太陽光発電のグリーン投資減税は2016年からどうなる?

前回に続き、太陽光発電の優遇制度に関する記事の解説です。

今回は、

  • グリーン投資減税に関する最新記事
  • グリーン投資減税そのもの

について簡単に解説します。

日本経済新聞に「グリーン投資減税による優遇が縮小」という主旨の記事

2015年8月26日の日本経済新聞に「太陽光発電の税優遇縮小」との記事が出ました。
この記事内の「太陽光発電の税優遇」とはすなわちグリーン投資減税の事です。
グリーン投資減税とは、簡単にいうと「太陽光発電を購入したら、税金を安くしてあげます」という制度です。

記事によると、現在、経済産業省がとりまとめている2016年度の税制改正要望に、今回の見直し内容を含める、という事でした。

太陽光発電の税優遇縮小 経産省検討、来年度自家用に限定

 経済産業省は2016年度から、太陽光発電の設備を導入した企業への税制優遇措置を縮小することを検討する。急速に普及が進んできたため、売電目的の大規模施設 を優遇対象から外し、自家消費型の施設に絞る。代わりに望ましい電源構成(エネルギーミックス)の実現に向け、地熱発電や木質バイオマス発電を新たな優遇対象に加えたい意向だ。

 優遇税制は「グリーン投資減税」と呼ばれ、15年度末が期限。経産省は対象を見直し、延長することを月末にまとめる16年度の税制改正要望に盛り込む。廃止を視野に入れる財務省と協議に入る。同税制では太陽光や風力、中小水力発電などの設備を入れると通常よりも早く減価償却でき、法人税負担が軽くなる。太陽光は他の再生可能エネルギーに比べ普及が進んだため、支援の必要性が薄れたと判断した。

太陽光発電の税優遇縮小 経産省検討、16年度 日本経済新聞 2015年8月25日

同じ話が、業界紙の電気新聞でも取り上げられています。

グリーン投資減税、経産省が2年延長を要望

◆地熱・木質バイオ発電の対象追加目指す

経済産業省は2016年度の税制改正要望で、今年度末で終了する再生可能エネルギー導入時の税制優遇制度について2年間の延長を求める。併せて同制度の対象設備に地熱発電と木質バイオマス発電を追加するよう要望する。安定的に発電する再生可能エネとして導入拡大を税制でも後押しする。一方で、導入が進んだ太陽光発電はFIT(再生可能エネルギー固定価格買取制度)買い取り対象設備への固定資産税の優遇をやめ、16年度から自家消費設備を対象とするよう求める。風力発電も取得価格の全額を即時償却できる特例をやめ、他電源と同様の優遇措置に戻したい考えだ。

グリーン投資減税、経産省が2年延長を要望 電気新聞 2015年8月26日

もともとグリーン投資減税は2015年度末(2016年3月31日)までとなっていました。
もし今回の経産省案通りになるなら、太陽光発電にとっては対象が縮小されることにはなりますが、期間は延長されることになります。
どちらの新聞が書いていることも同じ内容です。

ただ、同じ記事のはずなのに、日本経済新聞の見出しでは「税優遇縮小」と表現されていて、電気新聞の見出しでは「2年延長を要望」という表現になっています。
見出しだけを読むと、日本経済新聞を読んだ人は、「太陽光発電はそろそろ終わりかな」と感じるでしょうし、電気新聞を読んだ人は、「おっ!まだまだいけるのか!」と感じるのではないでしょうか。
見出しの表現一つで印象が真逆に感じる書き方になっているのが面白いですね。
記事を読むときには、こういった点も注意したいものです。

そもそも「グリーン投資減税」って何?

では、今回話題になっているグリーン投資減税とは、そもそもどういった制度でしょうか。
グリーン投資減税はかなり活用されている制度なのでご存知の方も多いかも知れませんが、念のためおさらいしておきます。

先ほど簡単に触れましたが、「グリーン投資減税」は、簡単にいうと「太陽光発電を購入したら、税金を安くしてあげます」という制度です。
グリーン投資減税の恩恵を受けられるのは、次の要件を満たしている場合です。

  • 青色申告している個人事業者か法人であること
  • 購入したものが対象設備(太陽光発電や風力発電など)とっていること
  • 平成25年4月1日から平成28年3月31日までの期間内に取得等し、その日から1年以内に事業の用に供した場合

受けられる税制優遇は、太陽光発電の場合は以下の2通りです。

  • 「30%の特別償却」
  • 「7%の税額控除」(中小企業のみ選択可能)

「30%の特別償却」や「7%の税額控除」といっても、あまりピンとこない方もいるかも知れません。
そこで、具体的な金額を使って、グリーン投資減税のメリットがいくらくらいになるのか、計算してみましょう。

グリーン投資減税にはどれくらいメリットがある?

