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日本の電力問題がまるわかり!元東京電力社員・竹内純子さんの著書『誤解だらけの電力問題』

元東京電力社員が書く日本の電力問題

NPO法人国際環境経済研究所理事の竹内純子さんの著作「誤解だらけの電力問題」を読みました。
非常に面白かったです。

竹内純子さんは元東京電力の社員さんです。今は東京電力を離れていますので、日本の電力の現場を内からと外から双方の視点を持つ貴重な立場の方です。
ご自宅には実際に太陽光発電システムを設置されています。
実際に太陽光発電システムを含む再生可能エネルギーの章もありますし、非常に読みやすい言葉で書かれています。

具体的な今後に向けた施策提案が書かれているわけではありませんが、日本の電力問題を理解したい方、興味がある方にぜひお勧め致します。
特に一番最後の補論はこれまでの震災以降の東京電力の諸々の対応に感じていた違和感などを理解する事ができ、とてもすっきりしました。

電気は無いのが当たり前

特に印象的だったのがあとがきで書かれていた文章です。
太陽光発電をきっかけとして日本のエネルギー問題全般に興味関心を持った自身の現在のモヤモヤとしたものを綺麗に言語化して頂いた感じがして、とても納得感がありました。
当然賛否両論あると思いますがこの場を借りてご紹介いたします。

「おわりに|誤解だらけの電力問題」より抜粋

気持ちは原子力発電などもう嫌だと思っても、エネルギー政策の3Eが染みついた頭は、脱原発を容易に口にすることを許してくれません。
日本は燃料資源にはとことん恵まれませんでした。化石燃料、ウラン燃料のほとんどすべてを海外から輸入しなければなりません。
ということは、貿易収支が燃料の輸入で常に圧迫されることだということです。

モノづくり立国となり、高い付加価値の工業製品で外貨を稼げるようになったので、燃料を海外から買ってくることが可能になり貿易黒字も生み出してきましたが、そもそも電気は「あるのが当たり前」ではなく「ないのが当たり前」の国なのです。

しかし、いつの間にか私たちは資源貧国であることすら忘れ、エネルギーあるのを当たり前と考えるようになってしまいました。
世界には電気を使えない人が約13億人もいて、電気がないために健康や生活を脅かされているというのに。

引用:おわりに|誤解だらけの電力問題 p.227

日本のエネルギー自給率は食料自給率と同様に深刻 エネルギー自給率については以前書いた記事で少しだけ触れています。

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エネルギー問題は複雑

竹内さんが序文で以下のように書いていました。

「序 エネルギー政策の理想と現実|誤解だらけの電力問題」より抜粋

エネルギー政策の議論には、電気の物理的・技術的特性は当然のこと、外交や国際情勢、環境問題、経済学など、とにかく幅広い知識と視点が必要です。

引用:序 エネルギー政策の理想と現実|誤解だらけの電力問題 p.16

本当にそう思います。
知れば知るほど単一の視点で議論する事ができないものである事を実感しています。
そして知れば知るほど竹内さんと同様に原発なんて無い方がいいと思うものの、容易に脱原発を口にできなくなります。

シェールガスの動向も気になります。

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石炭火力の動向も気になります。

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何がベストなのかなんて正直全然わかりません。

ただ間違いないのは少しでも省エネは進めた方がいいという事と、少しでも太陽光発電システムをはじめとする再生可能エネルギーは増えた方がいいという事です。
(もちろん諸々の問題を解決していきながらです)

そうして考えていくと改めて思うのです。現在の余剰買取価格制度は省エネと創エネを同時にかなえる本当に素晴らしい制度であると。
ですからソーラーパートナーズは住宅用の太陽光発電システムをこれからも軸足に据えて頑張っていきたいと思います。

Amazon.co.jp:誤解だらけの電力問題:竹内 純子:本

著者:竹内 純子
出版社:ウェッジ
価格:¥1,080
発売日:2014/4/28

まとめ

じつは、今回の本の中身で2点だけ注文をつけたい部分があります。

1点目は、太陽光発電システムの価格紹介のところでご自身の購入例と発電実績例を出して投資回収の計算をしているのですが、そのメリットを売電収入だけに限定してしまっている点です。
電気代の削減分もありますので実際はもっとメリットが多いはずです。

そして2点目は、太陽光発電システムの購入金額があまりに高過ぎるという点です。
2010年末に国内メーカー3.7kWを304万円と書かれています。
kWあたり82.1万円です。

J-PECが公表している過去データを見ると2010年10月~12月の全国の平均設置容量は3.84kW、平均契約単価はkWあたり61.4万円ですからkWあたり約20万円も高いです。
この当時の相場価格で言えば3.84kWであれば228万円です。

本文では回収期間13.3年と書かれていますが、相場価格で購入されていれば上記の電気代削減分を入れなくても8.5年です。
購入検討時にご相談頂きたかったです。