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太陽光パネルの廃棄・リサイクルの実態。撤去費用はいくら?

太陽光発電は、いずれ撤去する時が来る

太陽光パネルの寿命は20年~30年、あるいはそれ以上とも言われていますが、一度屋根に設置したら、いずれ撤去する日がやってきます。
その長い製品寿命を考えると、多くの設置者にとっては「まだかなり先のこと」になるかもしれません。
場合によっては予期せず突然撤去しなければならなくなる事態も想定されます。

そのような状況に備えるため、今回は、実際に撤去する際のいくつかのケースを具体的に考えてみましょう。
なお、今回は特に、住宅用太陽光パネルが一般的な住宅の屋根に設置された後、撤去されることを想定しています。

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太陽光パネルを撤去するのはどういう時?

さて、実際に太陽光パネルを撤去するケースとして、どのようなものが考えられるでしょうか?
撤去の原因として考えられるのは、以下の3つです。

  1. 住宅解体
  2. 故障や不具合
  3. 自然災害等による落下・破損

1.「住宅解体」等に伴い、撤去されるケース

住宅の建て替えやリフォーム、解体等に伴う撤去です。
太陽光パネルが長期に渡って順調に稼働した場合を想定しています。
住宅用の固定価格買取制度では買取期間が10年となっていますが、その10年が経過した後も自家消費によるメリットが継続します。
基本的には20~30年といった長期スパンで使い続ける人が多いと考えられます。

2.「故障や不具合」等に伴い、撤去されるケース

残念ながら太陽光パネルに故障や不具合等が発生し、それに伴う交換時の撤去です。
場合によっては設置後数年で撤去ということも起りうるかもしれません。

3.「自然災害等による落下・破損」に伴い撤去されるケース(家主自身が取り外すケースを含む)

地震や落雷、台風等の突発的な自然災害等によって落下・破損し、撤去を余儀なくされるケースです。
稀なケースですが、災害時の事を想定しておく必要があります。

太陽光パネルは誰が撤去し、「誰が」「どのように」処理するのか?

ところで、そもそも太陽光パネルを撤去するのは誰なのでしょうか?

このことは一般的にはあまり明確に認識されることはなく、「別に誰でも良いのでは?」と思ってしまいますが、誰が撤去するかによって撤去した後の対応が変わってくる可能性があります。
さらに、撤去者の違いによって法律上の廃棄物としての扱いが変わるので、重要です。

そして、撤去者が誰になるかは、撤去時の状況によって異なります。
前節で取りあげた3つのケースで具体的に考えてみましょう。

1.「住宅解体」等に伴い、撤去されるケース

住宅解体時に太陽光パネルも同時に撤去する場合は、通常、解体業者が排出者(法律上の、ゴミを出した人)になります。
この場合、太陽光パネルは、いわゆる「産業廃棄物(産廃)」として扱われます。

法律上、撤去後は排出者である解体業者が責任をもって処理することになっていますので、家主として気にすることはほとんどないかもしれませんが、ここでは、撤去された後の流れについても少し触れてみたいと思います。

解体業者が撤去されたパネルの回収を他の業者に依頼することも考えられますが、解体で発生したその他のゴミとともに、解体業者が持ち帰るケースも多くあります。

どこに依頼するかは色々と考えられますが、基本的には産業廃棄物の中間処理業者に持ち込まれ、選別や破砕等が行われた後、最終的に、金属やガラス等の一部はリサイクルされ、残りは埋立に回ることがほとんどでしょう。

現状の典型的なフローを以下に示します。

図1 住宅解体等に伴い撤去された太陽光パネルの現在の処分フローの一例

2.「故障や不具合」等に伴い、撤去されるケース

不運にも、設置した太陽光パネルが途中で故障したり不具合が起きてしまい、撤去・交換を余儀なくされるケースです。

一般的には家主自ら屋根に上って取り外すことはなく、設置した時と同じ施工業者もしくは販売業者が撤去するものと考えられます。
この場合、製品不良等で撤去・返送されたパネルをパネルメーカーが処分する場合には、メーカーがゴミの排出者となり、それ以外の場合で施工業者が自ら処分する場合は、施工業者が排出者となります。

