【2024年】太陽光発電の投資はもう遅い?失敗しないための注意点 メリットデメリットも専門家が解説
この記事では、
「投資用太陽光発電は今さら遅いのかな?」
「太陽光発電の投資は失敗している人はいないのかな?」
「株や不動産と比べてお得なのかな?」
という疑問にお答えします。
以下3点をわかりやすく解説しました。
- 太陽光発電投資のメリットデメリット
- 住宅用太陽光発電と投資用太陽光発電の違い
- 2024年太陽光発電投資で失敗しないための注意点
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住宅用太陽光発電と投資用太陽光発電の違い
住宅用の太陽光発電も家では使い切れなかった余った電気を電力会社に売って売電収入を得ることができるので、投資と言えます。
一番大きな違いは、住宅用太陽光発電は電気代の削減が主目的であることです。
自宅に設置するので停電時にも利用できたり、夏場の2階部分の温度を下げたりと、売電収入以外の目的が多くあります。
また、投資用太陽光発電は太陽光発電システムを設置するための土地も購入することがセットですが、住宅用太陽光発電システムは自宅の屋根に設置するのでその分の費用がかかりません。
設置不可の家じゃない限り、一戸建てにお住いの方は太陽光発電は付けた方がいいと思います。せっかく屋根があるのにもったいないです。
住宅用太陽光発電の投資効果や相場価格はこちらの記事で詳しく解説しています。
2024年度は投資用太陽光発電には向いていない
2024年案件が太陽光投資に向いていない理由①
売電単価が安い
2024年度の10kW以上50kW未満の売電単価は10円です。
10年前の2012年に始まったFITですが、当初は40円でスタートしましたので3分の1以下になっていますので如何に安くなったかがわかると思います。
太陽光発電システムは合わせて安くなってきていますが、さすがに3分の1にはなっていません。
2024年案件が太陽光投資に向いていない理由②
全量買取できない
2024年度の10kW以上50kW未満の投資用太陽光発電は売電価格が安いだけではなく、もう1つ投資に向いていない理由があります。
それは2020年度より一定の量は売電に回すのではなく自家消費することが義務付けられたからです。
基本的には3割を自家消費しなければならず、実質的に使われていない安い土地に野立ての太陽光発電を設置して全量売電をするということができなくなりました。
50kWもの太陽光を設置して、その発電量の3割を消費できる施設があるということは工場などがない限りほぼ不可能となっています。
2024年度に失敗・後悔しない太陽光発電投資
失敗・公開しない太陽光発電投資①
FIT認定されている案件を買う
2024年度の太陽光発電は投資に向いていないと言いましたが、2024年度が太陽光発電投資に向いていないということではありません。
全量買取が可能な最後の2019年度などの売電単価(14円)の権利を取得済みで、あとは設置工事をするだけという物件がまだあります。
これらを購入するということであれば充分投資対効果を得られると思います。(もちろん十分な事前確認、自己責任でお願いします。)
失敗・公開しない太陽光発電投資②
中古物件を買う
全量買取が可能な最後の年度である2019年度は、それでも売電単価は安くなっており14円ですが、もっと売電単価が高かった時期の中古物件が売りに出ています。
投資用太陽光発電の固定買取期間は20年と長いですので、残りの期間と売電収入、そして売り出し価格を精査して割に合うようであれば中古物件の購入は、新規物件を買うよりもリスクは低いです。
なぜなら予想発電量ではなく実績としての発電量で計算ができること、実際にできあがった現地現物を確認することができるからです。
そんな良い投資案件がなぜ売りに出ているのか?と疑問に思うかもしれませんが、法人が減価償却を利用した節税目的で投資用太陽光発電を購入しているケースは多く、その減価償却期間を終えた物件が売りに出されていることがあります。
個人案件はそれぞれの事情が違うと思いますので、なぜ手放すのかをしっかりと探った方がいいと思います。
失敗・公開しない太陽光発電投資③
自家消費物件にする
これは個人の方ではほぼ不可能なので法人限定の話ですが、上に書いたように自家消費3割という要件をクリアできるなら新規の太陽光発電設置もお勧めです。
そして工場など電気を昼間にたくさん消費している場所の屋根に設置する場合は、現在購入している電気の買電単価との兼ね合いですが、全て太陽光発電で発電した電気を工場などで消費する(自家消費100%)ということが最近は主流になっています。
