発電量の低下しているように思いますが太陽光発電に不具合が起きているのでしょうか
初めて質問させたいただきます。
神奈川県北西部に在住のK.W.と申します。
この度はよろしくお願いします。
今回、我が家のシステムに問題があるのか知りたく質問させていただきました。
システムはパナソニックHIT3.0kW
(240W×11枚、120W×3枚)
パネルはすべて南西面、傾斜角30度
パワコンは同VBPC340の構成です。
昨年(2014年)の5月に御社を通じて設置していただきましたが、最近発電が低下しているのではないか?と言うご相談です。
以下に6か月分のシミュレーションの「予測発電量」「実発電量」「シミュレーションに対する割合」を示します。
月 | 予測発電量 | 実発電量 | 割合 |
---|---|---|---|
6月 | 273kWh | 283kWh | 104% |
7月 | 309kWh | 309kWh | 100% |
8月 | 341kWh | 292kWh | 86% |
9月 | 257kWh | 275kWh | 107% |
10月 | 238kWh | 229kWh | 96% |
11月 | 218kWh | 182kWh | 83% |
12月 | 243kWh | 227kWh | 93% |
10月以降の乖離が大きく、これが天候のせいなのかシステムに不具合が起きているのか判断できる材料はないでしょうか。
設置当初の13時頃は平均2.8kW(瞬間3.3kW)程度出ていましたが、現在は同時刻にどんなに天気が良くても平均2.0kW(瞬間2.1kW)程度しか発電していません。
正常なのか異常なのか分からないので、ご教示いただきたくよろしくお願い申し上げます。

ご質問ありがとうございます。
「発電量が低下しているようだが、天候のせいかシステム不具合のせいか判断する方法はあるか」との質問ですね。
太陽光発電は日々変わる天候によって発電量が左右されますので、気になりますよね。
今回の状況から結論をまず言いますと、「特にシステムに不具合が発生しているとは限らない」という状況です。
では、理由について詳しく説明していきます。
今回は、設置したばかりの6月と7月こそシミュレーションの発電量を上回っていますが、直近3か月ではいずれもシミュレーションの発電量を下回っていますので気になっているのだと思います。
シミュレーションの発電量は、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が公表しているMONSOLAと呼ばれる過去29年間の日射量データベースをもとに算出するのが一般的です。
あくまでも過去29年間の平均値をもとにシミュレーションを出すわけですから、年によっては平均値よりも多かったり少なかったりすることはありえるわけです。
例えば、MONSOLAの過去10年の東京における5月の平均日射量をみてみます。
MONSOLA 日射量データベース|独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)
このデータによると、2005年~2014年の10年間の平均値は、17.6MJ/m²です。
一方、10年間で最も日射量が多かった年は2013年の21.3MJ/m²で平均値の121%。
最も少なかった年は2006年の14.6MJ/m²で平均値の83%と、同じ月でも日射量にかなりの開きがあることがおわかりいただけると思います。
このように、年によって日射量にバラツキがありますので、発電量にもバラツキが出るのです。
また、「5月の設置当初と比較して、最近(12月~1月)は発電量が落ちていることも気になっている」とのことですが、1年間でいうと5月は最も発電量が多くなる月で、逆に12月~1月は最も発電量が少なくなる時期です。
1年の中で多い月と少ない月で2倍程度の発電量の差が出ることもよくありますので、この情報からだけですと、必ずしもシステムに不具合が出ているとは断定できません。
発電量が低下している原因が天候のせいかシステム不具合のせいかを判断するには、ある程度の期間にわたって発電量を監視し続けることが大切です。
今後数か月間にわたって観察していてもやはり発電量が少ないと感じるようでしたら、一度購入された工事会社にご相談されることをお勧めします。