太陽光発電見積もりの発電量詐欺が頻発!日照時間で発電量の計算は100%できない

PEXELS

日照時間から発電量を計算しているシミュレーションは100%「嘘」です

シミュレーションで一番重要なのは正確な発電量予測

太陽光発電の検討を始めると、まず誰もが気にするのが

「電気代がどれぐらい削減できる?」
「売電金額は?」
「何年で元がとれる?」

ということだと思います。

いずれの質問も、回答するためには「予測発電量」を正しく計算する必要があります。
にもかかわらず、でたらめな計算式で発電量を算出している業者が後をたたないのが現状です。

こんなシミュレーションは要注意

特に、悪質な業者間で流行しているのが、
日照時間をもとに発電量を誇張したシミュレーション」による営業手法です。

結論から言うと、「日照時間」からは発電量を計算することはできません。

業者からもらったシミュレーションに「日照時間」というキーワードが含まれていた方は でたらめな計算式になっている可能性が高いので、必ずここから先も目をとおしてみてください。

日照時間から算出されたおかしなシミュレーション

右の画像は、実際に訪問販売の企業が提示していた、「日照時間をもとに発電量を誇張したシミュレーション」です。

どのようにでたらめなのか、実際に内容をみてみましょう。

パネル容量の記載は問題なし

システム容量

まず一番上の行に、 295W×20枚=5.9kW/システムとあります。 

これはパネル容量を表していますので全く問題ありません。

なぜか日照時間をもとに一日の発電量を計算している

でたらめな日照時間の計算

次に「5.9kW/時×4.2時間(秋田県レベル)=24.78kWh/日」とあります。
パネル容量に日照時間をかけることで発電量が計算されています。

ちなみに(秋田県レベル)と書かれていますが、このお客様は静岡県の方でした。
にもかかわらず(秋田県レベル)と書かれているのは、
日照時間の短い秋田県の条件にあわせて、控えめに計算していますよ
ということなのだと思います。

日照時間から算出した年間予測発電量9,036kWhはさすがに多すぎる

でたらめな月間発電量の計算

その下には「×365日/12か月=753kWh」と書かれており、月間予測発電量が753kWhと示されています。

月間753kWhということは年間9,036kWh。これはかなり多い数字です。

   

日射量から算出した正しいシミュレーション

日射量から算出した適切な年間予測発電量だと7,597kWh

比較材料として、正しい計算方法で発電量を試算してみました。

メーカーはパナソニックで同容量、すべてのパネルが南面への設置だと仮定しても年間予測発電量は7,597kWhでした。

今回のお客様がご提案されていたのは某海外メーカーで、実際にはパナソニックの方が発電量は多くなるはずです。
しかし反対に、日照時間をもとに算出したシミュレーションに比べて、1,439kWhも少なくなってしまいました。

パナソニックで同容量と家庭したシミュレーション

寄棟屋根なので発電量は少なくなるはず

方位による発電量の違い

また、日照時間から算出したシミュレーションの設置環境は四方を向いた寄棟屋根でした。
パネル配置図や図面はご提供いただけなかったため、どのように設置されているのかはわからなかったのですが、 おそらく東西面にも設置されているプランだと思います。

東西面に設置した場合、南面に比べて85%程度と、発電量は少なくなります。

にもかかわらず、南面のみに設置をした場合よりも予測発電量が多くなるのはどう考えてもおかしいです。

発電量の計算に不可欠な「日射量」と「各種ロス」

あまりにもでたらめなシミュレーションでつっこみどころしかないのですが、
大きく分けると2つのポイントに集約されます。

発電量の計算に不可欠なポイント1 「日射量」

当然と言えば当然ですが、太陽光発電は日射量に応じて発電量が決まります。
日射量とはわかりやすく言うと、光の強さ×面積×時間です。

先ほどのシミュレーションでは予測発電量が「システム容量×日照時間」で計算されており、あたかも陽があたっているときには、常に一定の発電量であるかのように計算がされています。 

ところが真夏と真冬、晴れの日と曇りの日でまぶしさが違うように、実際には日射量は常に変化しています。
当然それに伴い発電量も常に変化します。

もちろん地域によっても日射量が変わるので、その点も考慮する必要があります。

発電量の計算に不可欠なポイント2 「各種ロス」

このシミュレーションでは「システム容量×日照時間」と非常にシンプルなロジックで発電量の計算がされていますが、
実際には「パワーコンディショナーの発電量ロス」「温度上昇によるロス」など、いくつかの発電量を損なう要因があります。

このシミュレーションでは「各種ロス」がまったく計算されていません。

発電量を計算するには「日射量」が必要

NEDO(独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)が発行している太陽光発電導入ガイドブックに、太陽光発電の発電量の計算式が以下のように記載されています。

年間予測発電量の算出

そのシステムの年間予測発電量(kWh/年)は、次の式で概算できる。ただし、実際の日射量は、平年値とは異なることもあり、さらに、設置環境(影などの影響)や採用する機器により損失係数が異なることなどの要因があるため予測発電量は、あくまでも目安です。

Ep = H × K × P × 365 ÷ 1

Ep: 年間予想発電量(kWh/年)
H: 設置面の1日あたりの年平均日射量(kWh/m²/日)
K: 損失係数・約73%(モジュールの種類、受講面の汚れ等で多少変わります。)
 ・年平均セルの温度上昇による損失・約15%
 ・パワーコンディショナによる損失・約8%
 ・配線、受光面の汚れ等の損失・約7%
P: システム容量(kW)
365: 年間の日数(日)
1: 標準状態における日射強度(kW/m²)

出典: NEDO 技術開発機構太陽光発電導入ガイドブック

予測発電量を計算するには、まずは「日射量」を把握することが必要だとわかると思います。

シミュレーションの算出方法については下の記事に詳しく書かれていますので、是非一度ご自身でも計算してみてください。

また、ソーラーパートナーズでは各設置場所、設置条件ごとの日射量に対応した太陽光発電シミュレーションソフトを用意しております。

当社にお見積もり依頼をいただいた方には、詳細な条件設定が可能なパスワードも公開しております。

まとめ

「日照時間」から算出したシミュレーションがなぜおかしいのか、ご理解いただけましたでしょうか。

このように、でたらめなシミュレーションによって、太陽光業界全体のイメージを損なうことになるのは、同業者としては強い憤りを感じます。
しかし残念ながら、このようにメリットを誇張する企業に限って、言葉巧みに営業をして、契約してしまう方が多いのが現状です。

少なくとも、この記事を読んでいただいた方だけでも、騙されて契約することがないよう、切に願います。

また、シミュレーションの信ぴょう性を確かめる最も簡単な方法は、複数社の提案比較をしてみることです。
当社認定企業でもご提案が可能ですのでご希望の方は下記フォームよりご依頼ください。

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(2017年10月23日更新)

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