そこ間違ってる!ダイヤモンド『太陽光発電10年で投資回収は大ウソだった』が生む誤解

ダイヤモンド記事の誤解

ご注意ください
「モニター価格」「工事代無料」
「~棟限定のキャンペーン価格」

上記のような魅力的な営業トークを使って、実際には非常に高額な提案をする悪徳企業が増えています。
このようなご案内を聞いている方は複数社からのお見積りを比較してみることを強くお勧めします。

ダイヤモンドが記事を取り下げました

JPEA(太陽光発電協会)を中心に、業界関係者、そして現在太陽光発電の設置検討をしている方々、既に設置している方々、多くの方の抗議の声が大きくなり、ダイヤモンド誌が誤りを認め早期の記事取り下げという形になりました。
心よりお礼申し上げます。

住宅用太陽光発電の誤算、「10年で投資回収」は大ウソだった【訂正あり】

【お詫びと訂正】

 

2018年9月25日公開の本記事『住宅用太陽光発電の誤算、「10年で投資回収」は大ウソだった』におきまして、太陽光発電の投資回収シミュレーション(試算)に事実誤認がありました。同じ前提による正しい試算では、10年で投資はほぼ回収され、記事の見出しにある「大ウソだった」は覆ることになります。編集過程での確認・検証作業が不十分であったことに起因するミスで、誤解を与えてしまった読者のみなさま、およびご迷惑をおかけした関係者のみなさまに、心よりお詫び申し上げます。

 

本記事に関しましては、周知のため本日より10月26日までの1ヵ月間は公開を続け、その後は取り下げさせていただきます。

2018年9月27日
週刊ダイヤモンド編集部
ダイヤモンド・オンライン編集部

住宅用太陽光発電の誤算、「10年で投資回収」は大ウソだった【訂正あり】|ダイヤモンド・オンライン

住宅用太陽光発電の健全な普及が妨げられる危機でしたが、多くの方々のご尽力のおかげで辛うじて回避できました。

しかしあのセンセーショナルなタイトルが拡散してしまったために、太陽光発電に対してネガティブな印象が擦りこまれ、考えが固定化されてしまったままの方々がたくさんいらっしゃいます。

コツコツと正しい情報発信を続け、いつかその誤った印象を持ってしまった方々にも太陽光発電の良さが届くように精進していきたいと思います。

ソーラーパートナーズ

間違い発見…ダイヤモンド・オンライン『住宅用太陽光発電の誤算、「10年で投資回収」は大ウソだった』

ダイヤモンド・オンラインが、『住宅用太陽光発電の誤算、「10年で投資回収」は大ウソだった』というタイトルの記事を2018年9月24日に掲載し、Yahoo!ニュースに載るほど拡散されています。

実は弊社にもダイヤモンドから取材依頼がありましたが、記事の主旨を聞くとネガティブな内容を書く事がわかりましたのでお断りしたという経緯があります。
むしろ、協力した方が間違った記事を書かれなかったのかもしれないと思うと少し後悔が残ります。

ソーラーパートナーズでは、日経新聞など影響力の強いメディアで誤解を生むような表現や間違った内容の記事が掲載された場合には解説記事を書くようにしています。
今回の記事はあまりに誤解を招きますし、そもそも内容が間違っていますので、なるべくわかりやすく解説したいと思います。

ダイヤモンドの記事では太陽光に無関係の費用を計上

問題のダイヤモンド記事の計算内容がこちら

10年で回収は到底不可能? 住宅用太陽光発電の誤算、「10年で投資回収」は大ウソだった|ダイヤモンド・オンライン

ここまでしっかり作りこまれていたら、一般の方はまさか計算が間違っているとは思わず、その通りに受け止めてしまうと思います。

太陽光発電の費用と関係ない10年分の電気代を太陽光の費用に計上?

