どっちが得?ソフトバンクのおうち発電プロジェクトと自分で太陽光発電を購入した場合を比べてみました
静岡県の方から太陽光発電の相談を頂きました。
ソフトバンクのおうち発電プロジェクトと普通に自分で購入するのとどちらが良いか迷っているというものでした。
ご存知の方も多いかと思いますが、ソフトバンクのおうち発電プロジェクトとは、いわゆる屋根貸し制度を利用したもので、1000棟限定でソフトバンクが太陽光発電を設置し、全量買取制度を利用して屋根を貸した個人に賃貸料を払うという仕組みです。
設置する屋根の大きさが10kW未満だったとしても、ソフトバンク側で他の屋根の分をまとめて総計を10kW以上にしたうえで、ソフトバンクが電力会社と契約を交わすため、全量買取制度が適用されます。
メリットとしては費用負担なしで賃貸料が入ってくるという点です。
現在ソフトバンクのホームページ上では記載はありませんが、発表当初は売電量の15%位という内容でした。
どっちが良いかというのはそりゃ自分で購入した方がソフトバンクの取り分がないわけですからお得になるのは当たり前です。
あとはそれぞれの価値観によると思うので明確な回答は出せないのですが、一応普段相談を受けた時にお答えしている内容を今回は記載させて頂きます。
実際に細かく計算してみましたので、比べてみてください。
おうち発電で選べるメーカーはサンテックパワーとシャープの2メーカー
ソフトバンクのおうち発電で設置する場合の太陽光パネルメーカーは、サンテックパワーかシャープのパネルという事ですので、今回はサンテックパワーで比べてみます。
比較パターンは2パターンあります。
- 屋根が大きくて自分の家だけで10kWを超えて設置ができ、全量買取制度を利用できるケース
- 一般的な住宅で10kW以下で余剰買取を利用するケース
です。
10kW以上のときにおうち発電と自分で設置した場合の差額はどれくらいか
まずは「1.」の全量買取利用できるケースを以下の条件で想定してみます。
- サンテック 190W 54枚 10.26kW 410.4万円(税込)で購入
- 1kWあたりの発電量 1000kWh
- 売電単価 42円/kWh
年間発電量は
10.26kw × 1000kwh = 10,260kWh
ですので、年間売電収入は
10,260kwh × 42円/kWh = 430,920円
これが20年間ですので、売電収入の総額は
430,920円 × 20年 = 8,618,400円
購入価格との差額は
8,618,400円 - 4,104,000円 = 4,514,400円 …①
です。
みんなこぞって全量買取の案件導入するわけです。
このケースでおうち発電プロジェクトでは想定賃貸料は15%なので、
430,920円 × 15% = 64,638円
これが20年間ですので
64,638円 × 20年 = 1,292,760円 …②
です。
自分で購入した場合との差額は①-② ですので、自分で購入したほうが3,221,640円お得になります。
これはさすがに自分で購入した方が良さそうです。
10kW未満のときにおうち発電と自分で設置した場合の差額はどれくらいか
次に「2.」の、一般的な余剰買取のケースの想定です。
- サンテック 190W 24枚 4.56kW 191.5万円(税込)で購入
- 1kWあたりの発電量 1000kWh
- 売電単価 42円/kWh
- 買電単価 24円/kWh
- ひと月あたりの電気代 10,000円
- 日中電気使用割合20%
- 11年目以降売電額 買電額24円と同額
- 補助金は国の補助金のみ
年間発電量は
4.56kW × 1,000kWh = 4,560kWh
ひと月当たりの電気代が10,000kWhで日中電気使用割合が20%とすると、
年間日中電気使用量はおおよそ890kWhですので、余剰売電量は
4,560kWh - 890kWh = 3,670kWh
ですので、年間売電収入は
3,670kWh × 42円/kWh = 154,140円
日中電気代削減額が年間で
890kWh × 24円/kWh = 21,360円
余剰電力の売電期間は10年ですので
(154,140円 + 21,360円)× 10年 = 1,755,000円
11年目以降の売電でのメリットの10年間の合計は年間発電量×24円/kWhですので、
4,560kWh × 24円/kWh ×10年 = 1,094,400円
ですので、20年間の売電収入の総額は
1,755,000円 + 1,094,400円 = 2,849,400円
購入価格との差額は
2,849,400円 - 1,915,000円 = 934,400円 …③
です。
このケースでおうち発電プロジェクトでもらえる金額は年間
4,560kWh × 42円/kWh × 15% = 28,728円
ですので、これが20年間で
28,728円 × 20年 = 574,560円 …④
です。
自分で購入した場合との差額は③-④ ですので、自分で購入したほうが359,840円お得になります。
私にとっては36万円は大金ですので自分で購入します。
ですが、手元の資金を使いたくないという方もいらっしゃると思いますので、この辺は冒頭にも述べた通り、価値観の問題であると思います。