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『今夏の電力需給の見通し』から見る東日本と西日本の節電意識

東西逆転!東京電力が関西電力と九州電力に夏の電力を融通

経済産業省の下に組織されている電力需給検証小委員会が先週4月17日に『2014年度夏季の電力需給見通しについて』を発表致しました。

この中に下記のような記述がありました。

○2014年度夏季の電力需給は、周波数変換装置(FC)を通じた融通を行わない場合、中部及び西日本の予備率は2.7%となり、最低限必要とされる予備率3%を下回る見込み。

○ 一方、FCを通じた融通を行う場合は、中部及び西日本で予備率が3.4%、9電力で4.6%となる見込み。
2014年度夏季需給の見通し(8月)|2014年度夏季の電力需給見通しについて p.029|経済産業省

つまり、昨年2013年よりも夏の電力需給は厳しくなり、関西電力と九州電力管内でぎりぎりの水準になることが予想されるため、初めて東京電力から関西電力と九州電力に電力を融通することになるという事です。

電力需要は常に上下最大3%の幅で刻々と変動するので、最低でも3%の余裕をもっていなければいけません。
さらには計画外の電源脱落や予期しない気温上昇による需要増に対応するため更に4%~5%の予備分を確保しておくのが望ましいとされており、理想的な供給予備率は7%~8%と言われています。

ところが今年度の8月の関西電力と九州電力の供給予備率が計算したら1.8%と1.3%になってしまいました。
これは通常の変動幅の3%を超えてしまっているので確かに対応できません。

ちなみに東京電力の供給予備率は6.6%となっています。

供給電力予備率が低いのは関西電力と九州電力だけではない

電力会社は周波数別にグループが作られており、電気が足りなくなった場合、通常はそれぞれのグループ内で融通しあって凌ぎます。

  • 東日本(50Hz):北海道電力、東北電力、東京電力
  • 西日本(60Hz):北陸電力、中部電力、関西電力、中国電力、四国電力、九州電力

ところが今回は西日本グループのそれぞれの電力会社の予備率に余裕が無いため、融通しあう事ができないためグループをまたいでの融通になるというものです。

各電力会社の2014年8月の想定予備率
周波数 東日本(50Hz) 西日本(60Hz)
電力会社 北海道 東北 東京 中部 関西 北陸 中国 四国 九州
予備率 9.2% 7.5% 6.6% 3.5% 1.8% 4.1% 4.1% 4.3% 1.3%
資料:2014年度夏季需給の見通し(8月)|2014年度夏季の電力需給見通しについて p.029|経済産業省

関西電力と九州電力の予備率が低いのは本当に原発への依存率が高いからなのか?

各新聞の今回の発表を受けての記事を見ましたがみな一様に関西電力と九州電力はもともと原発への依存度が高かったから今苦しくなっているという論調でした。
確かにそれもあるとは思います。

関西電力に至っては昨年はまだ大飯原発が稼働していましたので、さらにその分も補わなくてはいけません。

でも本当の理由は違います。
節電がなされているかそうでないかの違いです。

2010年の東京電力管内の最大電力発生日、つまり『一番電気が使われた日トップ3』の平均を見てみると、原子力発電が占めていた割合は16.7%の1,070万kWです。
2013年にはこの原子力分がなくなっているのでさぞ火力発電増やしてるんだろうなと思ったのですが、実はそれほどでもありません。

下の表を見て頂けるとお分かり頂けると思いますが、東京電力管内は原子力発電分くらいの節電ができているのです。
実に918万kWh減っています。

片や西日本の電力会社を見ていくとそこまで節電がなされていません。

周波数 東日本(50Hz) 西日本(60Hz)
電力会社 北海道 東北 東京 北陸 中部 関西 中国 四国 九州
2010年 658 1658 6412 662 2988 3271 1272 702 1895
2013年 544 1502 5494 553 2728 2936 1168 577 1704
増減 -114 -156 -918 -109 -260 -335 -104 -125 -191
節電率 -17.3% -9.4% -14.3% -16.5% -8.7% -10.2% -8.2% -17.8% -10.1%
資料:各電力会社の電力供給力|2014年度夏季の電力需給見通しについて p.36-p.45|経済産業省

まとめ

やはり東日本と西日本では節電への意識がだいぶ違うのが見て取れます。
昨年(2013年)は、西日本では震災後はじめて数値目標なしの節電要請でした。

節電意識が根付いた感のある東日本はいいとして、西日本には数値目標付きの節電要請を出した方が良いと思います。

夏の東京の電車内の冷房設定温度の高いこと高いこと。。
またあれがやってくるかと思うと汗っかきな自分は本当に憂鬱な気分になります。
当然ウルトラスーパークールビズで臨みますが・・・

ただ1点わからないのが四国電力の節電率
なんと東京電力や北海道電力を抜いて1位です。
これはなぜなんでしょう?
お分かりになる方いらっしゃいましたら是非教えて頂きたいと思います。

『今夏の電力需給の見通し』から見る東日本と西日本の節電意識 への4件のコメント

  1. 山崎 より:

    いつも、ソーラーパートナーズ NEWS 楽しく拝読しております。
    神奈川在住の山崎と申します。
    四国電力管内の節電率について、愛媛に住む30代の友人に質問してみました。

    四電管内の節電率が一位らしいけど節電意識が高いのは何か理由があるのかい?
    という質問の回答が

    四電についてのメールをヨンデンねんけど、新築はほとんどオール電化で都市ガスが普及してないから電気代にはマメなんかな。

    という回答でした。
    参考になるかわかりませんが・・・

    • ソーラーアドバイザー中村雄介 より:

      山崎 様

      コメント有難うございます。

      わざわざお知り合いの方にまで聞いて頂きまして重ねてお礼申し上げます。

      お知り合いの方の
      「四電についてのメールをヨンデンねんけど・・・」
      四電をヨンデンとそもそも読むと知らず洒落と気付かず、なぜここだけカタカナなんだと
      疑ってはじめて気づきました(笑)

      都市ガスが普及していないから電気代にはマメという部分説得力がありますね。
      お寄せ頂いた情報を合わせると、一番は『県民性』というところに行き着きそうな感じです。

  2. 中川 より:

    四国の節電率の高さはズバリ地域性でしょう。

    四国は水不足による節水(取水制限)が毎年なされています。この節水が単に節電に置きかわっただけだと思います。そして、この地方特有の人間性の良さから、一人ひとりが「皆が困らないように」と心掛けているのだと思いますよ。そして、気候においても、温暖な気候によって、冷房や暖房の設定温度を推奨温度にしても特に差し支えないからだと思います。北海道の冬だと死活問題になってしまいますからね。

    以上は私の推察です。

    • ソーラーアドバイザー中村雄介 より:

      中川 様
      コメント有難うございます。
      非常に説得力があります。