太陽光パネル廃棄の実態。撤去・廃棄費用はいくら?リサイクル義務化法案と補助金についても
こんにちは!
「太陽光発電と蓄電池の見積サイト『ソーラーパートナーズ』」記事編集部です。
太陽光パネルを撤去する主なケースは、次の3つです。
- 住宅の解体、建て替え、屋根の葺き替えを行う
- パワーコンディショナーや太陽光パネルが故障し、修理や交換が難しい
- 台風、地震、落雷などで太陽光パネルが破損した
一方で、載せ替えをしないのであれば、使わずに撤去しないという選択肢もあります。
また、固定価格買取制度の買取期間が終了しただけであれば、すぐに撤去する必要はありません。
正常に発電できる設備なら、発電した電気を自宅で使い続けることもできます。
故障した場合も、太陽光パネルではなく、パワーコンディショナーの修理・交換で使い続けられる可能性があります。
太陽光パネルを撤去するときに重要なのは、単に「屋根から外せる業者」を探すことではありません。
電気設備の停止、パネルの取り外し、屋根の防水処理、運搬、リサイクルまたは最終処分までを
適正に手配できる業者に依頼すること
が大切です。
結論:太陽光パネルの撤去は誰に依頼する?
太陽光パネルを撤去するときは、まず設置した販売店や施工店に相談しましょう。
設置店と連絡が取れない場合や、住宅の解体・屋根工事と同時に撤去する場合は、
次のように依頼先を選びます。
| 撤去する理由 | 最初に相談する相手 | 確認すること |
|---|---|---|
| 故障、交換、設備更新 | 購入した販売店・施工店 | 修理や一部交換で使い続けられないか |
| 屋根の葺き替え、塗装 | 太陽光設備に対応できる屋根工事業者・施工店 | 一時撤去後に再設置するか、廃棄するか |
| 住宅の解体、建て替え | 家屋解体の元請業者 | 撤去費、運搬費、処理費が見積もりに含まれているか |
| 台風、地震などによる破損 | 販売店・施工店、自治体 | 破損したパネルには近づかない |
| 設置店が廃業している | パネルメーカー、JPEA掲載業者 | 撤去から適正処理まで対応できるか |
太陽光発電協会(JPEA)も、最初に購入した販売店や施工店へ相談し、
屋根工事や家屋解体の場合は、それぞれの工事業者へ相談するよう案内しています。
設置店と連絡が取れない場合は、メーカー窓口や、
JPEAが公表している対応施工業者一覧も利用できます。
所有者自身で撤去するのは避ける
太陽光パネルは、住宅のブレーカーを切っただけでは完全に発電を止められないことがあります。
太陽光が当たっていれば発電するため、配線や端子に触れると感電する危険があります。
また、屋根上での作業には転落事故の危険もあります。
特に破損・浸水した太陽光パネルには、素手で触れたり、むやみに近づいたりしないでください。
50kW未満の設備については、販売店や施工店など、
太陽光設備に知識のある事業者へ連絡するよう経済産業省も呼びかけています。
太陽光パネルの撤去から処分までの流れ
太陽光パネルは、撤去後すぐに埋め立てられるとは限りません。
使用を続けられるものは継続使用またはリユースを検討し、
使用できないものはリサイクル、
それも難しいものを適正に最終処分するのが基本的な流れです。
環境省も、発生抑制、再使用、再生利用、最終処分の順に検討することが望ましいとしています。
出典:環境省「太陽光発電設備のリサイクル等の推進に向けたガイドライン」
1.修理・継続使用・リユースが可能か確認する
発電量が落ちた、エラーが表示されたといった理由だけで、
すぐにすべての設備を撤去する必要はありません。
パワーコンディショナー、配線、接続箱などの修理・交換で復旧できることがあります。
撤去を決める前に、販売店や施工店に点検を依頼しましょう。
屋根工事のために一時的に取り外す場合は、
工事後に同じ設備を再設置できるかも確認します。