発電した電気を全て発電した場所で使うので、送電網への負担もなく、電気ロスもありません。なにより昨今高騰している電気代を購入しなくてよくなるうえに、脱炭素社会への貢献ということで世間的な受けも良いので導入が進んでいます。
太陽光発電投資のメリット
メリット①
収入が途絶えるリスクが低い
太陽光発電投資の収入は、発電した電気を電力会社に売って得る売電収入です。
売電量は発電量と正比例しますので、当然のことながら日単位、月単位で見ると大きく上下します。年単位でで見ても多い年、少ない年が出てきますが、太陽光発電の予測発電量は国が定点観測していくれている各地域の過去30年間の方位別、角度別の平均日射量を元に計算しますので非常に精度が高いですので、計算が間違っていなければ上振れこそすれ下ぶれることがほぼありません。
なぜなら太陽は過去何万年もいなくなったことがないからです。不動産投資などは空室リスクがありますが、太陽光発電投資には太陽がなくなる、=収入が途絶えるというリスクがありません。
メリット②
投資コストが比較的安い
設備を買って定期収入が入ってくる投資ということで、不動産投資と太陽光発電投資はよく比べられますが、不動産投資に比べて太陽光発電投資の初期投資は少なくて済みます。
決して安い金額ではないですが、大半は1,000万円台です。
不動産投資で1,000万円台となると小額の部類に入りますので、手軽と言うのは違いますが、ローンを組んで購入するにしてもリスクは低く抑えれられることもメリットの1つです。
メリット③
FITという国の制度で保証された投資
メリット1の太陽の光を元にした投資なので、太陽がいなくならない限り収入が途絶えることがないという話と少し被りますが、発電した電気を固定価格で20年間電力会社に確実に売ることができるのは固定価格買取制度(FIT)という国の制度があるからです。
株は毎日値動きしますし、不動産投資も賃料はその時の経済情勢などにも影響されますが、太陽光発電投資は国の制度で一度権利を獲得した売電単価は20年間変わることはありません。そういう意味では極めてローリスクの投資だと言えます。
太陽光発電投資のデメリット
デメリット①
天候・自然災害による不具合・故障・倒壊
国が崩壊、太陽がなくなる事以外売電収入が途絶えることはないので非常にリスクが低いとメリットとして書きましたが、売電収入が途絶える可能性があるのが太陽光発電システムが壊れた場合です。
昨今、特に山の斜面などに安普請で設置された太陽光発電システムががけ崩れで壊れる、がけ崩れ自体の原因ではないかと疑われたりというニュースがあります。
山の斜面でなくても、台風などの大雨、強風によって太陽光パネルをささえている架台ごと倒壊するケースは後を絶ちません。
初期投資の安さばかりを気にして、20年間風雨に耐えられる設計がなされず設置されていない案件を購入してしまった場合は、後悔をすることになりますのでご注意ください。
デメリット②
出力抑制(出力制御)
太陽光発電の売電収入が途絶えるリスクとしてもう1つ、出力抑制(出力制御)があります。
これは年間360時間の範囲内では無補償で電力会社からの要請にしたがい、太陽光発電システムの発電を抑制する、つまり売電ができなくなるという制度です。
野立ての太陽光発電システムの普及が進むに連れ、昼間の発電が多過ぎて、火力発電などを停止されても利用量よりも発電量が多くなってしまい太陽光発電システムにも出力制御の要請がくるということが九州電力管内ではたびたび発生しており、今後も増えることが予想されています。
対策としては、それ専用の保険に加入すること、一定の出力抑制を見越して発電シミュレーションを行い、それを踏まえた上で投資メリットを計算し購入することが考えられます。
デメリット③
20年後がわからない
国の制度である固定買取価格制度(FIT)は20年間の固定買取を義務付けていますが、それ以降のことには言及していません。
ですので現状では、設置から20年たった投資用太陽光発電システムで発電された電気がどのような扱いになるのかはわかっていません。
今の全世界的な脱炭素社会の流れの中で、せっかく再生可能エネルギーである太陽光発電で生み出される電気を垂れ流すということは正直考えにくいのですが、一番早くて2032年と今から10年後と先の話なので如何せんわかりません。
参考になるのは、住宅用の太陽光発電システムは10kW以上の投資用と違い、全量買取ではなく自宅で消費し余った電気だけの余剰買取、かつ10年間の固定買取期間ですが、この10年の固定買取期間が終わったシステムが2019年11月より続々と出てきています。これらのシステムで発電されて電気は今どうなっているかというと、価格は下がれこそすれ、各電力会社と相対・自由契約にてこれまで通り売電が続けられています。