いずれにせよ、『1.』のケースと同じく「産業廃棄物」になります。
法律上、メーカーや撤去した施工業者が責任をもって、撤去されたパネルを処分します。

ここでも典型的なフローを見てみましょう。
パネルの撤去者やゴミの排出者が異なる以外はほぼ『1.』のケースと同じです。

図2 故障・不具合等に伴い撤去された太陽光パネルの現在の処分フローの一例

3.「自然災害等による落下・破損」に伴って、撤去されるケース(家主自身が取り外すケースを含む)

最後に、地震や落雷、台風等で設置したパネルが落下・破損したことに伴い、撤去するケースを考えます。

もし、パネルが既に落下していた場合、屋根から下ろすよう施工業者に依頼する必要はありません。
パネルを新たに買い換えようとする場合には、施工業者に処分の相談もできるかもしれませんが、そうでない場合は、家主自ら撤去・処分しなければならない状況も起こり得るでしょう。

このようなケースでは、法律上、これまで見てきたような「産業廃棄物」ではなく、通常の家庭ごみと同じ区分である「一般廃棄物」として扱われます。(『1.』や『2.』のケースにおいても、パネルを業者ではなく、家主自ら屋根に上って取り外したケースでは、同様に法律上の区分は「一般廃棄物」となります。)

法律上の細かい話になりますが、パネルとしては同じ「モノ」でも、一般廃棄物を処分するための許可は、産業廃棄物を処分するための許可とは別に取得しなければならず、これまでみてきたように、一般廃棄物についての許可を持たない産廃業者に依頼するわけにはいきません。

さて、困ったということですが、こういった場合は、各市区町村によって対応が異なりますので、ご自身で判断せず、お住まいの市区町村のゴミの担当窓口に相談することをお勧めします。
少なくとも、何の連絡もなしに、いつものゴミ収集場所にパネルを置いておいても、収集業者は持って行ってくれないでしょう。

図3 家主自ら撤去する場合の太陽光パネルの現在の処分フローの一例

太陽光パネル廃棄方法 今後の動向

本節では現状考えられる、3つの主な処分フローを示しました。
ただ、現在、廃棄物として排出されている太陽光パネルの量はごくわずかです。

固定価格買取制度がスタートしてまだ約10年しか経っていないため、当たり前と言えば当たり前です。

このため、太陽光パネルの撤去・回収・処分のルートが現時点で確立しているわけではありません。
今後の廃棄物増加や、処分・リサイクル技術の開発状況、あるいは資源価格の状況等によっても、処分フローは変わってくる可能性があります。

政府見通しでも、本格的に太陽光パネルが廃棄物として出てくるのは、少なくとも2030年代以降と考えられていますので、その時までに政府、あるいはパネルメーカーが何らかの手を打ってくるかもしれません。

例えばそれは、現在、テレビや冷蔵庫、洗濯機等の廃棄物に適用されている家電リサイクル法のようなものかもしれませんし、各パネルメーカーが自主的な取り組みとして、独自に処分・リサイクルルートを構築するのかもしれません。

太陽光パネルの撤去費用の考え方

ここまで、パネルの撤去・処理フローを見てきましたが、撤去時の費用はどのくらいを見込んでおけば良いでしょうか?

前節の撤去・処理フローを見ていただければわかるように、パネルは撤去された後も様々な業者が関わって、最終的に処分・リサイクルされます。

不良品返送等の場合を除き、基本的には、家主がこれらの費用を全て負担することになるのですが、費用の性質上、

  • 撤去費用(パネルを屋根から下ろす費用)
  • 撤去以降の処分費用

とに分け、それらの合算として考えた方がスッキリするでしょう。

理由は、前者の撤去費用については、主に人件費になりますので、誰がやっても大きく変動することはありませんが、後者の処分費用については、パネルの状態や地域、持ち込み先業者、資源価格等によって大きく異なる可能性があるからです。

例えば、解体時にミンチ解体(分別しない解体)としてパネルをその他の解体ゴミと一緒にしてしまうと、処分費用は一般的に高くつきます。

反対に、一連の処分の過程で、銀やアルミフレーム等の金属資源回収が適切に行われると、それらは売却できるので、処分費用としては安くなるでしょう。
資源価格の影響も受けます。

また、地域によって埋立処分場に全く余裕がないようなところでは、処分費が高騰していることも考えられます。
事前に複数の業者から見積もりをとってしっかり内容を吟味する必要があるでしょう。

具体的な太陽光パネルの撤去費用は?

