⅲ、Ⅳ、Ⅴの特徴2|運転モード
単機能型のPOWER DEPOⅢ、Ⅳ、Ⅴが搭載している運転モードは、基本的に太陽光発電が家にあることを前提としているモードがほとんどです。
しかし、Ⅴから搭載されたエネファームモードとオフグリッドモードは特殊で、エネファーム併用時と太陽光発電未設置にそれぞれ対応しています。
また、太陽光発電が設置されている方は、卒FITまで1~2年の方を除いて、基本的にグリーンモードで使う方がお得になる可能性が高いです。
以前は売電単価が高かったので通常モード以外使うことはありませんでしたが、ここ数年の電気代単価の上昇によりグリーンモードの方がお得になる層が増えたためです。
通常モード
・太陽光発電の余剰電力は基本的に売電
・深夜帯の安い電気を蓄電
・朝や夕の太陽光発電だけだと家の電気をまかなえない時間帯に放電
グリーンモード
・太陽光発電の余剰電力は基本的に蓄電
・ためた電気は夕方以降の太陽光の発電量が落ちる時間帯に放電
・深夜帯の安い電気を蓄電
・朝の太陽光が十分発電していない時間帯に放電
緊急充電モード
・台風など停電の可能性がある時に100%まで充電
・モードは24時間100%の充電量を持続した後に解除
・インターネットに接続すれば自動切り替えが可能
エネファームモード
・エネファームの発電効率が上がる定格出力700Wを維持
・使用電力が700Wに満たない時はエネファームから充電
・使用電力が700Wを超えた時は放電
オフグリッドモード
・停電に備えて常に満充電を維持
POWER DEPO(パワーデポ)Ⅲ、Ⅳ、Ⅴの特徴3|パワコン一体型でスペース削減
POWER DEPO(パワーデポ)Ⅲ、Ⅳ、Ⅴは、パワーコンディショナーと蓄電池本体が一体になっているタイプです。
加えて、一体になっているにもかかわらず、エアコン室外機の2/3ほどのスペースで設置ができてしまいます。
そのため、2階以上の戸建てのベランダやマンション※への設置も問題ないため、設置スペースが限られる環境に適した蓄電池です。
※マンションへの設置はベランダが共有部分となっているケースが大変多いため、事前に管理会社への確認が必要です。
ハイブリッド型 POWER DEPO(パワーデポ)Hの特徴
住友電工のハイブリッドタイプは一種類で、「大容量」、「ハイブリッド」、「全負荷型」という要素を全て押さえているため、人気も高い商品です。
また、こちらの商品ではQセルズでもOEMで扱われているため、Qセルズ経由で提案を聞いたことがある方もいるかもしれません。
型式 | サイズ | 重量 | 連係時出力 | 停電時出力 | 太陽光入力 |
---|---|---|---|---|---|
POWER DEPO H | 幅840×奥行380(脚部のみ400)×高さ1,200mm | 230kg | 6.0kW | 6.0kW | 8.8kW/4回路 |
POWER DEPO H(パワーデポエイチ)の特徴1
単機能とハイブリッドの切り替えが可能
POWER DEPO H(パワーデポエイチ)は1台で単機能とハイブリッドを切り替えることができる画期的な蓄電池です。
太陽光発電のパワコンが寿命を迎えるまでは単機能として使用し、太陽光発電のパワコンが寿命を迎えたらハイブリッドに配線を変更することができます。
そのため、太陽光発電システムの保証期間中であっても、保証期間を超えていても悩まず設置できる点が嬉しいポイントです。
POWER DEPO H(パワーデポエイチ)の特徴2
連係時も停電時も高出力
POWER DEPO H(パワーデポエイチ)は、平常時も停電時も最大6.0kW出力することができる高出力な蓄電池です。
容量が12.8kWhと大きい蓄電池なので、停電時のことを想定して検討する方が多いのではないかと思います。
しかし、蓄電池を検討する際、見逃してしまいがちなポイントが出力です。出力が小さいと、停電時に同時に使える電気の量が少なくなってしまいます。
