太陽光発電に適した屋根の形状と材質は？一体型やキャッチ工法についても解説
「太陽光発電を設置したいが、屋根によって向き不向きがあるの？」このようなお問合せを多く頂いております。
今回は、下記の4点について解説していきます。
- 主要な屋根の形と太陽光発電の組合せ
- 主要な屋根材と太陽光発電の組合せ
- 屋根一体型ソーラーパネル
- 屋根に穴をあけない設置方法「キャッチ工法」
主要な屋根の形と太陽光発電の組合せ
切妻屋根
二枚の長方形を繋ぎ合わせた形の屋根であり、太陽光パネルを設置するのに適した屋根だと言えます。
この形状の屋根は太陽の位置によっては効率的に太陽光を捉えることができます。
また斜面があるので排水もスムーズです。
ただし、設置面積が広くない場合もあるため、太陽光パネルの大きさと配置を適切に計画しなければなりません。
片流れ屋根
大きな長方形を被せた形の屋根です。
他の屋根と比べて、太陽光パネルを効率的に配置できるスペースが比較的多く、太陽の角度に対して適切な傾斜を持っているため、太陽光発電に向いているケースが大半です。
一方で斜面が南向きではない場合は太陽光発電に適さない場合があります。
寄棟屋根
四枚の台形や三角形の面を寄せて作られた屋根です。
切妻や片流れと比べて屋根面の面積が小さく、効率的に太陽光パネルを配置するには知見が必要です。
またどこかしらの屋根面は南面にあたるため、どの面が南面にあたるのかを把握することが重要です。
メーカーによっては三角形型の太陽光パネルを取り扱っています。
寄棟屋根と組み合わせることで発電量を最大限に増やすことが可能です。
陸屋根
1枚の平らな屋根を被せた形の屋根です。
片流れと同様に広い設置面積を利用して効率的に太陽光パネルを設置できる一方で、雨水の排水や傾斜角度の確保に課題があります。
主要な屋根材と太陽光発電の組合せ
屋根の形状だけではなく、材質による向き不向きもあります。
特に金属屋根は後述のキャッチ工法により屋根に穴を開けずに施工できる場合があるため、参考にしてみて下さい。
スレート屋根
スレート屋根とはセメントを主成分とした薄い板のような屋根材です。
日本の住宅では最も多く使用されています。
スレートは素材が軽いため、屋根全体の重量や耐震性を考慮せずに太陽光パネルを設置できるケースが多いです。
一方でスレート屋根は15年程度で塗装などのメンテナンスが必要になるため、太陽光パネルを載せている場合は取外しが必要になるケースがあります。
瓦屋根
瓦屋根は伝統的で美しく耐久性も高い屋根材ですが、太陽光パネルの設置には適さない場合があります。
瓦屋根に太陽光パネルを設置するには、特別な取り付けブラケットや架台が必要です。
また瓦は重いため、さらに太陽光パネルを設置するとなると住宅の耐震性を考慮する必要があります。
金属屋根（ガルバリウム）
金属屋根は軽量で耐久性があり、太陽光パネルの設置が比較的容易です。
また素材自体も軽いため、住宅に与える負荷を抑えることが可能です。
金属屋根は熱を効率的に反射し、太陽光パネルの冷却を助ける効果も持ちます。
屋根一体型ソーラーパネル
近年では新しく屋根一体型のソーラーパネルが販売されるようになりました。
太陽光パネルを後乗せする場合には屋根の大きさに合わせてパネルを配置するため、場合によっては余白ができて不格好になってしまうことがあります。
一方で屋根一体型ソーラーパネルのデメリットはメンテナンスのコストが高い点です。
屋根とパネルが一体になっており、簡単に取り外すことはできません。
また屋根一体型ソーラーパネルは業界内で後発の製品であり、対応可能な業者の数が少ない点も注意が必要です。
屋根に穴をあけない設置方法「キャッチ工法」
キャッチ工法とは太陽光パネルを屋根に設置する工法の一つです。
本来、太陽光パネルの取り付け工事は屋根に穴をあけ、固定金具を取り付ける方法が多く用いられています。
しかし、太陽光発電の導入件数が増える中で、一部の不誠実な業者が手抜き工事を行い、雨漏りの原因となることが問題視されました。
その対策として、専用の固定金具を用いることで屋根に穴をあけず、太陽光パネルを固定できる「キャッチ工法」が注目されました。
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太陽光発電や蓄電池は決して安いものではなく、まして工事を伴うものなので、悪徳な業者や営業マンにあたってしまったが故のトラブルが後を絶ちません。
屋根の形状や材質を一つとっても、正しい知識を持って工事しなければ後々のトラブルに繋がることがあります。
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