問題なのはこの部分。

10年で回収は到底不可能?2

『勧誘してきた知人は、この費用を加味していない!』と書かれていますが加味しない方が正しいのです。

なぜかこのダイヤモンドの記事では太陽光発電システムとオール電化にかかった費用600万円にプラスして、10年間分の電気代111万円を費用として計上するべきと主張しています。

しかし太陽光発電システムを導入する費用は『機器代と設置工事代』だけです。
10年間分の電気代は、太陽光発電システムを導入していようがいまいがかかる生活費ですから、太陽光発電の購入費用(もしくは運用費用)には全く関係ありません。

例:賃貸に出した戸建ての住宅ローンは賃貸の収支に影響しない

より理解しやすいように、全く別のケースで考えてみたいと思います。

ある一戸建てに住んでいる方の月々の住宅ローンの返済額が仮に10万円(年間120万円)だとします。
2階に空き部屋があるので、賃貸に出そうと600万円をかけてリフォームをして、月々5万円(年間60万円)で借り手がつきました。
毎月の賃料収入が5万円(年間60万円)で、かかった費用が600万円ですのでリフォーム費用を10年で回収した事になります。
11年目からは全て利益になります。

今回のダイヤモンドの記事は、このケースで言えば賃貸の費用に元々の住宅ローン10万円(年間120万円)を足して計算すべきと主張している事と同じです。

2階の部屋を賃貸に出そうが出すまいが、住宅ローンの10万円は払い続けるものですので、今回の賃貸用のリフォームとは関係ありません。

正しい太陽光発電の収支計算

ダイヤモンド記事上の収入の計算がわかりにくい

ダイヤモンドの太陽光発電の記事に戻りますが、そもそも計算の項目が整理されておらず、わかりにくい書き方になっています。

太陽光発電による収入の計算式(ダイヤモンド)

まず収入の部分、金額自体はあっているのですが感覚的にわかりづらいと思います。

設置後の電気料金(オール電化にしたのでガス代がなくなり電気料金という記載になっていますが、つまりは光熱費)が111万円、そして設置前の光熱費が281万円と書かれています。

設置後の光熱費が電気料金になっていることで混乱が生じやすく、また何と何の差分が収入になっているのかがわかりにくいのです。

光熱費削減メリット=設置前の光熱費-設置後の光熱費

整理すると、太陽光発電を設置しなければ281万円だった光熱費が111万円に下がっている、ということです。
この差額170万円(281万円-111万円)が太陽光発電を設置した事による光熱費削減メリットということになります。

つまり以下のように、(設置前の光熱費-設置後の光熱費)と書くほうがわかりやすくなります

太陽光発電による収入の計算式(ソーラーパートナーズ)

そして売電収入が426万円ですので、この426万円と170万円を足した金額596万円が太陽光を設置したことによる経済的メリットです。

正しい計算では10年間の収支は4万円の赤字

太陽光発電による正しい収支

確かに今回の方は10年で投資回収は無理です。
ただ、10年後に4万円足りていないだけですので、1か月遅れで初期投資の600万円は回収ができています。
つまり回収期間は10年と1か月での回収です。

20年後の収支も書き直すと黒字がとんでもないことに

ちなみに20年後の収支を正しい数字に直すと以下のようになり、とんでもない黒字になります。

太陽光発電の20年後の収支

ただ実はダイヤモンドの試算には20年間のメンテナンス費用10万円(定期点検2万円×5回)や保証期間外に故障するであろうパワコンの交換費用40万円(9.92kWであればパワコン2台×20万円/台)、合計50万円の保守費用が含まれていません。

つまり、実際には『パターン(1) 買取価格11円/kWh』の収支は203万円、『パターン(2) 買取価格11円/kWh』の収支は163万円ということになりますが、それでも十分な収入です。

こんなに黒字が出るのは9.92kWというかなり広い屋根だから

ダイヤモンドの例では太陽光発電を9.92kWも設置していますが、これはかなり広い屋根です。
郊外なら9.9kW程度は設置できると思いますが、市街地だと6kW設置できればラッキーという感じです。
そういう意味でもかなり突飛な状況をわざわざ選んで記事にしていると思います。

