2016年の太陽光発電業界を振り返る

いよいよ2016年最後のコラムとなりましたので、今回は2016年の太陽光発電業界で起きた大きな出来事について振り返ってみたいと思います。

迷惑発電所の報道が過熱

2012年7月に再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT制度)が開始し、再生可能エネルギー、特に太陽光発電の普及が一気に進みました。
太陽光バブルともいわれるほど、太陽光発電所があちらこちらに立ち上がりました。
みなさんも、今まで空き地だったところに太陽光発電所が立ち上がっているところを一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。

急激な市場拡大に合わせて、さまざまな業者が太陽光発電業界に参入しました。
その中には、十分な知識や技術をもたないまま、太陽光発電所を作ってしまうような業者があったことも事実です。
その結果、周辺住民に迷惑をかけてしまう太陽光発電所もあり、その様子がテレビや新聞、雑誌などのマスメディアを通じて報道されました。
以前からこういった報道はありましたが、2016年は特に迷惑発電所の報道が過熱したような印象があります。

太陽光パネルの反射光問題

周辺住民に迷惑をかける太陽光発電所とは、例えば、太陽光パネルの反射光問題などがあります。
屋根の上ではなく地面に架台を立てて設置する太陽光パネルの場合、太陽の反射光が近隣の住居に入り込むことがあります。
反射光の影響で、まぶしすぎて通常の生活ができなくなったり、部屋の温度がサウナ並みに上昇してしまったというような報道がありました。

太陽光パネルの反射光トラブルについては別の記事で取り上げたこともありますので、興味がある方はご覧ください。

太陽光発電の景観問題

他にも、景勝地に突然現れた太陽光発電所が景観を損なうという話や、安全性が疑問視される弱々しい架台に載った太陽光パネルの話など、周辺住民にとって迷惑と感じるような太陽光発電所の問題が、いろいろと報道されました。

そういった影響もあってか、ソーラーパートナーズが独自に実施した一般消費者調査結果からも、太陽光発電は「周辺住民に迷惑」といったネガティブなイメージをもつ人が去年よりも増えています。

2016年12月に行った太陽光発電のイメージ調査についてはこちらの記事をご覧ください。

迷惑発電所はほとんどが産業用太陽光発電所で起こっている

こういった報道で出てくるのは、ほとんどが産業用太陽光発電所の話です。
住宅用太陽光発電は、メーカーの施工基準や保証体制がしっかりしていることもあって、周辺住民に迷惑をかけるという話を聞くことはあまりありません。

また、住宅用太陽光発電は、内部収益率(IRR)が3.2%程度確保できる売電価格が設定されていますので、ゼロ金利のご時世では魅力的な投資メリットもあります。
そんな良い物であるにも関わらず、太陽光発電のネガティブな報道の影響で、太陽光発電に対してマイナスイメージをもつ人が増えてしまうことは、残念でなりません。

2017年4月に行われるFIT法改正

太陽光発電自体は、地球環境にもよく、太陽光さえあれば発電するため発電コストを安くできる可能性があるなど、社会にとってとても良いものです。
とはいえ、現時点では固定価格買取制度(FIT制度)という支援制度があることで、普及が促進されている状況です。

FIT法改正の目的は太陽光を普及させつつ国民負担を抑えること

FIT制度が今後も継続されるために重要になってくるのが、太陽光発電をきちんと普及させつつ、国民負担をできるだけ抑えることです。
こういったことを目的に、現在運用されている制度が2017年4月から大きく改正されることになりました。
これも2016年の太陽光発電業界にとって、とても大きな出来事です。

2017年4月以降は『設備』認定から『事業』認定に変わる

これまでは、太陽光発電システムそのものが一定基準を満たすものであれば設置が認められてきましたが、FIT法改正によって、「事業認定」という考え方に変わります。
太陽光発電が「設備」として基準を満たせば良いだけではなく、長期間稼働させる「事業」として基準を満たしているか見られるようになるわけです。
そのため、設備の認定だけでなく、メンテナンス体制なども含めて、適切な発電所が立ち上がりそうかを見られるようになります。

FIT法改正で未稼働案件は一掃される

また、認定制度が大きく変わるため、過去に高い売電価格で売る権利だけを抑えていた未稼働案件は一掃されることになります。
これにより、国民負担を抑えつつ、太陽光発電の導入がさらに進むことになります。
現実を見据えた、適切な法改正ではないかと思います。

FIT法改正についての詳しい内容はこちらの記事をご覧ください。

最盛期の2013年度と比べて導入件数が減少中

FIT制度でブームになっていたときと比べて、導入件数が落ち込んでしまったのも2016年の動きとしては気になるところでした。
その影響で、太陽光業者の倒産が相次いでいるという報道も、何度か目にすることがありました。
こういった話をもって、太陽光バブルがはじけた、と言われることも増えました。

確かに、住宅用太陽光発電を見た場合、ピークの2013年度に比べて導入件数は少なくなっています。
しかし、ほんの10年前には年間導入件数が7万件ちょっとくらいでしたが、ここ数年は、ピークより減ったとはいえ、年間20万件程度の導入が進んでいます。

一昔前に比べれば、市場規模が大きい状況が続いているということができそうです。

2017年以降の動向に影響する動き『パリ協定』『ぺロブスカイト太陽電池』

その他にも、全世界的規模で地球温暖化を食い止める「パリ協定」が発効されたり、電力小売り自由化が始まるなど、太陽光発電と関連のある大きな動きが見られたのも2016年でした。
パリ協定についてはこちらの記事をご覧ください。

実用化はまだ先でしょうが、新型太陽電池の「ペロブスカイト太陽電池」の発電効率がグーンと改善されたのも2016年でした。
ペロブスカイト太陽電池については、下記記事をご覧ください

今後、ますます太陽光発電の活躍の幅が広がることを予測させる、気になる動きがいろいろあった年だったと思います。

まとめ

2016年は、爆発的な太陽光ブームの後始末に翻弄された一年だったような気がします。
その一方で、これからの太陽光発電業界にとってプラスになる芽も見えてきた一年でした。

業界動向がどうであれ、太陽光発電の重要性がゆらぐものではありません。
私たちソーラーパートナーズは、これからも太陽光発電の健全な普及に少しでも貢献できるよう、努力していきたいと思います。
来年もどうぞよろしくお願いいたします。

それでは、良いお年をお迎えください!

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(2017年3月20日更新)

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