PID現象とも無縁 本当はもっとすごいパナソニック太陽光発電「HIT」の技術

パナソニックグループエコソリューションズ社ソーラーストラテジックビジネスユニット技術開発部部長 工学博士 岡本真吾氏

「HIT」はPID現象とも無縁

中村 大変失礼な言い方になるのですが、「HIT」にはPERCを上回るパッシベーション技術がありながら、なぜその点をあまりPRされていないのでしょうか。
各社の太陽光発電に精通しているはずの私たちでも、「HIT」がそこまで優れているということは知りませんでしたので、消費者にはなおさら伝わっていないのではないかと思います。
パッシベーション技術の他にも、今までPRされてこなかった「HIT」の強みがあるのではないでしょうか。

岡本氏 技術が消費者に伝わっていないということは耳の痛い話です。
今まであまりPRしてこなかったHITの強みというと、もしかするとHITがPID現象と無縁だという話も多くの方に伝わっていないかもしれません。

中村 かつて大問題になったPID現象のことでしょうか?

※PIDとは、Potential Induced Degradationの略で、直訳すると「電位によって誘発された劣化」。太陽電池モジュールの内部回路とフレームとの電位差が原因で起こる、モジュールの発電量が低下する現象。特に高温多湿な地域で発生しやすい。

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岡本氏 はい、そうです。
PID現象はセル表面に絶縁膜がある事によってプラスの電荷がたまり出力が低下してしまう現象ですが、「HIT」はセル表面に絶縁膜ではなく導電材料を使用しているため、構造的にPIDは発生しません。

中村 それも初耳です。「『HIT』はPID現象が起こらない」という情報は今まで公開されていなかったのではないでしょうか。

パナソニックにとっては高品質、高耐久は「あたりまえ」

岡本氏 いやPID耐性が実証された事はリリース出していると思います。

※後で調べたところ確かにリリースが出ていましたが、タイトルは「パナソニックHIT® 太陽電池がフラウンホーファー研究機構でPID耐性を実証」となっていました。そしてリリースの説明文の最後の方に「HIT太陽電池はセル最表面(両面)が透明導電膜であり、絶縁層を用いていないことから、PIDは起こり得ない構造です。」とさらっと書いてありました。

中村 「HIT」の発電量が高いことは知っていましたが、PID現象とも無縁となると性能面では文句のつけようがないですね。

岡本氏 太陽光パネルというのは、発電量が多いだけでは駄目で、20年、30年と住宅の屋根の上で稼働し続けなければなりません。ですから高品質で高耐久であるということは私達の認識では当たり前です。当たり前のことをわざわざアピールするのもどうかなと思っています。

パナソニックのパネルは必ず公称最大出力よりも発電する

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中村 出力のミニマム管理も他メーカーとの差別化につながる話ですが、あまりPRされていないですよね。
私達のような業界の人間は実際に納品されたパネル毎の出力を確認できるのでわかりますが、一般の消費者の方はほとんど知らないのではないでしょうか。

※パンフレットに表示されている太陽光パネルの出力は、公称最大出力と呼ばれるもので、JIS規格でその出力の90%以上であれば出荷してよいとされています。ミニマム管理とはその実際の出荷時の出力を常に管理し、公称最大出力以下のパネルは出荷しないように管理していることです。

岡本氏 出力のミニマム管理に関しても、私たちからすると当たり前のことなので、積極的にPRする必要はないと考えています。
ちなみに「HIT」の品質管理について細かいことを言うと、検査については国際規格に加えて、20種類以上の独自試験を行っています。

「『HIT』は劣化しやすい」は誤り

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中村 もう知る人ぞ知る名店みたいな状態ですね。
岡本さんにお越し頂けると聞いて、どうしても聞いておきたかった質問があるのですがよろしいでしょうか?

岡本氏 はい。「HIT」の事ならなんでもわかると思います。

中村 「HIT」はヘテロ接合型なので単結晶シリコンと合わせて、アモルファスシリコンも使用しています。そのアモルファスシリコンの初期劣化(光劣化)の話を使って、「HIT」は劣化しやすいという話をする業者がいまだに存在します。
そのような相談をされるたびに、「あくまでアモルファスシリコンは補助的に使用していて、発電自体は単結晶シリコンがするため劣化には関係ない」と答えています。説明として誤りではないでしょうか?

岡本氏 そのような説明をして頂けると本当に助かります。仰るとおり「HIT」はアモルファスシリコンの部分を発電に使用していません。
ちょうど先ほどパッシベーションの話をさせて頂いたのでご理解いただけると思います。
アモルファスシリコンを使っているから「HIT」は発電量が劣化しやすいというのは誤りです。

さらに付け加えると、図ではかなり大きく見えますが、アモルファスシリコンの層は本当に薄いのです。発電領域である単結晶シリコンの性能を最も引き出しているのが「HIT」と言えるかと思います。

中村 「HIT」は本当に弱点がないですね。
これで今後導入検討者から相談いただいた際に、「『HIT』が劣化しやすいというのは誤り」と今まで以上に自信をもって伝えることができます。

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