某国内メーカーが太陽光発電の出荷量で世界一に!?2014年1月~3月の太陽電池の世界出荷量ランキング発表
2014年1月~3月の太陽電池の世界出荷量ランキング発表
アメリカの調査会社NPDソーラーバズが2014年第一四半期(1月~3月)の太陽電池の世界出荷量のメーカー別ランキングを発表しました。
ソーラーバズのランキングを見て頂く前に、まず参考資料をご覧いただきたいと思います。
昨年2013年の太陽電池世界出荷量ランキングです。
2013年太陽電池世界出荷量ランキング
- 1位 インリーグリーンエナジー(中国)
- 2位 トリナソーラー(中国)
- 3位 JAソーラー(中国)
- 4位 カナディアンソーラー(カナダ)
- 5位 ジンコソーラー(中国)
サンテックパワー倒産の後に1位に君臨しているのが同じく中国のインリーソーラーです。
カナディアンソーラーの生産拠点もほぼ全て中国ですので中国勢が市場を席巻しているのがよくわかります。
では改めて、2014年1~3月の太陽電池世界出荷ランキングです。
2014年1月~3月太陽電池の世界出荷量ランキング
- 5位 カナディアンソーラー(カナダ)
- 4位 レネソーラー(中国)
- 3位 トリナソーラー(中国)
- 2位 インリーグリーンエナジー(中国)
なんと昨年2013年1位のインリーが2位になっています。
では1位はどこなのか?
ここまで引っ張ったのはもちろん訳があります。
なんと!
- 1位 シャープ(日本)\(◎o◎)/!\(゜ロ\)(/ロ゜)/
これは素直に嬉しいですね。
2007年までずっと世界一だったシャープですが2008年にドイツのQセルズに抜かれ、その後中国のサンテックパワー、アメリカのファーストソーラーにも抜かれていきました。
そして今回四半期データではありますが、5年ぶりに首位返り咲きです。
シャープの経営再建策の一環
シャープはご存知の通り、一昨年度(2012年度)に当期純利益で5,453億円の赤字を計上しました。
倒産がささやかれ続けていたシャープが経営再建策の一環で太陽電池の海外工場や国内工場まで閉鎖して自社生産を減らす一方、海外メーカーからのOEM調達を増やしています。
国内市場では東芝が採用しているのと同じアメリカのサンパワーから商品供給を受けたのは記憶に新しいところです。
NPDソーラーバズのアナリストRay Lian氏はシャープについて
「日本市場の堅調な季節需要に支えられ、また中国や台湾の企業から外部調達するフレキシブルな戦略で、素早く出荷量を増やし需要に対応したことが好結果につながった」
と分析しています。
なぜシャープが2014年1月~3月で出荷量首位返り咲きできたのか
シャープ自身はどのように分析しているのでしょうか。
2013年度の決算説明資料がちょうど先週月曜日に発表されましたので見てみます。
シャープ株式会社 2013年度 決算概要 |太陽電池
2013年度は、国内市場で住宅用、メガソーラー等の産業用が伸長したほか、海外のディベロッパー事業が好調に推移し、売上高は前年比68.9%増の4,390億円、営業損益は324億円の黒字となりました。
シャープ 2013年度 決算概要 p.21|シャープ株式会社
日本と海外の売上比率までは公表されていないのでわかりませんが、やはり国内市場の盛り上がりが大きかったのだと思います。
メーカーの売上計上は納品ベースですので2014年3月までの納品となると、もちろん住宅用と産業用を合わせた38円の売電価格確保と消費税5%へのダブル駆け込みの影響です。
ソーラーバズのアナリストの分析にある『日本市場の堅調な季節需要』というのはこれを指していると思われます。
まとめ
ではこのままシャープが2014年1年間のランキングでも1位を奪取するのかというとそうはならないようです。
シャープの決算資料の続きを読むと、せっかく盛り上がった気分も元に戻ってしまいます。
2013年度に集中した海外ディベロッパー事業のプロジェクト案件の減少や、国内住宅用太陽電池の販売減、さらには円安の進行による輸入部材の採算悪化等を織り込みご覧の通り、大幅減収、赤字計画としています。
シャープ 2013年度 決算概要 p.21|シャープ株式会社
今期(2014年度)の太陽電池事業の売上290億円、営業利益をマイナス5億円と予想しています。
国内の住宅用、産業用ともにそこまでの落ち込みがあるとは思えないのですが、書かれているように海外の大型案件が昨年度(平成25年度)に集中したというのも結構大きかったのかもしれません。
頑張れニッポン!