今回は、太陽光発電を500万円で買った場合のシミュレーションを考えてみます。

まず、今期1000万円の利益が出る会社が、太陽光発電を買わずに普通に税金を払う場合には、次のようになります。
実効税率は分かり易く50%とします。

1000万円(利益)×50%(実効税率)=500万円(税金)

太陽光発電を導入しない場合、この会社は税金を500万円も納めなければいけないことになります。

グリーン投資減税の「30%の特別償却」を利用した場合

「30%の特別償却」を利用した場合のシミュレーションは以下の通りです。

<条件>
購入金額:500万円
償却率(定率法):11.8%
特別償却率:30%

1.「グリーン投資減税」を利用しない場合の償却額
 → 500万円(購入金額)×11.8%(償却率)=59万円(償却額)
2.「グリーン投資減税」を利用して上乗せされる償却額
 → 500万円(購入金額)×30%(特別償却率)=150万円(特別償却額)

グリーン投資減税を利用すると、『1.』『2.』の両方が適用されます。

『1.』と『2.』の合計は、209万円になりますので、利益の1000万円から差し引くと、791万円(税金計算に使用する「利益」)になります。

したがって、
791万円×50%(実行実効税率)=395.5万円(税金)
となります。

太陽光発電を買わず、そのまま何もしていなければ500万円の税金を納めなければいけなかったこの会社は、グリーン投資減税を活用して太陽光発電を買うことで、税金を100万円以上も節約することができました!
しかも、今回買った太陽光発電は、20年間にもわたって利益を生み続けてくれます。

グリーン投資減税の「7%の税額控除」を利用した場合

もしこの会社が中小企業者なら、30%の特別償却ではなく、7%の税額控除を選ぶこともできます。

その場合は、
500万円(購入金額)×7%(税額控除率)=35万円(控除税額)
となり、35万円も節税できます!

「30%の特別償却」はトータルではプラスマイナスゼロ

ただ、「30%の特別償却」の場合は、償却期間全体で考えると、最終的に支払う合計税額は変わりません。
なぜなら、初年度は節税できますが、2年目以降は償却金額が少なくなり、その分税金が増えるためです。

ところが「7%の税額控除」なら、今回節税できた35万円の分、後からしわ寄せが来ることは有りません。
節税した分が、そのまま節税になります。

グリーン投資減税にはこの様に大きなメリットがありますので、数多くの企業がこぞって太陽光発電を導入してるわけです。

税制改正要望の背景は?

では、今回記事に出ていた税制改正要望には、どのような背景があるのでしょうか。

日本経済新聞の記事には、「太陽光発電の普及がかなり進んだため、支援の必要性が薄れた」とあります。
そういった側面もあると思いますが、太陽光発電に対する批判をかわすことが、今回の改正要望の背景にあるのではないかと思います。

短期間で太陽光発電が一気に普及し過ぎたため、送配電設備にかかる負荷が問題になってきています。
また、再エネ賦課金が高騰していることに対して、「太陽光は儲けすぎ」という批判を聞くことも増えてきました。
こういった批判がある中で、グリーン投資減税をそのまま延長させることは難しいのでしょう。

一方、グリーン投資減税が太陽光発電の普及に効果があったので、木質バイオマスや地熱発電など、『他の再生可能エネルギーもこの優遇税制を使って広めたい』という思惑も背景にありそうです。
特に、2000kW未満の木質バイオマス発電は買電単価も引き上げられ、国として普及を進めたいという意図を感じます。

こういった背景が、今回の改正要望につながっているのではないでしょうか。

まとめ

現時点では税制改正要望がどうなるかまだ決まっていませんが、いずれにしても、これだけ大きなメリットがある優遇税制は見直されることになりそうです。

2016年4月以降は、グリーン投資減税の魅力的な優遇を受ける事は出来なくなります。
年度末から逆算すると、今のうちに準備しておかなければ間に合わない可能性が出てきました。

ソーラーパートナーズでは「グリーン投資減税を活用したい」という方からの見積り依頼を受け付けています。
当社ではこれまでに、グリーン投資減税の利用を希望されている方の太陽光発電設置を多数行ってきました。
投資効果の高い太陽光発電の提案はもちろん、減税のサポートも確実に行いますので、お気軽にお問い合わせください。

ソーラーパートナーズ
閉じる
ソーラーパートナーズ独自の取組