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太陽光発電の売電廃止?住宅用太陽光発電の売電制度は継続!

太陽光発電の売電は廃止になるのか?

2019年8月5日に新聞各紙で、6月に続いて太陽光発電の売電が廃止されるという内容の記事が発表されました。

太陽光や風力発電、固定買い取り終了 経産省が整理案

これは同日に経済産業省内の委員会(正式名称;総合資源エネルギー調査会 省エネルギー・新エネルギー分科会/電力・ガス事業分科会 再生可能エネルギー大量導入・次世代電力ネットワーク小委員会)にてまとめられた第3次中間整理案を受けての発表になります。

太陽光や風力発電、固定買い取り終了 2019/8/5 10:05 | 日本経済新聞

6月にも同内容の事前発表があり世間を賑わせましたが、大きくは内容は変わっていません。

  1. 「産業用」という大型の太陽光発電システムの今の売電制度は廃止して入札制度へ移行する。
  2. 「住宅用」や「小規模太陽光」については今の制度を維持する。

今回の中間整理(案)をくまなく読んでも、実は2020年度から明確に産業用の売電制度は廃止するとは書かれていません。

しかしこれまでの傾向で、このようにメディア各社に情報がリークされているものはほぼ確定とみて間違いないと思います。

産業用の売電制度廃止の対象範囲

今回の中間整理案で現在の売電制度廃止が示されている産業用は、「大規模太陽光発電」です。

現在既に2,000kW以上の超大型太陽光発電システムは既に売電制度は廃止され、入札制度に移行しています。

では今回明示されている「大規模太陽光発電」は何kW以上のものを指すのでしょうか?

こちらは中間案ではまだ区分けされておらず、あくまで予想ではありますが、50kW以上のものを指していると思われます。

売電制度廃止を免れた小規模太陽光発電とは?

大規模太陽光発電を50kW以上と予想した根拠は、住宅用太陽光発電と一緒に現状の制度を維持するとなった「小規模太陽光発電」の存在があります。

この小規模太陽光発電については、中間案の中で「小規模太陽光発電は全量買取ではなく余剰買取にすべき」という記載があります。

この記載によって小規模太陽光発電の定義として既に余剰売電である10kW未満の太陽光発電システムではなく、少なくとも10kW以上であることがわかります。

また仮にここで言う小規模太陽光発電が50kW以上であった場合、住宅用太陽光発電は10kW未満を指すため、10kWから50kWの太陽光発電システムについて何も言及がないことになってしまいます。

これらの情報から、

  • 10kW以上50kW未満が「小規模太陽光発電」
  • 50kW以上が「大規模太陽光発電」
と予想しました。

売電制度廃止ではなく変更の小規模太陽光発電

上にも書いたように10kW以上50kW未満の小規模太陽光発電システムは全量売電ではなく、余剰売電への移行を示唆されています。

これは何を意味するかというと、空き地などに設置する野立てではなく、工場の屋根などに設置し自家消費を優先するシステムを対象とすると言うことです。

野立ては、空き地に設置するので自家消費するための受電地点がない場合がほとんどです。

ですから、おそらく工場屋根や野立てなどの場所での区分はなされないと思いますが、実質的に小規模の野立て太陽光発電はなくなると思われます。

住宅用太陽光発電は売電制度維持

住宅用の太陽光発電は、入札制度に移行する「競争力ある電源への成長が見込まれる電源」との対比で「地域において活用され得る電源」と銘打たれ、これまで通り分散型電源としての役割を担う形になります。

つまり10kW未満のいわゆる「住宅用」太陽光発電システムはこれまで通りの制度が踏襲される予定です。

自宅屋根に設置した太陽光発電システムで発電した電気をまずは自宅内で優先的に使い、使いきれずに余った電気のみ電力会社に売電する2009年より続く余剰電力買取制度です。

この売電制度は、2009年の制度スタート当初から、太陽光発電システム価格の低下に合わせて導入メリットが一律になるように売電価格も引き下げられているのですが、2020年度は今までとは違う価格の低下が予想されていますので、現在検討中の方は今年度中に導入を基本的にはおすすめします。

2020年以降の住宅用太陽光発電システムの売電価格予想は、こちらをご覧ください。

2019年問題とは違うの?

2019年問題と言われているのは、今回の産業用の売電が終了する話とは全く違います。

2019年問題とは、むしろ住宅用の話です。 住宅用太陽光発電システムは、産業用より早く2009年11月から上に上げた余剰電力買取制度がスタートしており、かつ産業用と違い売電期間が20年間ではなく10年間です。

2019年11月にはじめてこの売電期間を終える人達が世の中に出てくるので、その余った電気をどうするのか?という問題のことを言います。 現在その電気は、東京電力などの既存の大手電気会社、新電力会社、蓄電池が三つ巴で取り合う感じの様相を呈しています。

2019年問題についての詳細はこちらをご覧ください。

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【誰でもわかる】太陽光発電2019年問題とは結局なにが問題なのか?

実際は誰が困るの?

今回の報道の通りに、2020年度からの産業用の太陽光発電の売電制度の新規受付が終了した場合、実際のところ誰が困るのでしょうか?

ここまで書いてきた通り、これまでに既に太陽光発電システムを設置済みの方は特段困ることはありません。

産業用だろうと住宅用であろうと、今現在設置を検討している方も特段困ることはありません。(2019年度中に申請等が完了することが条件)

では誰が困るのかというと、まずは今回の話を知らず来年度になってから産業用の太陽光発電システムの設置検討を始める土地を所有している方です。
ただこの場合はメリットがあると思っていた話が実は無かったというだけなので大した問題ではないですが、本当に困るのは今回の話を知らずに太陽光発電用に土地を購入してしまった方です。

そして実際のところ一番困るのは、やはり産業用の太陽光発電システムの販売、設置をメインとして事業を行っていた会社です。
既に何年も前から、産業用太陽光発電は下火になっていたので倒産する会社が出てきていたのですが、さらに増えてしまう可能性はあります。

産業用太陽光発電と倒産について詳しくは知りたい方はこちらをご覧ください。

関連記事
太陽光発電関連企業の倒産が増加中!なぜ倒産が増えているのか?

電気代はどうなるの?

今回の措置が取られた最大の要因の1つに、電気代の内訳にある再エネ賦課金による国民負担の増大を抑えなければならないというものがあります。

では電気代は今後下がるのでしょうか?

結論としては、すぐには下がりません。

既に設置済みの産業用太陽光発電が終了になるわけではなく、あくまで新規受付が終了するという話ですので、いきなり来年から下がるということはありません。

まとめ

ニュースが発表されてから、既に多くの設置済みの方、検討中の方からご質問が来ていますが、上に書いたとおり関係ありませんのでご安心下さい。

既に下火にはなっていましたが、これで産業用太陽光発電システムの市場は急速に小さくなると思われます。

現在、産業用太陽光発電の販売設置を行っている会社は、元々は住宅用太陽光発電を販売設置していた会社が多いです。

来年度から住宅用への回帰が起きるとは思いますが、産業用で大きな金額に慣れすぎてしまった会社が、すぐに住宅用に順応できるとは正直思えません。

そして奇しくも2019年問題を受けての蓄電池市場が立ち上がりつつある時ですので、市場が混乱する可能性が予想されます。

より信頼性の高い、中立的な情報発信を心がけていきたいと思います。