2.現地調査を依頼する
業者が屋根の状態、太陽光パネルの枚数、設置容量、階数、勾配、
搬出経路などを確認します。
現地調査の際は、次の資料があると見積もりがスムーズです。
- 太陽光パネルの型式と枚数
- システム容量が分かる資料
- 設置時の図面、保証書、契約書
- FIT・FIP認定の有無
- 設置時に利用した補助金の資料
3.撤去・運搬・処理の見積もりを確認する
見積書は、少なくとも次の3項目に分けてもらいましょう。
- 屋根から取り外す撤去費
- 処理施設まで運ぶ運搬費
- リサイクルまたは最終処分を行う処理費
足場、クレーン、架台・配線・パワーコンディショナーの撤去、
屋根の防水補修などが別料金になっていないかも確認してください。
4.必要な廃止手続きを行う
FIT・FIP制度の認定を受けている発電事業を終了する場合は、
再生可能エネルギー発電事業の廃止手続きが必要です。
廃止届を提出するときに太陽光パネルを廃棄する場合は、
マニフェストの写しなど、適正に処理したことを確認できる資料が求められることがあります。
設置時の販売店や申請代行事業者に相談してください。
設置時に補助金を利用している場合は、処分前に交付条件も確認します。
一定期間内に設備を処分すると、
財産処分の承認や補助金の返還が必要になる場合があります。
5.電気設備を停止し、太陽光パネルを取り外す
専門業者が電気的な切り離しを行い、
必要に応じて足場や昇降設備を設置します。
その後、太陽光パネル、架台、配線などを順番に取り外します。
架台を屋根から外す場合は、
固定金具を取り付けていた部分に適切な防水処理が必要です。
パネルだけを安く撤去できても、施工後に雨漏りが発生しては意味がありません。
屋根補修の方法と保証範囲まで確認しましょう。
6.許可されたルートで収集・運搬する
業者が撤去した太陽光パネルは、一般的に
「金属くず」「ガラスくず・コンクリートくず及び陶磁器くず」
「廃プラスチック類」の混合物として扱われます。
そのため、対応する品目の許可を持つ収集運搬業者や処理業者へ
委託する必要があります。
運搬中にパネルが割れると、
ガラス片の飛散や積み下ろし作業の危険が増えるため、
適切な梱包や固定も必要です。
7.リサイクルまたは最終処分を行う
リサイクル施設では、アルミフレーム、ガラス、金属などが分離され、
再資源化されます。
パネルの種類や構造、破損状態によってリサイクルできない部分がある場合は、
廃棄物処理法に従って最終処分されます。
太陽光パネルを埋め立てる場合は、
管理型最終処分場で処分する必要があります。
8.処理に関する書類を保管する
撤去後は、次の書類を保管しておくと安心です。
- 工事請負契約書
- 撤去前後の写真
- マニフェストの写し
- リサイクル・処理証明書
- FIT・FIPの廃止手続き書類
- 補助金申請書類
将来、住宅を売却するときや、
補助金・保険の確認を求められたときにも役立ちます。
太陽光パネルの撤去費・運搬費・処理費
太陽光パネルの撤去費用は、次の3つに分けて考えると分かりやすくなります。
| 費目 | 主な内容 | 金額が変わる要因 |
|---|---|---|
| 撤去費 | 電気的な切り離し、パネル・架台の取り外し、荷下ろし | 枚数、屋根の高さ・勾配、足場、クレーン、作業人数 |
| 運搬費 | 積み込み、車両、処理施設までの運送 | 重量、運搬距離、車両の大きさ、一時保管の有無 |
| 処理費 | リサイクル、中間処理、最終処分 | パネルの種類、破損状態、処理方法、地域、処理施設 |
このほか、足場代、屋根の防水補修、
パワーコンディショナーや架台の処分、
FIT・FIPの手続き代行費などが加わることがあります。
処理費の公的な参考単価
環境省が2026年に公表した法律の説明資料では、
現状の処理費用として、次の金額が示されています。
