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ソーラーパートナーズ独自の取組
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太陽光発電パネルのkW数と電力需給契約申込書の発電出力が違うのはなぜ?

監修者
中村雄介 ソーラーパートナーズ専務取締役

著書2冊、NHKをはじめメディア出演多数。

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2013年の末に東京都の方から太陽光発電についての相談を頂きました。
「東芝14kWの太陽光発電システムを契約したが、届いた電力需給契約申込書の発電出力欄には13.5KWの記載になっていたので施工会社に問い合わせたところ以下のような回答を得たのだが本当に問題はないのでしょうか?」
という内容でした。
要点は2つで

  1. 契約時にパネルのkW数の合計で記載するのは一般的なのかという事
  2. この0.5kWが無駄になってしまわないのかという事

でした。

kW数が違う理由について、施工会社が回答した内容は…

「パワーコンディショナーの対応可能な基準として、

  • KP44M-J4(パワコン) : 250Wパネル × 21枚 = 5.25kW
  • KP55M-J4(パワコン) : 250Wパネル × 26枚 = 6.50kW

までがオムロンがメーカーとして決めています。

また、屋根 全面をフルに活用するための設置枚数も限られており、それぞれの回路構成を組み合わせてメーカー推奨の基準で組ませていただいております。
上記の基準より250W × 56枚 = 14.00kWシステム

  1. パワコン5.5kW に対して 24枚の 6.00kW
  2. パワコン4.4kW に対して 16枚の 4.00kW
  3. パワコン4.4kW に対して 16枚の 4.00kW

東電への書類上の決まりとして、パネル合計の出力(kW)とパワコンの出力(kW)のどちらか小さいほうを登録することになっています。
そのため、「1.」については5.5kW、「2.」と「3.」については4.0kWとなりますので、電力需給契約申込書には合計13.5kWで記載しております。」

kW数が違う理由についての施工会社の回答を解説

まず東芝の太陽光発電システムですがパワコン(パワーコンディショナー)はオムロン製を使っています。
そしてこの品番からわかるのは通常の屋内用パワコンではなく今年になって東芝が導入した屋外用パワコンであることがわかります。
そしてパワコンの定格出力を超えてなぜ太陽光発電パネルは設置が可能なのかという事ですが、簡単に言うとそんなに発電しないからです。

kW数が6.00kWというのは公称最大出力250Wのパネルの24枚の合計ですが、この公称最大出力というのは、それこそ本当に恵まれた環境での出力値ですので現実には6kW発電することはまずありません。
空気の澄み具合、方位や角度、気温やケーブルでのロスがありパワコンに到達する時の出力は通常公称最大出力の8割くらいになっています。
ですのでパワコンの定格出力以上の太陽光発電パネルが設置できるのです。
今回のシステム設計の仕方も間違っておりません。

それでも真南向きで、真冬の空気が澄んでいて気温も低く、パネルの表面温度が25度になっており、屋根勾配も超急角度の60度の家で(真冬の太陽光に対する最適傾斜角度は60度くらいです)、ケーブルでのロスも奇跡的になくという事が起きれば公称最大出力通りの発電が可能になる可能性は0ではありません。
下のようなシステム設計をすれば、パワコン定格出力のオーバー分は0.1kWずつの0.2kWとなるので、お客様の今回抱かれた不安はより小さくなったかもしれません。

  1. パワコン5.5kW に対して 20枚の 5.00kW
  2. パワコン4.4kW に対して 18枚の 4.50kW
  3. パワコン4.4kW に対して 18枚の 4.50kW

ですが、自分が提案する場合でも最初からこのようなシステム設計するかと聞かれると今回の施工会社さんと同じにしていたように思います。

kW数を考えるときは定格出力だけを考えればいいわけではない

この回答をした後、この方から
「じゃあ2.と3.に1枚ずつ追加して17枚の4.25kWにしたら1.は22枚の5.5kWぴったりになるのでその方が良いのではないでしょうか?」
と聞かれました。
確かに3システムともパワコンの定格出力内に入りますが、これはいただけません。
なぜなら22枚、17枚、17枚とどれも割り切れない数字となっていますので昇圧器という余計な機械を3台も入れなくてはなりません。

太陽光発電パネルは1枚だけでは電圧が足りないため数枚を直列に繋ぎ合わせていきます。
18枚ならば6枚×3、20枚ならば5枚×5、24枚ならば6枚×4という具合です。
17枚ですと7枚×2+3枚などとなってしまいこの3枚の部分は4枚分電圧が足りないので昇圧器で無理やり電圧を上げます。
これは当然無理をしていますのでここで発電量のロスが起きる上に、そもそも昇圧器の費用が追加となってしまいます。

まとめ

この方は、結果として何も問題はありませんでした。

今回と同じような質問は、当社の匿名Q&Aコーナー「教えて答えてソーラーアドバイザー」の方にも結構多く頂く質問なのですが、正直私もこの施工会社さんと同じように回答してしまっていたなと今回反省しました。
サニックスを施工した後、電力会社からのご案内が容量で減っていました
https://www.solar-partners.jp/faq/archives/3587

今回のように言葉を尽くして説明すれば不安も解消してご納得頂けますが、私の回答も施工会社さんの回答も紋切型で、「こう決まっているんです」というお役所のような感じになってしまっておりました。
今年1年なるべく丁寧でわかりやすく、ご相談者様が心の底で抱えている不安が解消できるよな回答を心がけていきたいと思います。