例えば、冬場の停電で暖房を使いたいと思ったときに、最新のリビング用エアコンでも5kW近い出力が必要です。
他にもテレビや照明など使いたいと思っても、電気の量は十分たまっているのに、出力が小さいために使えないということが起こります。
そのため、必ずしも出力が大きい必要はありませんが、あって困ることはないというのが出力です。
パワーデポHは連係時(平常)も自立時(停電)も高出力で電気が使える不便さを感じさせない蓄電池だといえます。
POWER DEPO H(パワーデポエイチ)の特徴3
充放電をAI制御
POWER DEPO H(パワーデポエイチ)は、基本的な運転を全てAIに任せることができる蓄電池です。
パワーデポHが搭載しているAIは、気象予報とこれまでの自宅での発電量と消費量のデータから毎日の蓄電量を判断します。
場合によっては深夜電力も活用して電気代削減効果を最大化してくれます。
また、台風などの警報が出ると停電を警戒してAIが緊急充電モードに切り替わるので、いざという時も安心です。
普段の生活も緊急時のイレギュラーな動きもまとめておまかせできるAI制御です。
「POWER DEPO(パワーデポ)」の価格
POWER DEPO(パワーデポ)シリーズの2024年後半の価格は以下の通りです。
型式 | 蓄電池容量 | メーカー希望小売価格 | 相場価格 |
---|---|---|---|
POWER DEPO H | 蓄電容量12.8kWh | 4,598,000円 | 227.1万円(税込) |
※他の型式・容量に関しては、市場での成約数のサンプルが少なかったため掲載していません。
そもそもパワーデポHは、蓄電池本体とパワコンが一体となっているので、場合によっては工事費が抑えられるケースが多いです。
しかし、前回の価格調査では2024年前半の相場価格が215.5万円だったので、他のメーカーと同様に仕入れ値が上がっている可能性があります。
他のメーカーの価格に関してはコチラの記事をご覧ください。
上記の価格に加えてパワーデポは補助金の利用が可能です。
国、都道府県、市区町村によって用意されている補助金は異なりますので、事前にご確認ください。
※各補助金は利用可能な業者と利用できない業者がいます。
「POWER DEPO H(パワーデポエイチ)」の口コミ
・容量がちょうどいい
・ハイブリッドと単機能を切り替えられるのがネックを解消してくれた
・パワーデポだと安い業者がいたので設置をお願いした
POWER DEPO H(パワーデポエイチ)は1kWhあたりの価格は比較的安い蓄電池ですが、たまに相場よりも安い価格で契約しているケースがあります。
業者が頑張って値引きしてくれたというだけでなく、仕入れ値自体に差があるケースがほとんどです。
提案を出す蓄電池の業者には、それぞれ仕入れにおいて得意なメーカーや苦手なメーカーがあるので、どのメーカーであっても比較検討は必須です。
「POWER DEPO(パワーデポ)」まとめ
今回は住友電工の人気商品パワーデポについて解説しました。
パワーデポⅢⅣⅤは、エアコンの室外機よりも小さい業界最小最軽量クラスの単機能型です。
対してパワーデポHは、単機能とハイブリッドを切り替え可能な大容量蓄電池と全く異なるコンセプトの商品です。
どのように蓄電池を使いたいかのイメージに沿えば、どちらを選んでも失敗ということはありません。
ただし、この商品をどこから買うのかという点で失敗する方がとても多いです。
先ほども触れましたが、各会社が出す提案価格は同じではなく仕入れ値などに左右されます。
加えて、訪問販売やショッピングモールのイベントだと余計な費用が乗って高くなりますし、蓄電池はどこから買うのかが最重要な商品です。
もし、これから蓄電池を検討する方、もしくは既に提案を聞いている方がいれば、弊社ソーラーパートナーズに遠慮なくご相談ください。
弊社は全国対応の太陽光発電や蓄電池の工事会社ネットワークを運営する本部です。
納得できる比較検討のために、地元で評判の蓄電池が得意な会社をご紹介させていただきます。