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グリッドパリティ到達!住宅用太陽光発電の発電コストが1kWhあたり21円に

住宅用太陽光発電1kWh21円でグリッドパリティ到達!

7月30日に日刊工業新聞が独自調査結果として家庭用太陽光発電のコストが1kWhあたり21円だったと発表しました。
社名は明らかになっていませんがメーカー4社に聞いたところ1社はグリッドパリティ到達を認めたとの事です。

家庭用太陽光の発電コスト、1kW時21円でグリッドパリティー到達-本社調査

国内の主な太陽電池メーカーの発電量予測を基に日刊工業新聞社が独自に計算したところ、家庭用太陽光発電システムの多くがグリッドパリティーに到達していた。
メーカーの技術革新による発電性能の向上やコストダウンによって1キロワット時の電力をつくる発電コストは20円に近づいており、26円の家庭用電力料金を下回った。

家庭用太陽光の発電コスト、1kW時21円でグリッドパリティー到達-本社調査 | 日刊工業新聞

こういう記事はどんどん出てきて欲しいと思います。
太陽光発電のコストは高いという事ばかり言われてしまうのですが、いつもかなり古いデータを使われてしまっているので最新の情報を反映していないからです。
ちょっと計算すればそんなはずないとわかるはずなんですが・・・
日刊工業新聞さん素晴らしいです!

グリッドパリティとは

グリッドパリティ(Grid parity)とはGrid が送電網、parityが同等であることという意味です。
再生可能エネルギーの発電コストが既存の電力のコスト(電力料金や発電コスト等)と同等かそれより安価になる事を言います。

今回の記事で言えば、家庭用の電気代(約26円)と比べて、太陽光発電の発電コストが21.4円とだいぶ下回ったという事です。

なぜ太陽光発電の発電コストは高いと言われるのか

さて、なぜ太陽光発電の発電コストは未だ高いと言われてしまうのでしょうか?

今メディアで各電源別のコストを比較する際に使用される太陽光発電のコストははほとんど「33.4円~38.3円」という数字です。
これは2011年(平成23年)に国家戦略担当大臣を議長としてエネルギー・環境会議下のコスト等検証委員会がまとめた資料に書かれている数字です。
2011年ですので2014年現在から考えると3年前のデータです

住宅用の太陽光発電のコストは3年間でだいぶ下がりました。
その太陽光発電業界全体の努力を全く無視し、いまだこの数字が使われ続ける事に非常に憤りを感じます。

ではこの古いデータを今回日刊工業新聞が使用した数値に変えて計算したら同様の発電コストになるかというとそんなこともありません。
計算方法が違うからです。
※昨年も発電コストについて書いたのですが、その時はソース元を確定せず計算してしまっておりその反省も込めて今回新たに書かせて頂きます。

関連記事
スマートジャパンの記事で太陽光発電の発電コストがkWhあたり14円程度になるという記事をみました

太陽光発電の発電コストが33.4円~38.3円という計算根拠

33.4円/kWhの計算根拠を細かく見ていくと、以下の計算式で成り立っていることがわかります。

  • 太陽光発電システムの設置容量:4kW
  • 年間想定発電量:4,204kWh(1kWあたり1051kWh)
  • 設置費用:192万円(kWあたり48万円)

減価償却費25.8円/kWh+廃炉費用0.8円/kWh+修繕費6.8円/kWh=33.4円/kWh

この中に太陽光発電システムには似つかわしくない廃炉費用が出てきます。
そもそも、このコスト等検証委員会は原発の発電コストをより正確に計算するために設けられた委員会です。
そのため、計算式に全発電コストが倣っているのです。

先ほどの33.4円/kWhの計算式の前提では以下のようになっています。

  • 廃炉費用:9.6万円(割引率計算後5.1万円)
  • 修繕費:毎年2.8万円(割引率計算後2.1万円)

さすがに修繕費が毎年2.8万円というのは高過ぎだなと思います。
パワコン交換費用を20万円とみても、残り20年間で36万円かかるという計算です。
毎年2万円弱です。
さすがに高いと思います。

日刊工業新聞の計算では以下のようにしています。

  • 廃炉費用:0円
  • 修繕費:毎年1万円(パワコン交換費用1回20万円として)

割引率の意味と割引率3%が妥当かどうか

上記の廃炉費用や修繕費も大事ですが、それよりなによりこの計算式で一番ポイントとなるのは割引率です。
経済や投資を学んだ人でないと聞いた事がない考え方だと思います。

割引率

割引率とは、長期的な投資効率を評価する等の目的で将来の金銭的価値を現在の価値に割り引く(換算する)際に用いる利率を1年あたりの割合として示したもの。
割引率が高い場合、燃料費の比率が高く将来発生するコストの割合が高い電源(一般的には、火力>原子力>水力)ほど、現在価値としての発電単価は小さくなる。

コスト等検証委員会報告書 p.8|エネルギー・環境会議コスト等検証委員会

ものすごく簡単に言うと、割引率というのはリスク率のことです。
太陽光発電システムのリスクを何%とみるかという事です。
そしてコスト等検証委員会の計算式ではこれを3%としています。

費用にも当然この割引率3%がかかっているのですが、発電量も3%毎年割り引かれて計算されています。
発電量の割引率が3%というのは、10年後の発電量は当初の74%になり、20年後は55%になるという事です。
これはさすがに割引率が高過ぎるのではという印象です。

ちなみに割引率1%ですと、10年後の発電量は91%、20年後は82%となります。この辺が妥当な気がします。
これで計算すると発電コストは31.7円です。

まとめ

一番直近のデータですと、日本の家庭用の平均システム容量は4.54kW、平均システムkWあたり単価は39.8万円です。
(J-PEC発表平成26年1月~3月設置容量データより)

この数値を先ほどの計算式に当てはめると、発電コストは「27.7円」となります。
これが同計算条件での現在の太陽光発電の発電コストという事になります。

計算式をいじってよいのであれば、割引率を1%にし、修繕費を年1.5万円(パワコン交換20万円としても残り10万円あり)と下げると発電コストは23.7円/kWhとなります。
このあたりが現実的なところなのではないでしょうか。

さらにパナソニックや東芝、ソーラーフロンティアなど、1kWあたりの発電量が多いメーカーで考えて1kWあたりの年間予測発電量を1,100kWhとすると、さらに1円下がって22.7円/kWhとなります。
どちらにしろ、もう太陽光発電は高くないのです。