ソーラーパートナーズ

ソーラーパートナーズ独自の取組

10kW以上(産業用)の平成27年度(2015年度)の売電価格はどうなる?ドイツの再エネ事情を加味して推察

関連記事
太陽光発電の売電価格 2019年に買うべき?待つべき?売電価格の推移も掲載

産業用(10kW以上)の太陽光発電は2015年に3年間の優遇期間が終わる

前回に引き続き今回は10kW以上の産業用太陽光発電システムの来年度(平成27年度)売電価格(買取価格)の予想を勝手にしてみたいと思います。

再掲になりますが大前提として、産業用(10kW以上)の太陽光発電システムの売電価格(買取価格)には3年間の優遇期間が存在するという事、そしてその3年は来年、平成27年(2015年)6月末で終了するという事です。

集中的に再生可能エネルギー電気の利用の拡大を図るため、この法律の施行の日から起算して3年間を限り、調達価格を定めるに当たり、特定供給者が受けるべき利潤に特に配慮するものとする

電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法施行令|資源エネルギー庁

そして現在、売電価格は年度単位で決定しますので3ヶ月を残して来年度(平成27年度)は優遇期間ではないと判断するのが妥当であると思います。

前回の10kW未満住宅用の売電価格(買取価格)予想はこちら

関連記事
10kW未満(住宅用)の平成27年度(2015年度)の売電価格はどうなる?経済産業省の資料を元に算出

「2030年時点の目標:再生可能エネルギー比率20%」を2014年現在で既に達成見込み

結論から言うと、平成27年度の産業用(10kW以上)の売電価格は0円という可能性も高いと考えます。 理由は今の太陽光発電システムの現在の状況です。

日本は4月にエネルギー基本計画を改定し、現在1%台の再生可能エネルギー比率を2030年までに2割超に引き上げるというとてもとても高い目標を立てました。
その時の驚きを書いている時のコラムはこちら↓

関連記事
じつは凄い目標!エネルギー基本計画に盛り込まれた太陽光発電など再エネの目標数値

ところが現在設備認定がなされている案件が全て接続されると計算すると、2030年時点の目標を太陽光発電システムはもう大幅に達成してしまいます
今年(2014年)になって経済産業省が400kW以上の案件に絞って平成24年度に設備認定がなされている案件の調査を行ったところ既に約10%が取り消し・廃止となっています。
さらにこれから精査される予定のものが15%弱あります。

既に設備認定がなされているもののうち多めにみて約20%は実態がないと仮定したとしても、それでも2030年時の目標を大幅達成してしまう状況に既になっているのです。
引用:再生可能エネルギーの導入量などに関する検討|経済産業省 資源エネルギー庁

再生可能エネルギー先進国のドイツの現状

今後を予想する上では、ドイツの状況を確認しない訳にはいきません。
ドイツは脱原発を掲げ、太陽光発電システムなど再生可能エネルギーの先進国です。

経済産業省が今年8月にまとめたドイツの最新データで、売電価格も日本円に直してくれている表がありますのでご覧ください。 引用:新エネルギー小委員会 欧州調査報告(p.37)|経済産業省 新エネルギー小委員会

一番右下の11.9円が野立ての太陽光発電システムの売電価格です。
一番高い16.4円というのが10kWまでの建物設置の場合です。

そしてドイツの電気代の単価(買電価格)は現在およそ31円を超えています。

10kW以上の太陽光発電システムは大半が野立てですので、このドイツの通常の電気代の単価の4割ほどという売電価格というのは今後の日本を予想する上で非常に参考になると思います。

まとめ

先に述べたように、平成27年度の産業用(10kW以上)の売電価格は0円という可能性も高いと考えます。 理由は以下の3つです。

  • エネルギー基本計画に記載されている優遇期間が2015年に終了する
  • これ以上新規の受付を募る必要がないほどの状況である
  • ドイツでは3年ほど前から通常の電気代単価よりも売電価格の方が低いという現象が起きている

0円は行き過ぎだとしても、予想としては大幅に下げての10円台の後半あたりが妥当な線ではないかなと思います。

10kW以上(産業用)の平成27年度(2015年度)の売電価格はどうなる?ドイツの再エネ事情を加味して推察 への4件のコメント

  1. 神山 より:

    こちら、産業用10kw以上と家庭用10kw以上は同意語でしょうか?
    以前、ソーラーパートナーズさんを通じて連絡頂いた方も
    20年後の売電保障期間が終わっても、買い取り価格が0円になる事はありえないと言われておりました。

    どちらが正しいのでしょうか?

    • ソーラーアドバイザー中村雄介 より:

      これはご質問ありがとうございます。
      たまにこのような質問を頂くと、身が引き締まります。

      わからないですよね。

      仰る通りで産業用10kW以上と家庭用10kW以上は同意語です。
      というよりも、便宜的に産業用、家庭用という言葉を使用しておりますが実はそのような区分けはございません。

      あくまで10kW以上か、10kW未満かという区分けしかありません。

      大きな戸建やアパート、マンションに10kW以上設置しても、工場や空いている土地に10kW以上設置してもどちらも同じです。

      少しややこしく感じるのは、
      10kW未満の場合は余剰買取なのに対し(余った電気だけ買取する)、
      10kW以上の場合は全量買取と余剰買取の双方を選択できるという事です。

      10kW以上の場合に余剰買取を選択したとしても、買取期間は10kW以上ですので20年間になります。

  2. 匿名 より:

    いつも楽しくメールを拝見しています。

    自分は10kW以上の申請を、本年度中(2015年3月まで)に出来たらしようとしていますが…
    もし、金銭的な部分も含め、もしかしたら来年(2015年4月以降)になり得る…という状況です。

    そこで、最近の御社の記事では、10kW以上のメリットが来年からは一気になくなり、全く無意味とさえ思ってしまうのですが…

    ソーラーを製造されている会社も、一気に量産もやめ、完全に10kW未満の顧客だけを相手にする…とのことでしょうか?

    そもそも、御社のメールの限りでは、これから(来年以降)太陽光のメリットがほとんど見えてこないのですが…

    買い取り制度が始まってから本年度までの、5年の間に太陽光に求められた役割は終わりで…
    来年からは、ほぼ普及する意味すら無いと捉えられるのですが…

    • ソーラーアドバイザー中村雄介 より:

      ご質問ありがとうございます。

      全てご指摘の通りで10kW以上の太陽光発電システムは、プロ向け(電力会社)の市場としてのみ残ると考えています。

      個人及び法人が投資としてのメリットを求めて設置をしていくという事は無くなると考えており、個人・法人向けの太陽光発電市場は住宅用にのみ残ると考えています

      日本全体のエネルギーミックスの中で再生可能エネルギーが一定のシェアと取る為の施策として、太陽光発電の役割は十分果たしたと思います。
      あとは省エネと分散型エネルギーシステムの構築という意味合いで住宅用が堅調に推移していくと考えています。