具体的な費用ですが、撤去に関しては、多く見積もっても10万円を見ておけば問題ありませんが、処分については、現状ではケースバイケースです。
参考までに、以前ソーラーパートナーズが産廃業者に見積もりを取ったケースですと、パネル20枚で運搬も含めて5万円あればおつりがくるということでした。
参考:

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パネルを撤去する10年後、20年後にどのような技術が登場し、どのような市況で、どのような費用になっているかはまだわかりませんが、少なくとも現時点では撤去10万円+運搬・廃棄5万円の合計15万円ほど見ておけば問題ないようです。

国は産業用の放置・不法投棄を懸念

ちなみに、現在国が放置・不法投棄を懸念しているのは土地に設置された太陽光発電です。

まず、廃棄処分にはコストがかかるため、実質的に事業が終了していたとしても、その土地にそのままパネルを放置されるということが考えられます。

また、パネルが放置されなかったとしても、他の土地に不法投棄されるということも十分考えられます。

一方で建物に設置された太陽光パネルは建物の撤去と一緒に廃棄されるのが一般的と考えており、特に心配はしていないようです。

また、土地への設置でも借地に設置される設備については、原状復帰義務があるため放置の心配はないと考えています。

廃棄費用の積み立て義務化について

2019年2月現在、経済産業省資源エネルギー庁では、10kW以上の全ての太陽光発電に対して、廃棄費用の積み立てを義務化するための施策を検討中です。

基本的には外部期間が源泉徴収的に廃棄費用を差し引く「外部積み立て」を基本とする方針で議論が進んでいます。

対象が10kW以上に限定される理由は、住宅屋根に設置する太陽光発電は住宅の取り壊し時にまとめて廃棄される可能性が高いため、別途廃棄費用を積み立てる必要はないと考えられるためです。

住宅用太陽光発電を導入、検討している方は一安心ですね。

廃棄費用の積み立て義務化については、また制度に動きがありましたら追記いたします。

太陽光パネルのリサイクルが可能な企業

一般社団法人太陽光発電協会(JPEA)が太陽電池モジュールのリサイクルが可能な企業の一覧を公開しています。

リサイクル可能な企業をお探しであればご確認ください。

太陽電池モジュールの適正処理(リサイクル)が可能な産業廃棄物中間処理業者名一覧表|一般社団法人太陽光発電協会(JPEA)(外部リンク)

まとめ

今回はパネルの撤去というテーマでお届けしました。
以前、太陽光発電のシンポジウムに登壇させていただいたのですが、ご一緒した北九州産業学術推進機構の野田松平参与のお話では、太陽光パネルは95%以上のリサイクル率が既に達成されているとの事でした。
ただ、実用化に向けての一番の課題は、廃棄パネルの安定供給および、その回収方法にあるとの事でした。

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もちろん、リサイクル技術の研究開発等は現在も地道に行われていて、将来、効率的な資源回収の仕組みが構築できれば、埋立が減り、処理費用の低減にもつながることでしょう。
さらに、廃棄物として一定のボリュームが出てくれば、単位当たりの処分・リサイクルコストも下がるので、大きなトレンドとしては、費用は安くなる方向と言えるのではないでしょうか。

注)本記事中では単純化した3つのケースで廃棄物の扱いをご紹介しましたが、実際の対応は自治体によって異なることも想定されますし、ケースバイケースです。
パネルの処分方法がわからない場合は、まずはお住まいの市区町村のゴミ処理担当部署にご相談ください。

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