- 埋立処分費用:1kW当たり2,000円程度から
- リサイクル費用:1kW当たり8,000~12,000円
これは主に処理段階の費用であり、
屋根からの撤去費や運搬費は含まれていません。
出典:環境省「太陽電池廃棄物の再資源化等の推進に関する法律」説明資料
単純計算すると、住宅用設備のリサイクル処理費は次のようになります。
| 設備容量 | リサイクル処理費の単純計算 |
|---|---|
| 4kW | 約3万2,000~4万8,000円 |
| 5kW | 約4万~6万円 |
実際には、処理施設までの距離やパネルの受け入れ条件などによって変わります。
見積書で確認したい項目
総額だけで比較せず、次の項目を確認してください。
- 足場代が含まれているか
- 架台や配線の撤去費が含まれているか
- パワーコンディショナーの撤去・処分費が含まれているか
- 運搬費が含まれているか
- リサイクル処理か、埋立処分か
- 屋根の防水補修が含まれているか
- マニフェストや処理証明書を発行できるか
- 消費税や諸経費を含む総額か
複数社から同じ条件で見積もりを取り、
作業範囲と処理方法を比較しましょう。
2026年に太陽光パネルのリサイクル法が成立
2026年5月29日、国会で
「太陽電池廃棄物の再資源化等の推進に関する法律」が成立し、
同年6月5日に公布されました。
出典:環境省「太陽電池廃棄物の再資源化等の推進に関する法律」
かつてFITが制定され、太陽光パネルのブームが引き起ってから太陽光パネルの将来の廃棄問題については何度も議論を呼んできました。これまで10年以上かけて環境省を中心に「使用済み太陽光パネルのリユース・リサイクル・処分」に関して検討が進んできました。
法律がつくられた背景
国は、2030年代後半以降、使用済み太陽光パネルの排出量が大きく増え、
年間最大約50万トンに達すると予測しています。
すべてを埋立処分すると最終処分場を圧迫する一方、
現在は埋立処分とリサイクルの費用差が大きく、
全国的なリサイクル網も構築途中です。
こうした課題に対応するため、新しい法律が制定されました。
新しい法律の主な内容
法律の中心となるのは、
事業用太陽光パネルの廃棄抑制とリサイクルの促進です。
主に次の仕組みが設けられます。
- 国が、太陽光パネルの廃棄抑制と再資源化に関する基本方針を定める
- 事業用太陽光パネルを廃棄する者に対し、国が判断基準を定め、指導・助言を行う
- 政令で定める量以上の事業用太陽光パネルを廃棄する者に、事前計画の届出を求める
- 広域的・効率的なリサイクルを行う事業者の計画を国が認定する
- メーカー、輸入業者、販売業者に、環境配慮設計や含有物質の情報提供を促す
多量の事業用太陽光パネルを廃棄する場合は、
原則として廃棄の30日前までに計画を届け出る仕組みです。
ただし、対象となる重量などの具体的な基準は政令で定められます。
住宅用パネルもすぐにリサイクルが義務化される?
今回の法律が成立したからといって、
一般住宅の太陽光パネル所有者全員に、
すぐ一律の届出義務が生じるわけではありません。
事前計画の届出対象は、政令で定める要件に該当する
多量の事業用太陽電池を廃棄する者です。
一般的な戸建て住宅1棟分の撤去に、
同じ届出を一律に求める制度ではありません。
ただし、住宅用か事業用かにかかわらず、
使用済み太陽光パネルを廃棄するときは、
従来どおり廃棄物処理法に基づく適正処理が必要です。
また、新法の主要部分は、一部を除いて、
公布から1年6か月以内に政令で指定される日から施行されます。
今後公表される政令、省令、判断基準も確認する必要があります。
法令:
e-Gov法令検索「太陽電池廃棄物の再資源化等の推進に関する法律」
太陽光パネルを撤去するのはどういう時?
さて、実際に太陽光パネルを撤去するケースとして、どのようなものが考えられるでしょうか?