おそらく10kW以上の投資用太陽光発電も同様な動きになると予想しています。
株投資と不動産投資と太陽光発電投資について
私は新卒で入った会社がマンションデベロッパーということ、そこの同期が創業した会社に転職して上場を経験したことから、株投資と不動産投資の両方を行っています。自分の家にはもちろん太陽光発電は付けていますが、ここで言う完全投資用の土地に設置するタイプの太陽光発電投資は行っていません。
インカムゲインとキャピタルゲイン
投資にはインカムゲインとキャピタルゲインがあります。
インカムゲインはその資産をもつことで定期的に入ってくる利益のことを差し、銀行にお金を預けた場合の利息などがそれにあたります。
キャピタルゲインはいわゆる値上がり益のことで、その保有している資産が購入した時よりも高値になった時に売却したその差額になります。
株投資と太陽光発電投資の違い
株の投資は、配当及び株主優待でのインカムゲインを得つつ、株の値上がりによるキャピタルゲインを狙う投資です。
配当利回りや優待利回りがかなり高い株もあり、インカムゲインを意外と得ることができる上に、キャピタルゲインも狙うことができること。
また小額から投資できるので一番人気がありますが、やはり一番怖いのは保有しいている資産である株自体の値下がりが起きる可能性があるということです。最悪100万円で買った株が、1万円になってしまうという事も起こり得ます。
太陽光発電は売電収入のインカムゲインを得る投資です。
株のようなキャピタルゲインを狙うことはできませんが、逆に1000万円で買った太陽王発電システムが翌日に100万円になってしまうというような恐ろしいことは起きません。
不動産投資と太陽光発電投資の違い
不動産投資も、家賃収入でのインカムゲインを得つつ、保有物件の値上がりによるキャピタルゲインも期待できる投資です。
キャピタルゲインは物件の目利きが重要になってきますが、どのような物件でも株のような大幅値下がりはないのでその点のリスクは低いです。
ネックは賃貸者が出て行ってしまった時に、すぐ次の賃貸者を探さないとインカムゲインが途絶えてしまうことです。
その点、太陽光発電投資は賃貸者のように太陽がいなくなるということありませんので、インカムゲインが途切れるリスクは非常に低いです。ただ台風などの自然災害などによる倒壊などによって売電収入が途切れるリスクがあります。
太陽光発電投資をやらない理由
自宅に住宅用の太陽光発電システムは設置していますが、10kW以上の投資用太陽光発電は購入していません。その理由をよく聞かれますのでこの機会にここで整理しておこうと思います。決してネガティブな理由ではなく私の趣味嗜好の話です。
私がやらない理由①
住宅用の太陽光発電が好き
ソーラーパートナーズは「住まいのプロに誇りを 暮らす家族に喜びを」というミッションのもと事業を行っていますので、事業領域を住宅に絞っています。2012年に全量買取が始まった時から興味がわかず、正直なところ野立てなどの投資用太陽光発電については詳しくありません。
私がやらない理由②
キャピタルゲインが狙えないので面白くない
株も不動産もインカムゲインを得つつ、キャピタルゲインを狙う事ができます。当然リスクはありますが、逆に面白さでもあります。
太陽光発電投資は堅実なインカムゲインを得る投資なので、あまりワクワクしないというのが正直なところです。
私がやらない理由③
マメな性格ではない
雑草対策や、自然災害、強風など、発電量が低下するリスクがあるため、何か不具合が起きた時には迅速な対応が必要ですので日々の発電量チェックが欠かせません。
これが自分には難しいなと感じているのが一番の理由です。株も不動産もある程度放ったらかしにしておくことができるので、投資のことで日々頭を悩ます必要はありませんが、太陽光発電投資はそうはいきません。自分にはそのようなマメさはないので合わないなと思っています。
私がやらない理由④
自宅のそばにない
私はいま東京に住んでいますが、投資用太陽光発電を設置できるような格安の土地は東京近郊にはなく、今売り出されている案件を見ても九州や北海道など飛行機に乗らないといけないところばかりです。
購入前の現地調査や、不具合対応なども含めて、パッと行ける距離にないというのも買わない理由の一つです。
まとめ
10kW以上の投資用太陽光発電ということで書いてきましたが、10kW未満の住宅用太陽光発電も同じように投資的な意味合いがあります。
しかし初期投資の規模的には約10分の1で済みますので、まずはご自宅が一戸建ての方はまずは住宅用の太陽光発電を設置して、現地現物を確かめた上で、ステップアップとして10kW以上の太陽光発電に投資するという流れが安心だと思います。
しかしくれぐれも、投資は自己判断でお願いいたします。