太陽光発電を移設して使用するには?そもそも太陽光発電の移設は可能なのか?
今日の太陽光発電相談事例
滋賀県の方から太陽光発電の相談を頂きました。
2009年に太陽光発電を導入していて、ご主人様が老人ホームに入居する事が決まったのを機に、これから埼玉県の息子さん夫婦と同居する事が決まった、
という方からのご相談でした。
内容は
「今自宅に設置している太陽光発電システムを、埼玉県の息子夫婦の家に移設できないか?」
というものでした。
なぜ太陽光発電の移設をしたいと思ったのか
今のご自宅はこれから賃貸に出すつもりも、売却するつもりもないとの事でした。
それであれば日中の電気使用量がゼロになるわけですから、
全量買取と実質同じです。わざわざ移設させる必要などありません。
2009年設置という事でしたので、まさしく余剰電力買取制度が始まった年です。
当時の制度ですと48円の売電価格で10年間の契約ですから、まだ残り6年ほどあります。
そのままどんどん売電してもらえば良いのではと思います。
ただこの方は移設を希望しているので、このあたりの仕組みを理解していないのかなと最初思ったのですが違いました。
理解している上で、感情の問題でした。
実は設置した太陽光発電の金額等を聞くと360万円だったとの事です。
kW数は覚えておらずよくわからないとの事でしたが、ご自身でも訪問販売の会社からかなりの高値で買ってしまったという認識を持っており、絶対にあの担当者とは話したくないと仰ってらっしゃいました。
そして問題がもう一つ、山間部のため午後2時か3時くらいには屋根に日が当たらなくなり当初聞いていた話とは全く違って売電金額も全然入ってこないという事でした。
つまり移設はお金もかかるだろうし非効率である事は認識している上で、
360万円も払ったものだし、せっかく息子夫婦の家が日の当たる良い条件の場所なので、
文字通り「日の目を見させてあげたい」という親心のような感じでした。
そもそも太陽光発電の移設は可能なのか
太陽光発電システムの移設は物理的には可能です。
- 太陽光発電パネル
- パワコン
- 接続箱
は移設できると思います。
ただ屋根の形状が違いますので、架台とケーブルは再発注する必要があります。
今回のケースは再利用予定が無いとの事でしたが、架台が付けっぱなしというのはみっともなさすぎますのと、
その後の屋根の修繕、パワコンや接続箱を取り外した後の修繕が必要となります。
- 撤去する業者
- 運送業者
- 設置業者
を手配すれば、可能だと思います。
ただ太陽光発電システムの10年保証は、撤去した段階で無効になります。移設後の申請もできません。
太陽光発電の移設費用はいくらかかるのか
では実際に移設費用はいくらかかるのでしょうか。
- 撤去費用
- 修繕費用
- 運送費用
- 設置費用
- 新規部材費用
の5つの合計になります。
どう考えても100万円を下ることはありません。
まとめ
今回はさすがに、
- 費用がかかり過ぎる事
- 手間がかかりすぎる事
の2点を持って移設は取りやめになりました。
今回の相談事例はビジネス用語の「埋没費用(サンクコスト)」と言われるものです。
ビジネススクールなどでは必ず習う経営に非常に大事なことですが、
一度始めた公共事業をなかなか中止できない事例や、会社が海外進出などをした後に撤収しづらい事例と同じです。
つまり、過去に使ったお金や時間、労力などが大きいほど、現在における最適な意思決定が妨げられてしまうというものです。
ゲームセンターのUFOキャッチャーにひたすらお金を使い続けてしまうのも同じ事です。
ただ感情を切り離して合理的に判断しろと言われてもできないのが人間ですから、
その感情の機微も理解した上で最適な判断ができるようなアドバイスを心がけていきたいと思います。






















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