撤去の原因として考えられるのは、以下の3つです。
- 住宅解体
- 故障や不具合
- 自然災害等による落下・破損
1.「住宅解体」等に伴い、撤去されるケース
住宅の建て替えやリフォーム、解体等に伴う撤去です。
太陽光パネルが長期に渡って順調に稼働した場合を想定しています。
住宅用の固定価格買取制度では買取期間が10年となっていますが、その10年が経過した後も自家消費によるメリットが継続します。
基本的には20~30年といった長期スパンで使い続ける人が多いと考えられます。
実際に、各メーカーが設定する太陽光パネルの出力保証期間は20~30年程で設定されています。例えば2025年度の売れ筋の一つであるハンファジャパンの製品では製品保証・出力保証がともに30年。出力保証に関しては約90%を保証しています。
。
2.「故障や不具合」等に伴い、撤去されるケース
残念ながら太陽光パネルに故障や不具合等が発生し、それに伴う交換時の撤去です。
場合によっては設置後数年で撤去ということも起りうるかもしれません。
3.「自然災害等による落下・破損」に伴い撤去されるケース(家主自身が取り外すケースを含む)
地震や落雷、台風等の突発的な自然災害等によって落下・破損し、撤去を余儀なくされるケースです。
稀なケースですが、災害時の事を想定しておく必要があります。
太陽光パネルは誰が撤去し、「誰が」「どのように」処理するのか?

ところで、そもそも太陽光パネルを撤去するのは誰なのでしょうか?
このことは一般的にはあまり明確に認識されることはなく、「別に誰でも良いのでは?」と思ってしまいますが、誰が撤去するかによって撤去した後の対応が変わってくる可能性があります。
さらに、撤去者の違いによって法律上の廃棄物としての扱いが変わるので、重要です。
そして、撤去者が誰になるかは、撤去時の状況によって異なります。
前節で取りあげた3つのケースで具体的に考えてみましょう。
1.「住宅解体」等に伴い、撤去されるケース
住宅解体時に太陽光パネルも同時に撤去する場合は、通常、解体業者が排出者(法律上の、ゴミを出した人)になります。
この場合、太陽光パネルは、いわゆる「産業廃棄物(産廃)」として扱われます。
法律上、撤去後は排出者である解体業者が責任をもって処理することになっていますので、家主として気にすることはほとんどないかもしれませんが、ここでは、撤去された後の流れについても少し触れてみたいと思います。
解体業者が撤去されたパネルの回収を他の業者に依頼することも考えられますが、解体で発生したその他のゴミとともに、解体業者が持ち帰るケースも多くあります。
どこに依頼するかは色々と考えられますが、基本的には産業廃棄物の中間処理業者に持ち込まれ、選別や破砕等が行われた後、最終的に、金属やガラス等の一部はリサイクルされ、残りは埋立に回ることがほとんどでしょう。
現状の典型的なフローを以下に示します。

図1 住宅解体等に伴い撤去された太陽光パネルの現在の処分フローの一例
2.「故障や不具合」等に伴い、撤去されるケース
不運にも、設置した太陽光パネルが途中で故障したり不具合が起きてしまい、撤去・交換を余儀なくされるケースです。
一般的には家主自ら屋根に上って取り外すことはなく、設置した時と同じ施工業者もしくは販売業者が撤去するものと考えられます。
この場合、製品不良等で撤去・返送されたパネルをパネルメーカーが処分する場合には、メーカーがゴミの排出者となり、それ以外の場合で施工業者が自ら処分する場合は、施工業者が排出者となります。
いずれにせよ、『1.』のケースと同じく「産業廃棄物」になります。
法律上、メーカーや撤去した施工業者が責任をもって、撤去されたパネルを処分します。
ここでも典型的なフローを見てみましょう。
パネルの撤去者やゴミの排出者が異なる以外はほぼ『1.』のケースと同じです。

図2 故障・不具合等に伴い撤去された太陽光パネルの現在の処分フローの一例
3.「自然災害等による落下・破損」に伴って、撤去されるケース(家主自身が取り外すケースを含む)
