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消費者庁が住宅用太陽光発電の火災・発火・延焼について報告書 95.5%は対象外

2019年1月28日、消費者庁はウェブサイト上において「消費者安全調査委員会 調査報告書『住宅用太陽光発電システムから発生した火災事故等』」を公開しました。

今後、この報告書が公開されたことをきっかけに、報道などで、太陽光発電の火災リスクが取り上げられることが増えると予想されます。

しかし、今回の報告書は「太陽光発電全般について警鐘を鳴らす」というものではありません。

「ごく少数の一部の太陽光発電の設置形態を見直してはどうか」という内容です。

また、問題となっている設置形態の太陽光発電モジュールについても、該当するのは、ごく一部の限られた時期に製造された製品に偏っていますので、全ての製品に火災リスクがあるというわけではありません。

これから太陽光発電を設置する人は全く心配する必要はありません。

この記事で詳しく解説します。

消費者庁が太陽光発電の火災事故に関する報告書を公開

2019年1月28日、消費者庁はウェブサイト上において「消費者安全調査委員会 調査報告書『住宅用太陽光発電システムから発生した火災事故等』」を公開しました。

この報告書では太陽光発電の火災リスクと今後の方針について書かれています。

火災の原因は大きく「モジュール起因」と「ケーブル起因」に分類されています。

また、「モジュール起因」は製品不良「ケーブル起因」は施工不良が原因とされています。

報告書では主に「モジュール起因」の火災リスクに対する再発防止策が求められています。

問題視されているのは「鋼板等なし型」

また、「モジュール起因」とは言っても、問題視されているのは全ての太陽光発電モジュールではありません。

報告書の中で問題視されているのは「鋼板等なし型」とされる設置形態の太陽光発電に限られます。

なぜ問題視されているのが「鋼板等なし型」に限られるかと言うと、鋼板等なし型のモジュール以外で野地板に延焼した事例はないためです。

「鋼板等なし型」の太陽光発電は全体の4.5%

では、「鋼板等なし型」とはどのような設置形態なのでしょうか。

まず、太陽光発電の設置形態は大きく「屋根置き型」と「屋根材一体型」「その他」に分かれます。

現在の主流は「屋根置き型」で全体の90%、「屋根材一体型」は9%、「その他」は1%です。

屋根材一体型は瓦などの屋根材の上にモジュールを置くのに対して、屋根材一体型は太陽光モジュールが屋根材の役割も果たすため、瓦などの屋根材は設置しないという違いがあります。

今回問題視されている「鋼板等なし型」は、「屋根材一体型」の設置形態の一つで、該当するのは全体のわずか4.5%です。

具体的に「鋼板等なし型」がどのような設置形態なのかというと、屋根材一体型の中でも裏面に鋼板がないモジュールをルーフィング上に直接設置するタイプを指します。

火災リスクは「鋼板等なし型」のごく一部

今回の報告書での消費者庁の意見は、この「『鋼板等なし型』を他の設置形態に切り替えるべきでは」という内容です。

「全ての太陽光発電に火災リスクがある」という話ではありません。

また、この4.5%の「鋼板等なし型」についても、実際に火災が発生したものは特定時期に製造されたものに偏っており、「鋼板等なし型」の全ての太陽光発電モジュールに火災リスクがあるというわけではありません。

また、実際に火災が起きた例を見てみると、偶然にもいくつかの要因が重なってしまったことが引き金になっていることがわかります。

この点については以前に別の記事で詳しく解説しています。

関連記事
【2019年1月28日追記あり】太陽光発電で相次ぐ火災?東洋経済の記事に関して解説します

これから太陽光発電を設置する方は過度に心配する必要はありません。

「ケーブル起因」の火災リスクは施工不良が原因

最後に「ケーブル起因」の火災についても触れておきます。

「ケーブル起因」の火災は主に施工不良が原因とされています。

具体的には「ケーブルの挟み込み」「電気設備技術基準に照らし不適切なケーブルの中間接続若しくは延長接続」による火災が報告されています。

今回の報告の施工不良の事例がどのような業者によるものなのかはわかりませんが、施工不良は組織としての業者の体制が根本的な原因となっていることが多いです。

例えば、適切な企業努力でコストダウンをせずに激安価格で契約し、安い工事代で適当な工事をしたり、人件費の安い無資格者やアルバイトに工事をやらせるといった業者は残念ながら存在します。

施工不良による火災リスクについては以下の記事でも詳しく解説していますので、気になる方はご覧ください。

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【2019年1月28日追記あり】住宅用太陽光発電の火災事故が100件以上!?消費者安全調査委員会が調査を開始

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まとめ

報告書に「住宅用太陽光発電システムから発生した火災事故等」と記載されているため、一見すると「全ての太陽光発電に火災リスクがある」と誤認してしまいそうですが、むしろ報告書を読んでみると「全ての太陽光発電にリスクがあるわけではない」ということがちゃんと伝わるように、消費者庁が慎重に言葉を選んで資料を作っていることが感じ取れます。

今後、この報告書の内容が、報道によって「全ての太陽光発電に火災リスクがある」という形に歪められないことを願うばかりです。