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電力会社が大型石炭火力発電所の新設へ エネルギー基本計画での石炭の記述

関西電力・中部電力が大型石炭火力発電所の新設へ

3月25日(火)の日経新聞一面に「関電・中部電火力を新設」というタイトルの記事がありました。
電力会社が各社大型石炭火力発電所の新設に動き出すというもので、2020年代の前半の稼働を目指して動き出したようです。

なぜ石炭火力発電所なのか?

石炭火力は石油やガス、水力や原子力と比べて二酸化炭素の排出量が一番多い発電方法です。
少なくとも東日本大震災前であれば反対の世論が巻き起こりそうなものです。

環境問題はすっかりどこかに行ってしまったような感があります。

電力会社が石炭火力を選択する理由は2つあります。

  • 石炭は一番安い

    二酸化炭素排出量も一位ですが、割安さも一位です。
  • 石炭は地政学的リスクが低い

    石油は中東依存率が8割を超えています。

石油輸入のキーとなるホルムズ海峡とマラッカ海峡

地政学的リスクについてもう少し詳しく説明します。

資源エネルギー庁が石油輸入のリスクについて中東依存度に加えて同様に公表している2つの指標があります。

  • ホルムズ依存率
  • マラッカ依存率

というものです。

石油の輸送は海を使います。
上の2つの率は、日本へ石油を輸送する際にホルムズ海峡マラッカ海峡を通過する率です。

ホルムズ海峡はイランが「閉鎖するぞ!」と常に威嚇を繰り返しているエリアです。
マラッカ海峡は航海の困難さ、海賊の出没等があるため、輸送を行う上でかなりのリスクをはらんでいる海峡という事で注視されています。

石油以外の地政学的リスク

天然ガスは中東依存度も29%と低く、調達国をかなりの国に分散できています。
また今後始まるアメリカのシェールガスの輸入も、石油に比べると相対的に地政学的リスクは少ないと考えられています。

そして石炭ですが、中東依存率は0%です。
中東依存がないため、ホルムズ海峡・マラッカ海峡を通過することもありません。

石炭の調達国はオーストラリアとインドネシアで9割弱を占めるという大幅な偏りはありますが、アメリカはシェールガスの拡大から、石炭火力からガス火力へ方向転換をしているため石炭の輸出が増加しています。

このように価格、確保できる量、地政学リスクの低さという観点から石炭が選択されているのだと思います。

先日発表されたエネルギー基本計画の政府案での石炭の記述はこのような内容になっています。

石炭

1.位置付け

温室効果ガスの排出量が大きいという問題があるが、地政学的リスクが化石燃料の中で最も低く、熱量当たりの単価も化石燃料の中で最も安いことから、優れた重要なベースロード電源の燃料として再評価されており、高効率石炭火力発電の有効利用等により環境負荷を低減しつつ活用していくエネルギー源である。

2.政策の方向性

老朽火力発電所のリプレースや新増設による利用可能な最新技術の導入を促進することに加え、発電効率を大きく向上することで発電量当たりの温室効果ガス排出量を抜本的に下げるための技術(IGCCなど)等の開発をさらに進める。

こうした高効率化技術等を国内のみならず海外でも導入を推進していくことで、地球全体で環境負荷の低減と両立した形で利用していく必要がある。

エネルギー基本計画(案)p.20 『第2章 第2節 各エネルギー源の位置づけと政策の時間軸』|経済産業省

まとめ

最近エネルギー問題にとても興味がありますが、知れば知るほど1つの価値観だけで論ずる事のできない問題であるという認識が強まります。
エネルギー問題は総合的かつ多面的に考えるべきものですし、こういう事は頭の良い役人の方々が一生懸命考えてくださっています。

おまけに私達が関わっている太陽光発電システムを筆頭とする再生可能エネルギーは地政学的リスクもありませんし、二酸化炭素排出量もわずかです。
おまけに現在の日本のエネルギーにおける再生可能エネルギーの比率(太陽光・風力・地熱・バイオマスの合計)はわずか2%にも満たない状況です。

今の私達にできる事は少しでも再生可能エネルギーの比率を上げるために努力することであると考えています。

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