ほぼ同条件をソーラーパートナーズが試算すると20年後は93.5万円の黒字

静岡県で太陽光発電を設置した場合の収支と発電量シミュレーション

電気代削減(年間) 売電収入(年間) 導入メリット(年間)
30,816円 565,119円 595,935円

収支シミュレーション(万円)

設置費用がどのように回収されるかを示したグラフです。

年数費用導入メリットメリット(累計)
0年目600.0万円(設置費用)0.0万円0.0万円
1年目-59.6万円59.6万円
2年目-59.4万円119.0万円
3年目-59.3万円178.3万円
4年目2万円(点検費用) 59.1万円235.4万円
5年目-58.9万円294.3万円
6年目-58.8万円353.1万円
7年目-58.6万円411.7万円
8年目2万円(点検費用) 58.4万円468.2万円
9年目-58.3万円526.4万円
10年目-58.1万円584.6万円
11年目(設置費用の回収完了) 15.7万円600.2万円
12年目2万円(点検費用) 15.6万円613.8万円
13年目-15.6万円629.4万円
14年目-15.5万円645.0万円
15年目-15.5万円660.5万円
16年目2万円(点検費用) 15.5万円674.0万円
17年目40万円(パワコン交換) 15.4万円649.4万円
18年目-15.4万円664.8万円
19年目-15.4万円680.2万円
20年目2万円(点検費用) 15.3万円693.5万円
(20年目以降もメリットは出続けます)
・回収年数=設置費用÷導入メリット
・売電価格:48円/kWh(2010年度中に設置の場合)
・11年目以降の売電価格:11円/kWhと仮定。
・買電価格:32円/kWhを仮定(オール電化の電気料金プラン)
・4年ごとに訪問点検費用2万円を計上
・17年目にパワコン交換費用40万円を計上(20万円/台×2台)
・毎年0.27%ずつ発電量が劣化していくと仮定。
実際の発電量や設置費用は、屋根の方角や勾配、屋根材などによって変わります。
正確な発電量シミュレーションが必要でしたら見積り依頼をしてください。

発電量シミュレーション(kWh)

発電量(年間) 自家消費量(年間) 売電量(年間)
12,736kWh 963kWh 11,773kWh

1年間に毎月どれくらい発電するかを示したグラフです。
太陽エネルギー(日射量)のデータには国が提供している過去29年間の平均データを使用しています。

発電量の内訳
項目 1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月
日数312830303130313130313031
日射量 3.854.194.344.844.834.234.505.024.043.713.493.58
出力 9.92 kW9.92 kW9.92 kW9.92 kW9.92 kW9.92 kW9.92 kW9.92 kW9.92 kW9.92 kW9.92 kW9.92 kW
温度損失率 5.2%5.2%5.2%7.7%7.7%10.3%10.3%10.3%10.3%7.7%7.7%5.2%
パワコン損失率 4.5%4.5%4.5%4.5%4.5%4.5%4.5%4.5%4.5%4.5%4.5%4.5%
その他損失率 5.0%5.0%5.0%5.0%5.0%5.0%5.0%5.0%5.0%5.0%5.0%5.0%
発電量 1,018.71,001.41,111.31,205.61,243.31,024.21,125.91,256.0978.2955.0869.4947.3
電気代 10,00010,00010,00010,00010,00010,00010,00010,00010,00010,00010,00010,000
日中使用割合 20%20%20%20%20%20%20%20%20%20%20%20%
日中電気使用量 80.280.280.280.280.280.280.280.280.280.280.280.2
売電量 938.5921.11,031.11,125.41,163.0944.01,045.71,175.8898.0874.7789.1867.0
発電量の計算式
発電量の計算式

標準日射強度:1,000kW/m²

念のため、当社のシミュレーションでほぼ同条件で計算してみたところ93.5万円の黒字となりました。
設置したメーカーや設置前の電気料金がわからないので完全に同じ条件は再現できないのですが、それほど間違ってもいないと思います。