最後に、地震や落雷、台風等で設置したパネルが落下・破損したことに伴い、撤去するケースを考えます。
もし、パネルが既に落下していた場合、屋根から下ろすよう施工業者に依頼する必要はありません。
パネルを新たに買い換えようとする場合には、施工業者に処分の相談もできるかもしれませんが、そうでない場合は、家主自ら撤去・処分しなければならない状況も起こり得るでしょう。
このようなケースでは、法律上、これまで見てきたような「産業廃棄物」ではなく、通常の家庭ごみと同じ区分である「一般廃棄物」として扱われます。(『1.』や『2.』のケースにおいても、パネルを業者ではなく、家主自ら屋根に上って取り外したケースでは、同様に法律上の区分は「一般廃棄物」となります。)
法律上の細かい話になりますが、パネルとしては同じ「モノ」でも、一般廃棄物を処分するための許可は、産業廃棄物を処分するための許可とは別に取得しなければならず、これまでみてきたように、一般廃棄物についての許可を持たない産廃業者に依頼するわけにはいきません。
さて、困ったということですが、こういった場合は、各市区町村によって対応が異なりますので、ご自身で判断せず、お住まいの市区町村のゴミの担当窓口に相談することをお勧めします。
少なくとも、何の連絡もなしに、いつものゴミ収集場所にパネルを置いておいても、収集業者は持って行ってくれないでしょう。

図3 家主自ら撤去する場合の太陽光パネルの現在の処分フローの一例
太陽光パネル廃棄方法 今後の動向

本節では現状考えられる、3つの主な処分フローを示しました。
ただ、現在、廃棄物として排出されている太陽光パネルの量はごくわずかです。
固定価格買取制度がスタートしてまだ約10年しか経っていないため、当たり前と言えば当たり前です。
このため、太陽光パネルの撤去・回収・処分のルートが現時点で確立しているわけではありません。
今後の廃棄物増加や、処分・リサイクル技術の開発状況、あるいは資源価格の状況等によっても、処分フローは変わってくる可能性があります。
政府見通しでも、本格的に太陽光パネルが廃棄物として出てくるのは、少なくとも2030年代以降と考えられていますので、その時までに政府、あるいはパネルメーカーが何らかの手を打ってくるかもしれません。
例えばそれは、現在、テレビや冷蔵庫、洗濯機等の廃棄物に適用されている家電リサイクル法のようなものかもしれませんし、各パネルメーカーが自主的な取り組みとして、独自に処分・リサイクルルートを構築するのかもしれません。
太陽光パネルの撤去費用の考え方

ここまで、パネルの撤去・処理フローを見てきましたが、撤去時の費用はどのくらいを見込んでおけば良いでしょうか?
前節の撤去・処理フローを見ていただければわかるように、パネルは撤去された後も様々な業者が関わって、最終的に処分・リサイクルされます。
不良品返送等の場合を除き、基本的には、家主がこれらの費用を全て負担することになるのですが、費用の性質上、
- 撤去費用(パネルを屋根から下ろす費用)
- 撤去以降の処分費用
とに分け、それらの合算として考えた方がスッキリするでしょう。
理由は、前者の撤去費用については、主に人件費になりますので、誰がやっても大きく変動することはありませんが、後者の処分費用については、パネルの状態や地域、持ち込み先業者、資源価格等によって大きく異なる可能性があるからです。
例えば、解体時にミンチ解体(分別しない解体)としてパネルをその他の解体ゴミと一緒にしてしまうと、処分費用は一般的に高くつきます。
反対に、一連の処分の過程で、銀やアルミフレーム等の金属資源回収が適切に行われると、それらは売却できるので、処分費用としては安くなるでしょう。
資源価格の影響も受けます。
また、地域によって埋立処分場に全く余裕がないようなところでは、処分費が高騰していることも考えられます。
事前に複数の業者から見積もりをとってしっかり内容を吟味する必要があるでしょう。
具体的な太陽光パネルの撤去費用は?
