電力会社の供給力を太陽光発電の設備認定量が上回るとどうなるのですか
若輩者なので初歩的な質問させていただきます。
設備認定容量に対して供給力が下回れば、具体的にどのような事が起こるのか?
詳しく解りやすく説明宜しくお願いいたします。

ご質問ありがとうございます。
「電力会社の供給力を太陽光発電の設備認定量が上回るとどうなるのか」とのご質問ですね。
設備認定量と供給力については、当社も含めどのメディアでもきちんと解説していないと思います。
ご質問いただき、ありがとうございます。
結論から言いますと、太陽光発電などの不安定な電源の設備認定が既存の供給力を上回ると、大規模な停電につながる可能性が出てきます。
現在の送電網で送られているのは交流電流ですので、一定の周波数のもと電気が送電されています。
(交流電流:一定の周期でプラスとマイナスが入れ替わる、コンセントなどに流れている電流のこと。乾電池や太陽電池などは直流電流。)
電力の需給バランスが崩れると周波数に乱れ(電力の品質低下)につながります。
周波数が乱れると、製紙や紡績などの機械の動きに影響を与え、生産品質の低下に結びつきます。
さらに需給バランスが大きく崩れると、停電につながります。
電気の安定供給を至上命題としている電力会社は、できる限り需給バランスを崩さないように日々調整を行っています。
太陽光発電は発電量が天気まかせで不安定なため、発電量を調整することができません。
そのため電力会社は、火力発電を中心とする調整電源を使って、電気の需要と供給のバランスをとり、電力の品質を維持しています。
不安定な太陽光発電の供給力が大きくなり調整電源の供給力を上回ると、需給バランスをうまくとることができなくなる、周波数が乱れ、最悪の場合、停電を引き起こす恐れがあるのです。
そのため、設備認定量が供給力を上回る状況が明らかになった九州電力が、回答の保留を発表したのです。
需給バランスをとるには他の電力会社への送電が自由にできればいいのですが、現在の送電設備ではなかなか難しく、多額の設備投資が必要になります。
そもそも国や電力会社側は2030年水準の設備認定量が、2012年の開始後わずか2年足らずで来ることは想定していなかったため一度ストップがかかった、という状況です。
以前コラムでも書きましたが、この設備認定の中には実際に動いていな案件も数多く含まれています。
その精査を行ったうえで今後の方針を策定していくと思いますので、九州電力管内の10kW以上については、今は待つしかない状況になっています。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
九州電力が売電申請の回答を保留。東北電力と四国電力も中断・保留の検討を開始 »
早ければ年内には、今後の方針が発表されるだろうと予想しています。