ダイヤモンドの記事では実際に設置した売電収入や電気代を元に計算しているためメリットが大きくでているようです。
一般的には、設置前のシミュレーションでは硬めに見積もることが通例ですので、シミュレーションよりも良い実績がでることがほとんどですが、この方は大分良い発電量が出ていると思います。

※こちらのシミュレーションページでは売電価格は最新のものしか選択できません。悪しからず。

まとめ

ダイヤモンドのような有名な雑誌でも、このような間違いを大々的に公表してしまうことがあるのかと、正直驚きを隠せません。

ダイヤモンドが作為的にこのような書き方をしたのかは正直わかりませんが、太陽光発電の収支シミュレーションを、「わざとメリットが少ないように見せる」ケースは珍しく、戸惑って何回も確認してしまいました。

どちらかというと太陽光発電業界では、悪徳営業マンが収支を上乗せして「わざとメリットが大きいように見せて高額で販売する」ケースの方が多いです。
太陽光発電の購入を検討している方や既に提案を受けている方はぜひ以下の記事をお読みいただき、注意していただきたいと思います。

追記

計算内容についての問い合わせが多かったのか、ダイヤモンドが追記として、以下の説明を掲載しました。
SNSなどでも、きちんと理解している方が誤りを指摘しているにもかかわらず、訂正しないのが驚きです。

 本記事公開後、P.5の試算を説明した図版に関して、なぜ費用に「電気料金」を加味しているのかとのご質問を複数いただきましたので、補足します。

 

試算を担当したファイナンシャルプランナーの横山晴美氏は、今回は「家計目線」で投資回収ができているのか、「収入」と「費用」のバランスを見て試算を行なっています。つまり、導入した場合としなかった場合の比較ではなく、実際に太陽光を導入した後の収入と支出でどれくらい儲けが出て、回収できているのかの試算です。

 その際のポイントは下記の2点になります。

 (1)太陽光発電を導入したことによる売電収入と光熱費負担軽減額(従来の光熱費と太陽光発電導入後の電気料金の差額)を収入として計上する。
 (2)一般的に、太陽光発電を導入してもそれだけでは家庭内で使用する全ての電力量を賄うことは出来ない。そのため、従来のように電力会社から電気を購入しなければならず、毎月電気料金を払うことになる。これを費用として計上する。

 

そのため、計算式は以下のようになります。(よりわかりやすくするため、収入の式の順序と表現を変えました)

(収入) 売電収入+(設置前の光熱費-現在の電気料金)
(費用) 初期費用+現在の電気料金

 太陽光発電を導入しても依然として生じる月々の電気料金は、投資回収を遅くするコストと位置づけられ、費用として計上すべきです。

 一方、投資回収がどの程度進むかは、光熱費負担軽減額(設置前の光熱費-現在の電気料金)に大きく左右されます。月々の電気料金を下げることは、毎月の収入が増えることを意味します。

 以上のことからも、投資回収の鍵を握るのが「月々の電気料金」であることがわかります。

住宅用太陽光発電の誤算、「10年で投資回収」は大ウソだった|ダイヤモンド・オンライン (p.7)

「導入した場合としなかった場合の比較ではなく」と説明されていますが、それならばこの記事は投資回収の話ではないので記事タイトルを「10年で投資回収は大ウソだった」とするべきではありません。
また投資回収の話ではないのであれば、「実際に太陽光を導入した後の収入と支出でどれくらいの儲けが出て、回収できているのかの試算」をする必要もありません。

ダイヤモンドからの追記でも訂正が行われず、本当に残念です。
太陽光発電に反対派の方がいるのは全然かまわないのですが、誤った情報で世の中を混乱させることだけは、本当に止めてほしいと思います。

すでにかなり拡散してしまっていますが、一刻も早く訂正していただくよう願うばかりです。

追記2

今回解説したAさんも間違いが多かったのですが、もうひとつのBさんの事例のほうがさらに多くの間違いがあったので、第2弾を書きました。
こちらもよろしければご確認ください。

まだある!ダイヤモンド記事の間違い指摘第2弾はこちら solar-partners.jp
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