具体的な費用ですが、撤去に関しては、多く見積もっても10万円を見ておけば問題ありませんが、処分については、現状ではケースバイケースです。
参考までに、以前ソーラーパートナーズが産廃業者に見積もりを取ったケースですと、パネル20枚で運搬も含めて5万円あればおつりがくるということでした。
パネルを撤去する10年後、20年後にどのような技術が登場し、どのような市況で、どのような費用になっているかはまだわかりませんが、少なくとも現時点では撤去10万円+運搬・廃棄5万円の合計15万円ほど見ておけば問題ないようです。
太陽光パネルの廃棄費用の補助金
国は産業用の放置・不法投棄を懸念
例えば東京都では、太陽光パネルの廃棄問題について先立ち、パネルリサイクルを促進しています。東京都は東京都民に対して、リサイクルに要する費用の一部を補助しています。
- 使用済住宅用太陽光パネルリサイクル促進事業
- 期間:令和5年6月1日から令和9年9月30日まで
- 補助額:使用済住宅用太陽光パネルの発電出力(kW)に25,000円を乗じた額
ちなみに、現在国が放置・不法投棄を懸念しているのは土地に設置された太陽光発電です。
まず、廃棄処分にはコストがかかるため、実質的に事業が終了していたとしても、その土地にそのままパネルを放置されるということが考えられます。
また、パネルが放置されなかったとしても、他の土地に不法投棄されるということも十分考えられます。
一方で建物に設置された太陽光パネルは建物の撤去と一緒に廃棄されるのが一般的と考えており、特に心配はしていないようです。
また、土地への設置でも借地に設置される設備については、原状復帰義務があるため放置の心配はないと考えています。
廃棄費用の積み立て義務化について
2024年12月時点では経済産業省資源エネルギー庁では、10kW以上の全ての太陽光発電に対して、廃棄費用の積み立てを義務化するための施策を検討中です。
基本的には外部期間が源泉徴収的に廃棄費用を差し引く「外部積み立て」を基本とする方針で、放置した場合には罰則を設けることも視野に入れて議論が進んでいます。
2024年中に具体策をまとめ、2025年に国会に法案が提出される見込みです。
対象が10kW以上に限定される理由は、住宅屋根に設置する太陽光発電は住宅の取り壊し時にまとめて廃棄される可能性が高いため、別途廃棄費用を積み立てる必要はないと考えられるためです。
住宅用太陽光発電を導入、検討している方は一安心ですね。
追記
太陽光パネルのリサイクル制度の創設を目指し、2025年3月28日、中央環境審議会循環型社会部会太陽光発電設備リサイクル制度小委員会において「太陽光発電設備のリサイクル制度のあり方について」が取りまとめられ、中央環境審議会会長から環境大臣に意見具申がなされました。
これを受け、環境省と経済産業省は今国会への法案提出を目論んでいましたが、内閣法制局との間で法制化に向けた調整が難航していることから、今国会への提出が見送られることになりました。
法制化する上での一部のテクニカルな理由により延期されることとなってしまったものの、太陽光パネルのリサイクル制度の必要性については関係者全員が認識を共有していますので、近々法制化されることは間違いありません。
太陽光パネルのリサイクルが可能な企業
一般社団法人太陽光発電協会(JPEA)が太陽電池モジュールのリサイクルが可能な企業の一覧を公開しています。
リサイクル可能な企業をお探しであればご確認ください。
太陽電池モジュールの適正処理(リサイクル)が可能な産業廃棄物中間処理業者名一覧表|一般社団法人太陽光発電協会(JPEA)(外部リンク)
まとめ
今回はパネルの撤去というテーマでお届けしました。
以前、太陽光発電のシンポジウムに登壇させていただいたのですが、ご一緒した北九州産業学術推進機構の野田松平参与のお話では、太陽光パネルは95%以上のリサイクル率が既に達成されているとの事でした。
ただ、実用化に向けての一番の課題は、廃棄パネルの安定供給および、その回収方法にあるとの事でした。
もちろん、リサイクル技術の研究開発等は現在も地道に行われていて、将来、効率的な資源回収の仕組みが構築できれば、埋立が減り、処理費用の低減にもつながることでしょう。
さらに、廃棄物として一定のボリュームが出てくれば、単位当たりの処分・リサイクルコストも下がるので、大きなトレンドとしては、費用は安くなる方向と言えるのではないでしょうか。
注)本記事中では単純化した3つのケースで廃棄物の扱いをご紹介しましたが、実際の対応は自治体によって異なることも想定されますし、ケースバイケースです。
パネルの処分方法がわからない場合は、まずはお住まいの市区町村のゴミ処理担当部署にご相談ください。
ソーラーパートナーズは、廃棄・リサイクル等のまだ情報が少ない分野の情報を積極的に収集しています。
廃棄や撤去等の新しい情報が入りましたら、いち早くお届けします。
最新情報によって、より安心のソーラー生活をサポートいたします。
快適なソーラー生活をご希望でしたらぜひ見積り依頼をして下さい。






















