毎月の電気代が減る?新たな『非化石価値取引市場』の仕組み

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非化石価値取引市場とは

前回のコラムで少しご説明しましたが、現在、再生可能エネルギーや原子力発電がもつ「非化石価値」を取引する市場を作ろうという話が進んでいます。

前回のコラムはこちら↓

非化石価値取引

非化石価値取引市場について p.11|経済産業省

石炭や石油、天然ガスのような「化石燃料」を使うと、二酸化炭素が発生して地球温暖化が進んでしまうことになります。
そのため、できるだけ「非化石」のエネルギーを活用しなくてはいけません。

ところが、卸電力取引所で取引される電力は、現在、化石電源なのか非化石電源なのか特に区別されておらず、「非化石」であることの価値が埋没してしまっています。
そこで、再生可能エネルギーや原子力発電がもつ「非化石価値」を切り分けて取引できる市場を作ろうという話が出てきているのです。

もし、再生可能エネルギーの「非化石価値」にお金を出してくれる人がいれば、その分、再生可能エネルギー賦課金(再エネ賦課金、以下賦課金)を減らせることになります。
つまり、国民負担を抑えることにつながるわけです。
これは、とても嬉しいですね!

ではなぜ、非化石価値市場ができると賦課金が下がるのでしょうか?
少しずつ紐解いてみたいと思います。

毎月の電気代に含まれる賦課金については以下をご覧ください

「ゼロエミ価値」と「環境表示価値」

「非化石価値」には、二酸化炭素を排出しないという「ゼロエミ価値」と、「環境に良い電力ですよ!」と消費者に訴えることができる「環境表示価値」があります。
環境価値

非化石価値取引市場について p.9|経済産業省

二酸化炭素を排出しないという意味では、原子力発電には「非化石価値」のうち「ゼロエミ価値」があると言えますが、原発事故を経験した今の日本では原子力発電に「環境表示価値」があるとはいえません。
一方、太陽光発電をはじめとした再生可能エネルギーには、「ゼロエミ価値」も「環境表示価値」も両方あるわけですね。

こういった「非化石価値」を取引できる市場が、「非化石価値取引市場」というわけです。

誰が「非化石価値」を買うのか?

では、一体誰が「非化石価値」を買うのでしょうか?

現在想定されている「非化石価値」の買い手は、小売電気事業者です。
小売電気事業者には、東京電力や関西電力のような昔からある電力会社はもちろん、電力自由化で最近参入してきた新電力と呼ばれるような会社も含まれます。

小売電気事業者は、2030年度までに非化石電源比率を44%以上にすることが求められています。
この「44%」の達成が自社の発電設備だけで難しい場合には、「非化石価値」をどこかからか買わなければいけません。
そこで、非化石価値取引市場が必要になってくるのです。

非化石電源比はなぜ44%なのか?

ちなみに、「44%」という数字は、国が公表している2030年の電源構成がもとになっています。
2030年の電源構成は、再生可能エネルギーが22~24%原子力発電が22~20%という数字になっています。

つまり、再生可能エネルギーと原子力発電を合計した非化石電源の割合が44%になるというわけですね。
この数字が、そのまま小売電気事業者の目標値になっています。

電源構成

平成27年4月28日 長期エネルギー需給見通し小委員会(第8回) 配布資料、資料3|経済産業省 資源エネルギー庁

さらにFIT以外の電力も非化石価値になる

非化石価値には、売電制度(固定価格買取制度、以下FIT制度)で優遇買い取りされる再生可能エネルギー以外にも、発電事業者と需要家の間で直接取引されている電力があります。

それは以下の図で言う、非FIT非化石発電事業者から取引される電力にあたります。
非化石価値取引市場というからには、FIT電力・非FIT電力どちらの非化石価値も市場取引の対象とすべきところです。

環境価値

非化石価値取引市場について p.26|経済産業省

ただ、非FIT非化石発電事業者の電力は事業者と需要家の間で直接取引されているため、非FIT非化石発電事業者の電力を非化石価値を市場に出すには、少し準備が必要となります。

そこで、まずは簡単に市場取引することができるFIT電源で市場取引を始めてみて、その後、すべての非化石電源を対象にしていこうという、2段階で進めるスケジュールが話し合われています。

早ければ、2017年度にもFIT電気の非化石価値が取引されることになる見込みです。

非化石価値市場ができることで電気代が下がる?

現在、賦課金は電力使用量に応じて国民全員が電気代として支払っています。
つまり、賦課金が下がるということは電気代が下がるということです。

賦課金と回避可能費用の流れ

非化石価値取引市場について p.12|経済産業省 をもとにソーラーパートナーズが作成

現在、FIT制度によって売電された電気は、火力などを動かさなくても良くなった費用である『回避可能費用』が費用負担調整機関から支給され、安価に販売することができるようになっています。
回避可能費用は、賦課金という形で小売電気事業者から回収されています。

賦課金と回避可能費用の流れ

非化石価値取引市場について p.12|経済産業省 をもとにソーラーパートナーズが作成

ここに『非化石価値市場』ができると、環境価値を売買できるようになります。
すると、本来は賦課金として徴収されていた回避可能費用の原資を、環境価値が担ってくれるようになります。
そのおかげで、賦課金が下がり、電気代が下がるわけです。

ただこのままでは環境価値を買った小売電気事業者の販売価格が高くなりすぎてしまいます。
いくら環境価値があるとはいっても、高すぎると電気を買う人がいなくなってしまいます。

賦課金と回避可能費用の流れ

非化石価値取引市場について p.12|経済産業省 をもとにソーラーパートナーズが作成

すると、環境価値を買った小売電気事業者は、利益を削ってでも環境価値を買って他の事業者と同じ価格に下げて売るようになります。
そのため国民全体でみても、賦課金の負担が減るのです。

非化石価値取引市場の創設によって、国民負担をうまく減らしてもらいたいと思います。

まとめ

国は、「再生可能エネルギーの最大限の導入」と「国民負担の抑制」の両立を目指して、さまざまな制度の改正を進めています。
今議論されている「非化石価値取引市場の創設」は、国の目標に合致した施策だと思います。

先日のコラムで、「太陽光発電の発電コストが高いというのは誤解です」といったようなことを書きました。
非化石価値取引市場の創設で国民負担がさらに減らせるなら、ますます良いことだと思います。

こういった新しい動きが広がっていくことで、太陽光発電はさらに普及が進んでいくことになると思います。
この流れに乗って、太陽光発電の導入をお考えの方は、ソーラーパートナーズまでお気軽にご相談ください。

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(2017年6月19日更新)

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