太陽光発電にメンテナンスは必要?メンテナンス費用の相場はどれくらい?

かんたんに言うと…
  • 国は太陽光発電はメンテナンスフリーではないと考えている。
  • 平均的な太陽光発電4.2kWのメンテナンス費用は20年間で30万円
  • 内訳は20年間で定期点検2万円×5回、保証期間外のパワコン交換20万円×1回
つまりメンテナンス費用は1kWあたり年間3,600円を貯金しておけば大丈夫です。

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太陽光発電にメンテナンスは必要?メンテナンス費用の相場はどれくらい?

Wayne National Forest Solar Panel Construction by Wayne National Forest, on Flickr

住宅用太陽光発電にメンテナンス費用はかかるのか?

基本的に、メンテナンスフリーと言われる太陽光発電ですが、実は、毎年の買取価格(売電価格)は、メンテナンス費用がこれくらいかかるだろうということも考慮された上で、決められています。
このことは、10kW未満の住宅用についてもあてはまります。
では、ここで言う「メンテナンス」とは具体的に何を指しているのでしょうか?

次年度の買取価格を決めるために、経済産業省の「調達価格等算定委員会」が毎年開催されていますが、当委員会の資料によると、メンテナンス費用は、

  • 「定期点検費用」
  • 「パワコンの交換費用」

の2つに分類されています。
それぞれ詳しく見てみましょう。

定期点検費用について

まずは定期点検にかかる費用からです。

ここで言う「定期点検」は、長期にわたる発電量の維持と安全性確保の観点から、定期的に行われることが「推奨」されているものであり、法的な「義務」が課されているわけではありません。

しかしながら、基本的にメンテナンスフリーとは言え、太陽光発電は屋根に設置する電気工作物です。
長期間運用していると、過酷な気象条件や自然災害の影響等も少なからず受け、電気的な不具合や、設置状況が不十分になることも考えられます。
長期間安心して運用するには定期点検を実施した方が良いですよ、ということですね。
国も定期点検を推奨する立場から、定期点検をしっかりと費用に盛り込んだ上で、買取価格を決めていますから、是非設置される方は定期点検を積極的に実施したいところです。

定期点検の具体的内容

それでは、定期点検では具体的にはどのようなことをするのでしょうか?

太陽電池メーカー等で構成される、一般社団法人太陽光発電協会(JPEA)は、住宅用太陽光発電の定期点検に関してガイドラインを定めています。
業界のガイドラインなので、拘束力はなく必ずしもこれに従う必要はありませんが、標準的な点検項目と考えられるので、ここではその概要を紹介したいと思います。

表1に記載の通り、定期点検では、太陽電池や接続箱、パワコンについて、

  • 目視
  • 電気的な測定

を通して問題がないか確認します。

冒頭の資源エネルギー庁の資料では、定期点検の頻度は、4年毎に1回以上、費用は1回当たり2万円程度が一般的な相場とされています。

出典:「太陽光発電システム保守点検ガイドライン【住宅用】」について.pdf p.3/5

パワコンの交換費用

パワコンは太陽電池で発電した直流電力を交流に交換する装置ですが、太陽電池とは異なり、普通に運転していても自然に機械的な摩耗等が発生するため、ある程度の期間が経つと、交換する必要があります。

資源エネルギー庁の資料では、実態として、稼働する20年に一度は交換され、その費用は平均20万円とされています。

結局、年間のメンテナンス費用はいくら?

ここまでで、定期点検費用は1回当たり2万円程度、パワコン交換費用は1回当たり20万円程度であることを見てきました。
これらを元に、年間の費用を計算しようと思いますが、年間のメンテナンス費用は、この2つの合計値で良いのでしょうか?他に考慮すべき費用はないでしょうか?

定期点検、パワコン交換費用以外にも、運用中、機器に思わぬ不具合が発生して修理が必要になることも考えられます。
しかしこれらは多くの場合、太陽電池メーカーが提供する10年間の無料保証の範囲内で対応可能と考えられるため、メンテナンス費用には含まれません。(もちろん、各メーカーの保証条件に適合しなければいけませんが)
これら無料保証に関する費用は、各メーカーが初期費用に上乗せして販売しているという事です。

15年や20年間の有償保証を提供しているメーカーもありますが、ここでは単純化するため、これらは利用しない想定で計算します。
もし、利用されている場合は、年間当たりの費用に換算して、下記の計算結果に足し合わせていただければと思います。

年間にでどのくらいメンテナンス費用がかかるのか

それでは年間のメンテナンス費用を計算してみましょう。
どれくらいの期間使うかによって計算結果は異なりますが、太陽電池モジュールは少なくとも20年以上稼働すると言われていますので、ここでは20年として計算しましょう。
詳しい計算式は下図の通りですが、結果的に、年間のメンテナンス費用は約3,600円/kW/年となります。
図の通り1kWで3,600円ですから、4kWのシステムなら年間14,400円ですね。
なお、この計算式は、資源エネルギー庁の資料に掲載されているものと同じであり、この年間3,600円/kW/年というメンテナンス費用が今年度の10kW未満の買取価格の計算に反映されています。

まとめ

太陽電池モジュールは基本的にメンテナンスフリーとは言え、パワコンについては10年程度で交換が必要ですし、より長く安心して使おうと思うと定期点検も必要でしょう。

固定価格買取制度の買取期間は最初の10年間で終了しますが、太陽電池モジュールの寿命は20年以上と言われています。
10年経過後もできるだけ多くの経済的メリットを享受することができるよう、正常に発電する状態を長期間キープしたいところです。
モニタリングシステム等で日々の発電量についてはご自身でもチェックできるかもしれませんが、見えないシステムの異常を検知するには、やはり定期的に専門家に点検を依頼した方が安心です。

本文中でも少し触れましたが、こういったメンテナンスに必要な費用は、買取価格の決定に際して、設置者が負担する費用として考慮されていますので、「必要な費用」と考えましょう。
1kWあたり年間3,600円くらい貯金しておけば、メンテナンスや機器の交換が必要になった場合でも、嫌な思いをせずに済みそうですね。

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(2017年6月26日更新)

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