太陽光発電の売電制度の問題点を解決する「FIT法改正」を解説!出力制御、未稼働案件などの対策も

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売電制度の問題点を減らすための、大枠の方針が見えてきました

2012年7月に再生可能エネルギー特別措置法、いわゆるFIT法が施行されて、産業用太陽光発電を中心に、再生可能エネルギーの導入が一気に進みました。

しかしその一方で、さまざまな問題も出てきています。

そこで、明らかになってきた問題点を改善するため、制度の見直しが経済産業省の有識者会議で議論されていて、大枠の方針が見えてきました。
今回のコラムでは、「制度がどのように改正されようとしているのか」解説したいと思います。

「早い者勝ち」になっている現在の制度が見直されます

制度開始当初は、簡単な手続きだけで40円や36円などの高い売電単価を確保することができました。
そのため、発電事業をやるかどうかはっきりしていなくても、とりあえず高い売電単価で電気を売る権利だけを確保する案件が大量に出ました。

今も、そのときに権利だけ抑えて、未稼働のままになっている案件がたくさん残っています。

実は、これがかなり大きな問題になっています。

電力会社が太陽光発電や風力発電のような不安定な電源を受け入れられる量には限りがあります。
そのため、「早い者勝ち」で権利だけ抑えた案件が大量にあることで、後から再エネ事業をやりたくても、電力会社が受け入れてくれないということになってしまうのです。

また、高い売電単価で稼働する予定の太陽光発電所がたくさん出てくることは、国民負担を増やすことにもなります。

もともと、再エネを一気に増やすために高い売電単価が設定されていましたが、権利だけ確保しおいて、システム価格が安くなるのを待ってから発電を開始するという「裏技」を使うことで、さらに利幅を増やせてしまうわけです。

さすがにこれは制度の趣旨から外れますし、今後の普及を阻害することにもなってしまいます。
そこで、「早い者勝ち」になってしまっている今の状況にメスを入れようということになったわけです。

太陽光発電にも「車検」のようなチェック制度?

今回の改正では、発電設備の点検、保守について議論が交わされました。
太陽光発電を、安定的かつ長期的に運用していくための点検、保守です。

太陽光発電は、適切にメンテナンスしながら使えば、20年、30年と買取期間よりももっと長い期間にわたって発電し続けることができます。
固定価格買取制度による買取期間は10kW以上で20年間、10kW未満で10年間となっていますが、売電期間イコール太陽光パネルの寿命ではありません。

コスト面でも、太陽光発電は優れています。
例えば火力発電所は、発電させるために石炭やガス、石油などの燃料が必要ですが、太陽光発電にとっての燃料は太陽光だけです。

機械が壊れさえしなければ、太陽光だけで発電し続けてくれるわけです。
そうなると、これほど安く発電してくれる設備は他にありません。

国としても、買取期間だけ発電させるのではなく、買取期間終了後も継続的に発電できるように、きちんとメンテナンスしていき、将来的な発電コストをぐーんと下げようと考えているわけです。

今回の改正では、発電設備の適切な点検・保守などを制度化することが含まれています。
自動車でいうところの「車検」のような制度が導入されることになるのかなと思います。

産業用は入札方式、住宅用は価格低減スケジュールに基づき売電価格を決定

売電価格の決定方法についても議論が行われました。
産業用と住宅用で異なるルールになる見込みです。

現在は、システムの実勢価格を元に、一定の利益を確保できるような売電価格が設定される仕組みになっています。
システム価格が低減する中で、過去の実勢価格をもとに売電単価を設定することになるため、想定よりも割高な売電単価になってしまっているのが現状です。
(それだけ、この期間で太陽光発電を始める人にとっては、儲かりやすいということですね。)

今後は、産業用と住宅用でそれぞれ違った方式で売電単価が設定されることになりそうです。

産業用は、「過去の実勢価格」をもとにせず、「一番頑張っている会社の価格」をもとに売電価格を決める「トップランナー方式」が基本になりそうです。
その上で、大規模設備については、発電をしようとする人たちによる入札で売電単価を決める方針が示されました。
ちなみに、入札で不正があった際には、懲役になることも検討されています。

太陽光発電入札、不正には懲役も 経産省 | 日本経済新聞

経済産業省は再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度の見直しで、大規模太陽光発電所(メガソーラー)の入札を実施する際、参加者の談合などの不正行為があった際に懲役や罰金を科す方針を固めた。

再生エネ特別措置法改正案に盛り込み、今国会に提出する。

入札で低コストで発電できる事業者の参入を促し、家庭や企業の負担を抑える。
不正行為に罰則を科すことで透明で公正な手続きを確保する。
法案が成立すれば、2017年度以降に入札を実施する。
入札の参加者が不正な利益を得る目的で談合したり、国の職員が入札に関する秘密事項を漏らすなどすれば、懲役や罰金が科される。

太陽光発電入札、不正には懲役も 経産省(日本経済新聞 2016年1月13日朝刊)

住宅用の売電価格、価格低減スケジュールをあらかじめ公開する方式が示されました。
ただ、住宅用の場合は、固定価格買取制度で普及を促すだけでなく、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の導入促進などで支援していくことが必要だとの見解も示されています。

太陽光発電以外の再生可能エネルギーにも配慮

地熱発電

運用開始まで時間のかかる地熱発電も開発を促進

FIT法によって太陽光発電の普及は爆発的に進んでいますが、計画から運用開始までに時間がかかってしまう風力発電や地熱発電などは、実は導入があまり進んでいません。
FIT法は太陽光発電だけを普及させる法律ではなく、他の再生可能エネルギーもしっかり普及させていこうとしています。
そこで、開発に長期間かかる電源は、売電単価の決定方法を変えるなどして、開発を促すような制度にする方針が示されました。

出力制御を最小限にする仕組みづくり

気になる出力制御への対策の対策も見えてきました。

電力システム改革の第1弾として、2015年4月に電力広域的運営推進機関が設立されました。
この機関は、各地域の電力会社の上位にいて、ある電力会社で電気が余り、別の電力会社で電気が不足するようなときに、うまく電力会社間で融通できるように指導する機関です。

今後、太陽光発電や風力発電のように、発電量が安定しない電源が増えてくると、一つの電力会社だけだと、電気が余ってしまうことや、電気が不足してしまうことが出てくる恐れがあります。
現在は、電気が余ってしまう場合には、再エネ電源の買取を制限する、いわゆる「出力制御」によって対応することになっています。
これは、再エネ事業者からすると、せっかく発電した電気を買ってもらえないということになりますので、辛いところです。

そこで、電力広域的運営推進機関がうまく電力会社間の電力の融通を取り仕切ることで、せっかく発電した電気を無駄にしなくて済むようになります。
日本全体でみると、とても効率的になるわけです。

こういったことをしっかり制度化していきましょう、というのが今回示された方針に含まれています。
実現すれば、せっかく発電した電気を買い取ってもらえない「出力制御」が大幅に減る事でしょう。

まとめ

今回の改正内容は、現実に合った適切な改正内容だと思います。
今後は、現在開催中の国会に法律の改正案が提出される予定です。
国会を通ると、早ければ2017年度からこの改正内容が施行されることになるでしょう。

今回の改正は「再生可能エネルギーの最大限の導入」と「国民負担の抑制」を両立させる内容です。
今後も、国としてはしっかりと再生可能エネルギーを増やしていこうとしていますので、ソーラーパートナーズも努力して、少しでもその一助となることができれば嬉しいです。
太陽光発電の導入をお考えでしたら、ソーラーパートナーズまでお問い合わせください。

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